Sランク昇格戦:04「ここからラウンドスタート」
朝起きれば日間50位を超えてました
感謝を込めて更新
{チーター相手に舐めプ}
{相手が弱すぎるのか鬼葉が強いのか}
「……どっちもじゃないかな」
わざと相手に撃たせるまでして、一瞬のうちに距離を詰めて勝った鬼葉。その始終を捉えてしまった紫兎ch一同は驚愕。
「これで残りは、鬼葉、ランク7位と2位と1位」
{と、ヒナたん}
{配信主これ勝てんくね?}
{ワニの池のど真ん中に溺れた兎さん}
{終わったな}
{お前も信仰力をみせるんだよッ!}
「ボ、ボク、このままカメラマン役やろうか「お、ヒナタじゃねーか」ひぃ!?」
ヒナタ、鬼葉に捕まる。
「や、やあ鬼葉……」
【ミルキィ・クラッシュ】の可愛い笑顔。ニコニコである。いっそ違和感を覚えるくらいの笑顔。
{嫌な予感}
{あ}
{これあれだよね}
{これは}
{紳 士 の 微 笑 み}
「よう、ヒナタ、これでよ、アローズのクソども全員ぶちのめしたからよ」
「う、うんそうだね」
────そして目玉を開く。
「ラウンド開始だァァァ!!」
「ひぃぃぃぃ!!」
獲物に狙いを定める肉食獣か、あるいは鷹か、それとも鬼か。ヒナタめがけて走り出す。
「ぶっ倒すぜぇぇぇーーーー!!」
「鬼葉!後ろ!!」
「ぬん!?」
ヒナタが咄嗟に指を出して、後方をしるす。古典的なトラップ、それにひっかかる鬼葉……というわけでもなく。
ヒナタが指をさしたのは、本当にそこに居るからである。鬼葉が振り向いたのは、気配を感じ取ったからである。
「ミルキィ、手合わせ願おうか」
「やあ、久しぶりですね鬼葉さん」
「お前らァ!」
{三つ巴キターーー!!}
{キターーー}
{あれがトップ2人か}
{どれが一番強いのか}
{この試合休憩時間ねえなw}
1位と、2位、強襲。
鬼葉がちらりとヒナタを見るが、もう余裕はない。
[5分が経過しました、エリアギミックが作動します]
ヒナタを守るように、電車のドアが閉じる。
◆◆◆◆◆◆◆
[5分が経過しました、エリアギミックが作動します]
「さあやりましょうか。話題の人」
「貴様は、紛い物か?」
「俺は、俺だ」
列車が動き出したのを皮切りに、俺と、久憐と、エクレアは攻撃を仕掛ける。俺は久憐に、久憐はエクレアに、エクレアは……久憐に。
「2対1ですか」
「別にそのつもりは、ないが、ね!」
「エクレア!横取りしてんじゃあねえぞ!こいつァ俺の獲物だ!」
なんて言ってやるが実際は俺がハイエナみてーだ。キレッキレのナイフ捌きで肉薄するエクレア。2位の実力は伊達じゃなく、あの久憐を押して、俺は取り残されてるとさえ思えてくる。
生じる隙をついて俺は殴りを入れるしかない。これには流石の久憐も防戦一方、と思いきや。
「貴様……」
「畜生、飴4つは手強いな」
エクレアの刃を一つ、俺の拳を一つ、バットでガツガツと弾いた。そこを押し込むように大きな一振り。風圧が起きて無理矢理に俺とエクレアは引き離される。流石に攻め時をわかってやがるな。
「君ら程度の者、この懐にはいれませんよ」
「程度、とね。私は一応最高峰の実力を自負しているのだが」
「2人相手でこれとか、お前」
侮ったかもしれん。この久憐、俺の想像の遥かに上をいく。
何処から攻めようが死角なし。そう言わんばかりの眼力の【ヴィター・バット】
俺はランクマッチをしている関係で同じキャラの使い手と戦ったことはあるが、ここまで間合い管理が繊細な奴はいない。
腕を伸ばきるよりちょっとぐらいの距離までが範囲内。それは、俺とエクレアがちょっとでも身体を前に倒したらぶつかる範囲。
[きしゃしゃ]
「ん?」
笑い声がした。聞いたことがある声だ。人の声じゃない、機械で作ったノイズだらけの笑い声。
「クマ……?」
「まさか」
エクレアが反応を示して、久憐から後退りする。気づけば四方を取り囲むようにクマ人形が4体。包丁を持っている。
殺気を帯びている。
「くっ!」
襲いかかってきた。包丁を振り回し、まるで【ヴィター・バット】の間合いへと押し込むように攻め立ててくる。
「どうやら菓子より煎餅氏は私の味方をするらしいですね」
「紛い物め……2位狙いか!」
「なるほどなァ!」
最後まで生き残れば1位になる。これは当然だ。勝利として扱われランクアップする。
最後の一歩手前まで生き残れば2位になる。敗北として扱われるがランクダウンはしない、それが2位。
菓子より煎餅はこの試合は久憐に譲ることにしたのだろう。俺とエクレア、あとヒナタを倒し2位となってこの試合は流すという選択。
勝利数を稼ぐっていう目線で見ればある種正しい選択だが、俺好みじゃあないな。
「クソ人形が!」
殺人ぐりずりー君だったか?を殴って押し返したら、俺も久憐から離れる。一応全員敵のバトルロワイヤルだが、見方によっては俺&エクレアvs久憐&菓子より煎餅だ。
いたの間にやら【ミルキィ・クラッシュ】と【エクレア・サーベル】で隣り合わせに。敵の敵は味方的なアレか?
