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ゲーミングヤンキー〜喧嘩最強の男、少女となりて激走する〜  作者: アスク
第一章 ロリポップ・パンクラッチ〜可愛く、そして喧騒〜
16/82

超撃爆破のナンバーナイン:05



 人混みに紛れて、離れる。外れの店でキャンディを拾っては身を潜めて。

 互いに互いを見失った。が、この場合体力的にあっちが有利。待ち伏せて爆弾放り込めばいいからな。


「キャンディ」


 向こうに光が見える。

 迂闊には取りにいけない。これが罠って可能性が半端なく高いから。


「拳以外のアプローチができねえのが辛いとこだぜ」


 全身真っ白人間が無意味に出入りするのを見る。飴の前を素通りしていく……拳以外を使ってみる。目の前にあるじゃんか、使えそうな物もとい者が。


「のっぺらぼう、お前は人間じゃあないよな?」


 少し道徳心を捨てる。白い人間もどきの足を引っ掛け転ばせて、そのままお姫様抱っこする。残念、今の俺は白馬の王子でもなんでもなくミルキーでクラッシュな少女だ。


「せぇぇい!!!」


 白人間をキャンディの方にそのまま放り投げた。さあどうだ?反応なし!


「っしゃあ!回収……んあ?」


 今のを目撃して慌てふためく他の白人間。恐怖が伝播するようにたちまち商店街は騒ぎを起こす。


[[[わぁぁああああ!!!!]]]


 口がないのに悲鳴が。どう見ても空っぽな人形だと思いきやこの感情の発露。おいちょっとまてこれ俺の位置バレるんじゃね?


「よし、この場から離れようか」


 狂乱する白をすり抜けて、商店街の奥に向かう。ちなみにこのエリアの一番奥まで行くとバリケードがあって行き止まり。まあつまりこのまま逃げ続けても袋の鼠。


「どこかで反撃しなければ────」


 ドン。と、遠方で爆破。

 ドン。と、その真隣が爆破。


「おいおい、アイツ」


 風格からダイナマイトを使った頭脳派って感じがしたんだけどな、俺の勘違いらしい。


「商店街をしらみ潰しに爆撃してやがる」


 俺を探し出してゲームエンドさせるべく動いた破壊行動。体力差をもって押し込んできやがったか。ん?なんだ白い民衆たちの様子が……


「まさか!?」


 さっき1人放り投げて慌てふためいた住民たち。それが今度は商店街爆撃となったらどうなるだろうか。のっぺらぼうの人の波が奥の方から押し寄せる。


「やべえ!押しつぶっ……」


 もしかしてこれ、体力削られて死ぬんじゃねえのか?それが狙いなのか!?クソ!飴集めて対面する前に死ぬとかありえねえぞ。

 人の波に揉まれるな、あえて店の中に!


「ふっ!」


 緊急脱出。リアルボディならいざ知らず、体の小さい女の子だ。巻き込まれて踏んづけられて死んでしまうかもわからない。俺は人が逃げていなくなった店の中に息を潜める。


「……ただ自分の位置をお知らせしてくれるのはありがてぇ」


 それだけ対面で負けない自信があるってことでもあるんだがな。上等。

 ならば今の位置情報のアドバンテージを最大限に活かすしかあるまい。ガチリアルの鉄火場を体験したことはあるか。命のやりとりをしない分楽にこなせる!


「5個目のキャンディ。フハハハ、運が傾いたぜ」


ーーーーー

ポンキャンディ:サイダー味

スピードが少し上がる。


覚醒技解放まで5/5

ーーーーー


 不幸中の幸いかな。

 爆撃が店を破壊しつつ近づいてくる。透明な姿の巨人が歩いてるみたいだ。このまま待ってたら普通に爆撃されて死。どこかでやられる前にやる必要がある。


「覚醒技は一回。大事なのは撃ち時」


 こっそりのぞいて目を凝らす。崩れ去る店。堂々と歩いて近づいてくるブラウニー。

 どうやらダイナマイト1発で崩してるわけじゃないようだ。一軒につき3つ使用しているのがみて取れる。導火線に火がつき、爆発の寸前で投げ込んでいるあたり抜け目ない。

 ちゃんと崩れるように投げる位置は建物を支える支柱や土台、壁のそば。3点で崩しているようだ。


「1度に使えるのは3発まで……」


 1度に使えるのは3発まで。1度に3発。3発。


「フッ」


 炉万奏音は俺の今いる場所の一軒前で足を止めた。飴の内訳は、ディフェンス2パワー2スピード1本当はスピード2以上がよかったが欲張りは言うまい。さて、3発、投げ込んで、それから補充までは無防備!

 

「っ!?」

「ハハハハハッ!!」


 店から飛び出し急接近。ミルキィはミドル級の中だったら一番身軽で素早いからな。この距離は間に合う!覚醒技を……だめだ!


「くっ!やるじゃないか」

「ガードをすると思ったぜ!」


 現実の世界には存在しないものがこの世界にある。オタシコ、ガード、末恐ろしい。

 もしここで正直にギンガハメツを撃ち込んでいたらギリギリ耐えられてカウンター負けする可能性があった。

 しかしこれで隙を作ってしまうのも事実。受け流されて体制を崩した俺に攻撃が来る!まずいぞ、マジでまずい。

 いくらダイナマイト無しの貧弱攻撃であっても今の体力では耐えられるかどうかわからないぞ────。


「ぐっ!!」


 いや、いける。腹を殴られる。耐えろ!いや、ちがう、反発しろ、いける。コイツにやれて、ヒナタができて、俺に、できねえ通りはねえ。


「ガード返しィィィィ!!!」


 体力ゲージ────削れる削れるやばいやばいやばぁぁぁっひゅぅー!あっぶねえ。拙いガードだったけど、なんとか軽減は成功!あとはディフェンス飴2個のおかげかな!

