表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーミングヤンキー〜喧嘩最強の男、少女となりて激走する〜  作者: アスク
第二章 Hurtling Burst -online-〜超高速のその先へ〜
40/82

亜高速暴風域:01



 レースゲーム【Hurtling Burst -online-】大会は3人1組。俺とヒナタともう1人必要。

 ということで俺は古くの戦友であり、最速のバイク乗りであり、プロに片足突っ込んだゲーマーの虎紀をメンバーに引き入れようと、交渉を持ちかけたわけだが。


「断る」


 即拒否された。


「鬼葉さんよぉ」

「あ?」

「お前にとってオレは敵なんだろ?」

「んあ?まあ、そうだな」

「じゃあダメだろ」

「あ」

「おいおい頼むぜー?鬼葉さんよぉ」

「なるほどなァ……」


 俺は虎紀が断った理由に気がついた。


「確かに、テメエと俺は敵同士だからな。二つ返事で『はい組みます』ってなるわけねえよなァ」

「……あっ。んああ、そうだ、そうだ、そーだとも!」


 ああ、金に目がいって重要なことを忘れていたぜ。このシマじゃ、なにか物言う時には戦わなくちゃあな。


「勝負しろ虎紀、俺が勝ったらチームに入ってもらうぞ」

「上等馬鹿野郎!!てめーなんざ小指で殺す!!かっはっはっ!!」


 いつだって、俺とコイツはそうなんだ。手を取り合うなんてクソ喰らえ、ボロボロになるまで競り合って、ようやく対話ができるってことだ。

 陽炎のジジイの元、穏便にやってるが、主戦場をゲームに移したところで俺は、俺たちは、ライバル戦友敵同士!


「ところで、鳩バスやってんのか?虎紀」

「お前のプレイ時間の二乗はやってんぜ」


 ほう、格上ってわけか。


「二乗の概念あったのか、そのちっせえ脳味噌の中に」

「おいバカにすんじゃねえよ!わかるわターコ!!大体てめーも似たようなチビ頭だろーが!」


 るっせえ、俺だって本気出せば勉強ぐらいやらぁ。いや、もう一生やらねーけど。









「つーわけで勝負することになった」

「キミすごいね。何かするたび取れ高もってくるじゃん、ありがたいけど」


 ヒナタに報告した。驚いているようだ。

 ま、龍頭で1番の有名人 (悪い意味)だからな。ヒナタが俺をコンビに指名したのはお目が高いと言えよう。フハハ。


「それで、その虎紀さんは?」

「んあ?そろそろ来ると思うぜ」


 ここは鳩バス内での待機所。ここだとまだキャラセレクトはしてないんで、AtoZのアバターになるわけだ。そういや虎紀のアバターは見たことない。


「あ、きたみたい」


 宇宙船内にプレイヤーが入ってきた音が鳴り、そこの出入り口から奴は入ってくる。


「おっと……」

「あれは……」

「おうおうおうおうおう!怪奇現象でも見たかのような反応だなぁ!てめーら!」


 そこにいたのは……面影もクソもあったもんじゃないドギツイ黄色と黒配色の上着を着込んだ骸骨人間だった。


「おい、年末をハロウィンだと思い込んでるパッパラパーがいるぜ」

「そーういうことなの!?」

「ちがうわ!!」


 骸骨人間はバック宙をしながら俺ら2人から見やすい距離を取り、親指を上げてそれを自分に指した。


「希代の天才プロゲーマー!快速の猛虎!大会荒らしとはオレのこと!名前が知りたい?ならば教えてしんぜよう、オレ様の名は……」

「虎紀」

「おい言うな!最後までやらせろよ!」


 悪い、つい言ってしまった。だって最初っから頭の上に書いてあるんだぜ?虎紀って。てか、本名のまんまなんだな。わかりやすいから助かるが。


「と、虎紀、ボクはシト・ヒナタ。よろしく。


 ヒナタが近寄って右手を差し出す。すると虎紀は腕を組み、骨の穴の内側で光る、目玉らしいものが細くなって「むーーっ」とこちらを見る。


「鬼葉、お前、女の子姿になってこの子騙してんじゃねえだろうな」

「はぁん!?」


 するとヒナタが弁明する。


「ち、違うよ、鬼葉が女の子なのはボクがそうするように言ったんだ」

「あ、いや」


 しかしその弁明はまずいんだ。そりゃつまり「喧嘩最強の男である鬼葉が、ヒナタという一見してか弱い小動物のような人物の指示に従い、まして何の抵抗もなく女の子になっている」ってこと。