「鬼葉よ。菓子より煎餅本人を倒さなければクマは無限に現れ続けるぞ」
「んなことはわかってんだよ。だが久憐を野放しは不味い気がするぜ」
「……理由は」
「地の利を取られる」
「そうか……ちなみにミルキィの一人称は"ワタシ"だ」
そっちに合わせる気はあんまりねーよ
「雑魚クマがしつけーのは事実、邪魔だけは一丁前だな」
動き自体は単調。突撃に対してカウンターすれば楽に対処はできる。できるが、ゾンビのようにその場で蘇生する。
そして、久憐の動かすヴィターはバットをクルクル回しながら近づいてくる。
「なに、今は逃げませんよ、私は」
4体のクマ人形と久憐に挟み撃ちという形で追い詰められた俺と、同じ状況に陥って暗黙の了解的に一時協定を結んだエクレア。この状況を打開する方法は2つ。超高速で久憐を倒し切ってしまうか、クマ人形の蘇生の隙に撤退するか。
まず前者だが久憐はそんな簡単に倒せる相手じゃねえ。アイツは、俺とエクレアの2人を同時に相手をして引けを取らねえバケモノ。
まあ冷静に考えて始めて数日のぽっとでの俺がそれに並々ならぬ時間を賭してきた奴に技量で勝てると思う方がおかしいし、まして邪魔者もいる。
そして後者。多分撤退自体はできる。できるが久憐を見失うことになる。そしてクマが監視役になってしまうので、もしここで退却すれば位置情報のアドバンテージをもって久憐に敗北する可能性も跳ね上がる。ただこの選択をした場合、菓子より煎餅を先に倒せる可能性が上がる。
久憐とクマ人形がジリジリと近づいてきている。どっちも選択しなければこのままリンチだ!
「引く方が賢明だと思うぞ、ミルキィ」
「くっ……!んあ?」
四方を取り囲む熊のうち左の1匹が持ち場を離れる。まるで俺たちから少しでも遠ざかるように。
「なん、だ」
それを誤魔化すように残り3体が走り出し、襲いかかってくる。久憐は……警戒したか動きを止めた。
{ショコラ・ドール【覚醒技:シンタイヒョウイ】発動}
「覚醒技!?」
「なんだと」
エクレアも驚愕している。取り敢えず3匹を処理する。何度も甦ってしぶといから鬱陶しいってだけで特に苦戦はしない、しかしなんだ、覚醒技って……。
「おいおいどうした、ご本人様が登場しやがったぜ」
ショコラ・ドールの覚醒技、それは遠隔操作できる殺人ぐりずりー君と自分の位置を入れ替えるというものだ。
わざわざ一度きりしか使えない技をここで捨てて危険な場所まで顔を出す理由はなんだ?自害か?
まあいい、なら先にコイツだ!厄介だからな!
「くっ……」
「倒す!」
「私を無視しないでくださいよ」
バット!?まずい!
「ガードぉぉぉ!!!」
間に合っったぁ!!ベストタイミング、未だに成功率難ありだったがセーフだ。しかし反撃は差し込めない。俺はバットの間合いから抜ける。
俺と、久憐と、エクレアと、菓子より煎餅、はそれぞれの間合いを取り始める。
「協力しましょう久憐さぁん。一位は譲りますのでね」
「……」
2人が近づく。
「やるぞ、ミルキィ」
「ふん、ショコラ、ヴィターをぶっ倒して次にお前だ」
「面白い、やはり貴様は本物だ」
俺とエクレアは改めて組む
久憐は守るように菓子より煎餅の前に突っ張った。そしてそれを守護するように3体のクマを配置する。
「しかし奇妙だな……」
「ああ」
不審に思うのはやはり菓子より煎餅。
(なぜ前に出てきた)
わざわざ安全圏を飛び出してここまできた理由は。私も混ぜてくださいか?いや違う。2位狙いで堅実にランクを上げることを考えているタイプのプレイヤーだ。そんな情熱的なことはしないはず。
いや、実はそういう性格と言われればそれまでだが。理由がわからない。
「……」
ガタン、ゴトン。俺ら側の路線に電車が止まる音がした。背を向けてるので見えないが。空気の抜ける音がしてドアが開いたんだなとわかる。
そうして、俺の中で警戒度が、徐々に徐々にここにいないプレイヤーに傾き始める。
「大局を見ている、そういうことなのか?」
いいだろう。乗ってやる。お望み通り2対2をやってやろうじゃねえか。その上で、お前には負けんぞ、我がライバルよ。
おかげさまでゾンビから生きた人間(魂抜けてる)ぐらいには回復しました
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