 しかし状況は依然不利、ダイナマイトを補充された。今か?今使えばいいか?覚醒技。


「いや────まだだ!まだ!」


 ダイナマイトを1つ右手に持って、お前もろとも自爆してやると言わんばかりに接近してくる。俺はそれに対してむしろ接近する。導火線を見ればまだ大丈夫だからだ。ここで重要なのは、身体の影に隠してある左手。持ってるんだろ?起爆寸前のそれを。

 腰を捻る。へそがこちらを向く。溜めるように、左手が遅れてそれに続いて。ピッチングマシーンのように撃ち出す爆球。

 そのボールは爆発物につき、俺は拒否する!


「今!」


{ミルキィ・クラッシュ【覚醒技:ギンガハメツ】発動}


【ACTIVE!!】をおして、拳は大きく。立体駐車場を壊滅させてみせた破壊の一撃をまさに打ち出す。ダイナマイトの爆撃を諸共しない風圧を巻き起こし、ブラウニーの身体の面の全てに叩きつける。


「おちろおおおおおお!!!」

「ぬおおおお!?」

「テメェ敗因はたった一つだぜェ【ブラウニー・ダイナマイツ】炉万奏音!」


 威光を放ち全てを消し去る、銀河を破滅させる力!


「終始、俺を侮ったことだ!!!」


 本気じゃないやつに、まして俺が負けるわけねぇーんだよ!


「ぬぁぁぁ合法ロリぃぃ────」


 滅。


{鬼葉が炉万奏音をキルした}

{you win!!}











{ランクアップ!B-1→A-3}

{Aランクへ昇格!!}


「よっしゃあああああ!!!」


 やったぞ、やったぜ、やってやったぞ!!この世界で9番目に強え奴に勝った。これは誇るべきことだ。いいぞ俺!偉いぞ俺!お前は戦いの天才だ!


「フハハハッ!」


 反省点は、まあある。もしも覚醒技の無限ダイナマイトをもっと的確なタイミングでしつこく狙われていたら生存したなかっただろうからな。喜ぶのはいいとして、勝ったというより負けなかったという意識でいる方が正しいか。

 まだまだオタシコ鍛錬が足りない……なんかもっとマシなネーミングねーのかよほんと。

 いやしかし。


「とりあえず今は、嬉しい」


 勝ててよかった、マジに。





◆◆◆◆◆◆



 トップオブロリポップ。ランカーについて、俺とヒナタは駄弁っていた。

 ランキング上位10名は、オンラインバトルのその様子を自由に観戦できるように公開される。これは、まあ、当人としていい迷惑か、戦術公開のハンデあるくらいが丁度いいとか考えてんのか。知らねえ。


「今ランクやってる人は9位と7位、それから2位と1位だね」

「ほーう、名前みれちゃうのか」

「まあ、試合見れるし当然だよね」


 俺はそのとき参考にしようと、4人を見た。

 そして、初めて知った。


ーーーーー


序列9位:炉万奏音


序列7位:菓子より煎餅


序列2位:エクレア








序列1位:久憐


ーーーーー



「……アイツ、ここの王様だったってわけか」


 

 俺の壁は、依然高い。






◆◆◆◆◆◆





「……」


 その男が足を運んだのは、便利屋"陽炎"この店は1人の店主が経営しており、かの龍頭三大勢力筆頭、鬼葉、虎紀もお世話になっていると言う、アンダーグラウンドじゃこれ以上にない有名な店だった。


「はぁい?なんじゃあ?」


 インターホンに反応して白い髭を蓄えたお爺さんが、店から出てくる。

 男は、それを黙って見つめる。


「おっほほぉ、包帯の兄ちゃんそんな見た目ないどくれぇ?照れるじゃろ」

「……」

「なぁぁんじゃ。んな物騒なもんしまっときぃ」

「うるさい、さっさとこい」


 男に、拳銃を突きつけられたお爺さんは、大人しく投降する。


「乗れ」

「ご丁寧にワゴンまでまぁ……若いのはええのう」

「うるせえ!乗れ!」

「へいへい」


 車内には男の仲間が3名。運転手と助手席に1人ずつ。後部座席に1人いて、お爺さんを間にガッチリ挟む。


「ジジイ。お前、ハッキングの知識あるだろ?」

「……どうじゃろ?忘れたかもしれん、わし認知症」

「ふざけるな。お前には今から、あるゲームをハッキングしてもらう」

「おいおい……ならお駄賃ちょうだいな」

「依頼じゃない命令だ」


 携帯端末のホログラムに表示されたパッケージ画像を見せられる。


「このゲームをハッキングしろ」

「……おやおやまぁ」


 それは血みどろのバットを持ってニヤリと笑う女の子が描かれている。

 便利屋の店主は青年たちに向かって問う。


「お前さんら、なにもんじゃ」


 そして答えた。


「俺たちは、アローズだ」



拙作ではリアルパートがハードモードですがデスゲーム展開は無いのでご安心ください

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