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ゲーミングヤンキー〜喧嘩最強の男、少女となりて激走する〜  作者: アスク
第二章 Hurtling Burst -online-〜超高速のその先へ〜
44/82

RE-S05-MAGNET:01



前回までのあらすじ


ひょんなことからゲームを始めた喧嘩最強の男、"鬼葉"は生活の足しにすべくレースゲーム【Hurtling Burst -online-】の大会に出場することにした。

しかし困ったことに3人チームを組むのがルール。

ゲームで知り合った"ヒナタ"と美少女コンビ配信者(予定)になることを条件に手を組むことに成功。

そしてもう1人は腐れ縁の"虎紀"と賭け勝負をするも敗北。完全にブチギレスイッチが入った鬼葉と、それに困惑するヒナタは3人目を見つけることができるのか!?



「ゴホン、いや取り乱して悪ィ」

「めっちゃ怖かったよ鬼葉」


 虎紀に敗北した直後、俺の中のなにかがぷっつんと切れた。さっきテンション上がり過ぎて理性がぶっ飛んじまった。昔からの悪癖だ。これで許してくれ。


「はい、サービススマイルだぁ、にっこぉ、どうだぁ、かわいいだろぉ?」


 そう!今の俺は絶世のルックスを持った美少女!!笑顔で人を殺せるのだ!!


{なんかもう逆に怖い}

{ニセの笑顔だ}

{人間不信になりそう}


「おい」


 まったく、わからずやな視聴者は置いておいて話を本題に戻そうか。俺ァもう勝つことだけしか考えられないが、だからこそ今の状況をなんとかせねば。


「困ったぞ、こりゃあ困った」

「メンバー足りないね」

「おん」


 先の戦いで虎紀に敗れた。これによりメンバー勧誘には失敗したので、出場はできない。そもそも再戦の大舞台に立たないとか笑えねーよ。


「……けどもう。俺にゃアテはねえぞ」

「鬼葉人脈少なすぎない!?」

「るっせぇ!おめーも似たようなもんだろォが!」


 こうなると3人目を新しく募集しなくちゃならねえ。でも身近にレースゲームの優勝狙えるようなポテンシャル持ってる奴そういねえよ。


「クソ……どうする、考えろ」

「むむむ」

「ぐぬぬ」

「「んーーー」」


 ポク、ポク、ポク、ちーーーん。


「あ、そうだ視聴者から募集してみる?」

「おぁ」


 ほう?いいかもしれんな。

 ただ、なんだろう、この流れ前もやった気がするんだが。気の所為か?


「募集するだけしてみるか……普段あんなコメントしてるがお前のファンにはちげーねえんだろ?名乗りを上げるかもしれねえ」


 憧れの三年生エースからセットプレイ組んでもらえるならこれ以上に嬉しいことねえだろ。喜んで手を挙げるはずだ。なあ?え?例えがピンとこない?


「じゃあ、とりあえず突発で配信してみるよ……まあゲリラだからそもそも人来てくれるかわからないけど」

「おう」


 前回の格ゲー有識者は本当に偶々すぐ見つかったからよかったが、今回は大丈夫だろうか。全員{レースゲーやったことない}だったらどうしようかね。










{レースゲーやったことない}

{レースゲーやったことない}

{レースゲーやったことない}


「はい」

「嫌なデジャブだぁな」


 ダメだった。


「お前ら逆になにやってんだよ」


{クリーチャークリエイト}

{栗}

{栗}

{クリクリ}

{栗}

{ロリパン}


「しょ、しょうがないよ。相変わらず博士クリーチャークリエイターばっかりだから」


 ああ、あの黒い物体が街を破壊するのを見て楽しむやつか。闇を感じるぜ。

 あと博士以外にもたまにロリパン勢が顔出してるな。その証拠に{はよロリパンやれ}というコメントがちらほら見える。まあ、そういう場合は「次の大型アプデまで待て」と言えば黙るが。

 ああ、そうそう、次のアプデで【ミルフィーユ・クラッシュ】という新キャラが来るらしいな。ミルキィの姉ではと示唆されてたり。

 まあ、んな話はどーでもいい。


「前回みたいに都合よくいかねえか」

「そうだね。前のが奇跡だったよ……ところで開催って何日だっけ」

「来月中旬とかじゃなかったか?」


 公式ホームページを見たら開催が2/16、応募締め切りは2/15までと書いてあった。ちなみに今1/3


「そっか」

「それがどうかしたか?」


 まだ時間はあるって?おいおいそれは甘いぜ。今から詰め込みで練習しないとやべーってのに。チームバランスとか考えないといけねえしメンバーは1日でも早く揃えたいところだが?


