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ゲーミングヤンキー〜喧嘩最強の男、少女となりて激走する〜  作者: アスク
第一章 ロリポップ・パンクラッチ〜可愛く、そして喧騒〜
3/82

格安ゲーム、略して格ゲー



 さて、ゲーム機が手に入ってしまったら流石にゲームをするしかあるまい。

 ひとまずへッドホン型のVRマシンを耳に当てる。


 ヘッドホン型のマシンを装着。すると透き通るような女の声と共に空中にウィンドウが開かれた。いや、正確には目の中に直接開かれてるみたいだ。

 触ろうと思っても見えてるものの中で一番手前にあるように触れない。

 その代わりに俺の考えることに連動しているな。念じればページをスクロールできる。

 利用規約をささーーーっと読み飛ばして次。


[身体の全情報をスキャンしますがよろしいですか?]


「んあ?いいぜ」


[認証────スキャン完了]


「早いな」


[以下メニュー、又は思考認識によりアプリケーションを選択できます]



 そうして、現れる無数のウィンドウ。それぞれが音符や手紙のわかりやすいアイコンをしていて、下にそれがなにか表記されている。

 と、まあ、俺の場合はまずそもそもゲームを買わねえと話にならない。

 ミュージック、ビデオ、日記、カレンダー、設定……おお、あったあった。オンラインショップ。


虎紀(アイツ)曰く『最初は好きなゲームをやればいい』と。んなら暴力的で血の沸るようなのがいいよなぁ?」


 当然だ。俺はその為に毎月4000円を許容してんだからな。誰も止める奴はいねえ、合法的に殴り合い喧嘩を楽しくやれるのが一番いい。


「……ただ、あんま高い買い物はできねえな」


 ずらりと並ぶのはどれも5000円くらいする。高いものは10000超えてる。もうちと、安く頼むぜ。金欠には厳しい。なに?金欲しいなら働けって?うるせえカツアゲすんぞ。

 はじめてのゲームに失敗して金の無駄になると死活問題だ慎重に行こう。


「となると値段上限をこう、下げてな」


 わお、ラインナップ激減。そりゃそうだよな。金払ってくんなきゃゲーム屋も儲からん。

 どれもつまんなそう、あとやっぱ安っぽい。うーーん……うお?


「おいおい、なんだ?ちょっといい感じだぞ」


 俺の買い物即断即決。この安さ、このパッケージの雰囲気、ジャンルに堂々と書かれた"格闘"。きたぜきたぜ。最高の立地条件を揃えたゲームソフト!これだ!











[認証。ゲーム【ロリポップ・パンクラッチ】を購入しました。ホームからいつでも遊べます]


 ちょいと可愛げのあるキャラが血のベッタリついたバットを持ってニヒルに笑うパッケージ画像。価格はなんと脅威の150円。なんつーハンマープライス。何がいいって値段に対して安っぽさが無い。


「『個性豊かなキャラクターになりきって、熱いバトル!』か。まあ、俺の身体に近いキャラ選ぶが。おためしでやるのにもってこいじゃあねえのか?」


 果たして身長190、体重90を超えてるムキムキマッスルマンがいるかどうか。ああ、俺のエイトパックが吠えてるぜ。

 最悪150円くらいなら無駄にしても平気だからな。150円くらいなら。さて、始めようか。


[【ロリポップ・パンクラッチ】を起動します、ユーザー:桃葉(トウバ) (カイ)、ようこそ、電脳空間へ]














 ────察しの良いプレイヤー諸君なら、ゲームスタートをする前からもうお気づきだろう。【ロリポップ・パンクラッチ】がどういうコンセプトのキャラクターゲームなのかを。

 ロリポップが菓子の方の意味じゃ無いということに、残念ながら鬼葉は気づくよしもなかった。

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