 虎紀がそんなことを聞こうものならば。


「かっーーはっはっは、あひっひひひっ、冗談キツイキツイ、あぁぁっはっはっは!!ウェッ、ウェッっへっへ、かっはははんぶっ!」

「笑い過ぎだ馬鹿野郎」


 頭を殴った。しかしだめだ。


「あひんっ、あっひっ、喧嘩最強の男がついに他人の指図を聞いた上で少女化とかっ、あっはっ、言いふらそ」

「やめろつってんだろーが!!ボケが!!」

「怖くないよぉ!かあいいね、かあいいね!!」

「ダァ畜生!!」

「そんで、お前もしかしなくてもちょっと乗り気で女の子になっただろ!やーいロリコン!」

「るっっっっせえええ!ちがわい!!」


 今度は思いっきり殴りかかった。が、ゲーム内セーフティに暴力行為とみなされて、阻止される。憎らしいプログラミングだ!


「お、おっけー、おーけー。鬼葉をここまでしてやれる奴なかなかいねーぜ。誇っていいぞ」


 虎紀はヒナタの手を取った。


「よろしくヒナっさん」

「ヒナっさ……あ、うんよろしく」


 俺は頭の後ろをかくしかなかった。なんつーかなぁ。まだ仲間になるって決まってねえけど、いざ一緒にいたらめんどくせーなコイツぁ。


「いいさごちゃごちゃ言ってる時間をせいぜい大切にするんだなァ?お前は今からクソボロに負けて、俺様の配下になるんだからよォ……」

「どーかなぁ!?クソボロになるのはお前のほうだぜ鬼子ちゃーん?」


 光る目玉と睨み合った。勝負と行こうか。










「こんヒナ、ボクです!ヒナタです!」


{こんヒナ}

{こんヒナ}

{こんヒナ!!}


「鬼葉が3人目のチームメンバーの候補を連れてきたよ……けどどうやら一筋縄ではいかないみたい」


 ヒナタが配信カメラをこちらに向けた。今頃準備運動する俺と、どこの馬の骨とも知らない、つーか虎の骨が頭にくっついた異形が映ってることだろう。


{だれ!?}

{だれだっ!?}

{なんかいるんですけどwww}


「紹介するね。彼の名前は虎紀。鬼葉の知り合いみたい」


 俺と虎紀はウォーミングアップを終えると、現状の説明とおさらいを兼ねた確認を始める。


「条件はこうだ。俺が勝ったら虎紀、テメェはうちのチームに入れ」

「んじゃあ、オレが勝ったら?」

「……なにが望みだ?」

「……。いや、望みはねえ。あ、一つあるな。さっきの街に言いふらしていいか?」

「ぐぬ。おーけー。わあった、それでいい」


 勝てばいいからな。


{鬼葉vs虎紀!!}

{よくわからんがはーたんが勝てばいいんだな!?}

{はーたんがんばえー}

{はーたんがんばえー}

{そして傍観するヒナたん}

「ねえ、一言多いよ視聴者くん」


 ここからは勝負内容を説明していこう。まず前提としてハードコアフォーマットでレースするわけだが。


「コースはオレが指定させて貰うぜ。問題ないよな?」

「ああ」


 コメント欄がざわつく。


{いいのか?}

{不利じゃね?}

{虎紀氏の実力次第だろ}

{アンドロメダ選ばれたらどうすんのよw}


 まあ、そうだな。ちと、不利が過ぎる。が、立場的にお願いする側の俺は従うしかない。虎紀は譲らないと言ったからな。


「ただ、まあ、アンドロメダじゃなさそうだ」


 虎紀が選ぶのは【アンドロメダサーキット】とはまた別のものだった。数秒、レース場が掲示される。


「【天空横断98(ナインティエイト)】」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