「ボク、ちょっと頑張ってみる」

「頑張るァ?」

「うん」


 ヒナタは頷いた。


「絶対に後一人見つけるから、鬼葉は練習に専念してて」

「お、おう……なんかあるのか?いい作戦が」

「うん、作戦ていうかネットを使ってゴリ押すんだけども……とにかく任せてよ!」


 なんだかすげえやる気だ。俺の判断基準は目だ。生きてる目。なんつーか、こう、やってくれそうな、ガチみがある。

 ヒナタは走るように去っていく。


「じゃあ!ちょっといって来る!」

「お、おう」


 そして俺の宇宙船から消えた……おいちょっ!?


{おいてかないでー}

{おいてかないでー}

{あ}

{ヒナたんいっちまったよw}


「配信まだ回ってるぞ……」




◆◆◆◆◆◆




「はい、はい、えぇ、えぇ!?はい?はい、あっ、了解しました」


 電子機器からの通話に事務的対応をし、内容をアナログでメモした。

 彼女はロリパン序列一位"久憐"の中の人にして、本大会の運営陣。九条(クジョウ) 蓮巳(ハスミ)だ。

 蓮巳の複雑な表情に、同僚と部下6人は不安を募らせた。


「えーっと、みなさん聞いてください。解説ゲストに、プロゲーマーのIZANAGI(イザナギ)さんがお越しくださるということになってましたよね」


 ああそうだな。と、口々に。頷いて、資料確認をぱぱっとしたらもう一度改めて頷いて。


「なにか問題あるのか?アジア最強選手と名高いIZANAGIさんがわざわざお越しくださるんだぞ?問題なんてあるもんかよ」


 同僚がそういうと、蓮巳は首を横に振る。


「その日本の大英雄が来ちゃうのが問題です……現時点で参加チームが、大会運営の規定値を大幅に超えています。原因はIZANAGIさんの宣伝効果なんですけども……このまま実行すると、レースに収まりきらず試合できないと鳩バスの制作から」

「なに?」

「おーい貧弱サーバーかい?」

「今確認取りました!やべえっすね!2部リーグの応募人数じゃないよこれ!」


 始まる前からその異様なチーム数に空いた口が塞がらない運営一同。その総数500チームを超えている。インフルエンサーの効力に感嘆しつつも頭を抱える。

 

「それで?どうする、人数過多をどう解消する」

「くじ引きとか?」

「運ゲーかよ。流石に可哀想では」

「いいだろ知ったこっちゃねえよ」

「製作側がどうにかしろよ!新しいフォーマット作るとかさ!」

「いやお前ゲーム制作舐めとんのか!んな簡単にポッとできるもんとちゃうねん!あれはクリエイター一人一人とAIの知能をすり合わせて────」

「知るかぁボケ!エンジニアになれねーからうちにきたうんちカスの分際が!発言権はねえ!」

「ひどくねえ!?そんな厳しく言うことないやん!?」


「んっんん!」


 騒ぎ立てる者ども、あやうく、いい大人が取っ組み合いの喧嘩を始めそうな雰囲気だったが、蓮巳の咳払いひとつで止まる。


「悪かったわね、部署(ここ)がうんちカスの来る場所で」

「いやそんなつもりは」

「まあいいです」


 蓮巳は電子端末を立てて、巨大ホログラムを展開させる。その光景に部下と同僚は目を瞬かせて。やがて説明する。


「製作側からオンライン大会予選を組むように指定されてました。これは決定事項……」


「は?」

「へ?」

「んん?」

「なぁ?」

「あ?」

「え?」


 理解が及ばない部下同僚。なので蓮巳は1発でその惨状を伝える言葉を放つ。


「残業確定です」


「「ざっけんな!!」」

「もう広報しちゃったんですけど!」

「ホームページの方からやり直しやん!説明役やってもらってる声優さんとスケジュール合わんて!」

「今更すぎるわ!俺らが残業することなんとも思ってないんだろな!アイツら!」

「ファッキン!ファッキン!」

「中指立ててないで手ぇ動かせボケナスぅ!!」

「AIが仕事奪う時代はいつ来るんだよ!もう俺仕事したくない!!」

「泣き言うなぁ!」


 なんだかんだで即仕事に取り掛かる皆に、やれやれと肩を竦ませる蓮巳もまた、デスクに向かい、電脳空間に行ったり、で忙しくなる。


[【重要事項】Hurtling Burst -online- JAPAN CUP X86 予選のお知らせ]

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