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ゲーミングヤンキー〜喧嘩最強の男、少女となりて激走する〜  作者: アスク
第一章 ロリポップ・パンクラッチ〜可愛く、そして喧騒〜
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ライバル、その名をシト・ヒナタ




「えと、改めて、ボクはシト・ヒナタ。さっきは、対戦ありがとう」

「おう、俺は鬼葉って名で通ってる」

「名で通っている??」

「いや、すまん、こっちの話」


 ここは別世界だ。リアルでの事情を持ち込み過ぎるのはナンセンスだと直感で思う。


「で?話をしてえらしいがなんのようだ?」


 はよ次の戦いに行きたいんで、早速本題を投げかける。するとヒナタはこう言った。


「ボクに、このゲームのコツを教えてほしい……!」


 あーー。コツ?聞く相手間違えてんじゃないか?


「悪いがそれは俺も知らん」

「えっ」


「先の試合の戦い方=ゲームのコツ」か?と聞かれれば俺は素直に頷けない。多分もうちっと上手いやり方がある。つーか俺も今、成長途中だし。コツなんて俺が知りたい。


「でもボクより強いでしょ」

「……そりゃ、まあ、俺が勝ったしな?」


 ただ俺も初心者だ。教えられることなんざなにもない。そう伝えてやるとシト・ヒナタは首を横に振った。


「いやいやいや、うっそだ!高ランク帯のサブ垢じゃないの?そうじゃなきゃあんな凄い動きできるはず……」

「あーー、それは単に俺()が強かっただけだ」


 自画自賛は大事だぜ?自信があればなんでもできるからな。13連敗?ナンノコトダカサッパリダナー。


「あ、わかった!」


 ぽんと掌を叩いた。


「別の格ゲーで強い人か!」

「いや、ゲームはこれが初めてだ」

「嘘じゃん……」


 影の濃い真顔になった。すまんな、本当だ。


「強いて言うならリアル格闘が強い人だな。喧嘩は自信あるぜ?」

「へ、へえ」


 その手のリアル知識を活かして勝ちにいったってわけ。だから"ゲームが上手い"かと言われると答えは絶対にノー。

 ああ、そのリアル知識を教えてくれって話か?うーーん。


「まあなんだ、俺から教えれるコツ?はない。強くなるにはとにかく戦いまくってなんとかするしかない」


 負けることを恐れずに、勝ちを求めて挑み続ける。なんで負けたかを見つめ直し、己を変えて進化する。これの繰り返し。弱点は人それぞれなんでソイツが身をもって学んで直すしかねーの。だから教えられることはない。

 そう言ってやると、ヒナタは少しだけ納得したようだ。


「……確かにそうだね」

「な?」

「ところでキミやっぱサブ垢でしょ。セリフがもうSランカーのそれだもん」

「いや、これがメイン」

「絶対嘘だよ!」


 何度聞かれても答えは変わらないっての、わからんかね。


「だから、正真正銘の今日はじめたてのEだ。ま、他の初心者ん中じゃレベチかもしれんが?とにかくSじゃねえ」


 寧ろ、目指すはSラン、超えるは久憐、俺は必ず上に立つって感じの挑戦者さ。

 するとヒナタはおずおずと手をあげる。なんか赤面してやがるぞ?てか震えてね?


「実は、その、ボクもこのゲームははじめたてなんだ」

「ほう」

「それで、もしその話が本当なら、本当にキミがEランクなら」

「なら?」


 そしたら歯を食いしばって、絞るように叫んだ。


「めちゃめちゃに悔しい……!」


 この時、思わず俺は、固まっちまったね。こんなにも正直に自分の気持ちをダイレクトにぶつけてくる奴が居るなんて。このタイプの奴は初めてだ。見事な悔しがりっぷりで感心すら覚える。

 そしてこのシト・ヒナタが次になんと言ったか。俺はきっちりはっきりと覚える。


「キミのこと、ライバル認定していいかな……!!」


 この瞬間から、俺はヒナタへの見方を完全に変えた。


「……」

「ダメ、かな?」


 顔を伏せていたらヒナタは様子を伺うように顔を覗き込む。

 だからゆっくりと顔を上げ……多分今めっちゃキモい表情した【ミルキィ・クラッシュ】になってんだろうな、俺。そんな顔を上げ、ヒナタをじっとみた。


「いいぜ、今日から俺とお前はライバルだ!」


 俺は俺より強い奴に会うことを一番に望んできたが、強くなくとも、こんな風に高め合う奴が居たら最高の極みだ。

 好敵手は俺を成長させる。そう、例えば虎紀のように。アイツはここまで正直者じゃないが、アイツとの喧嘩を経て今の俺が居る。

 俺は小さな小さな手を前に出した。そして、ヒナタはそれを握った。


「「よろしく」」


 今、ここに、戦いの波動が通じた。俺はコイツを気に入ったぞ。今まで戦ってきた中で一番イイ目をしてやがる。


「1on1でミッド打ちなら何時でも付き合うぜ、お前強かったからな、数戦やるだけで練習になる気がするぜ」

「ホント!?」


 これは本当。


「まっ、俺の方が断然やべーけどな?」

「なっ!あれだって、荷台に落ちるとかいう運ゲーなければボク勝ってたもん!」

「次やるときは運に頼るまでもなく勝てるぜ?やるか?」

「じゃ、じゃあボク覚醒技使わずにキミに勝つよ?」

「上等結構」


 はてさて、こんなに気の合う戦友と会うとは思わなんだ。

 コイツがクソほど強くなりゃ、俺の一生の好敵手あるいは目標になるかもな。フハハ、楽しみだぜ。

 ああ、そうだ。最後に気になったことが一つ。


「ちょいと質問いいか?」

「え?えと、なにか」


 別に、誰が周りにいるわけでもないが、なんとなく、こう、ひそひそ声で。


「このゲーム、本当にやってる奴全員ロリコンなのか。お前どうなんだ」

「……なんだか恥ずかしいな」

「Oh…マジか」


 俺もロリコンになるのが礼儀なのだろうか。郷に入っては郷に従え?





 そうしてこの日は、ランクマッチをし続けてひとまず終えた。最終的にランクはB-3まで昇格。さすが俺。この調子ならSランクもすぐにいけそうだ。


「ゲームってのは時間が経つのが早えな。もう夕日が出てら」


 ログアウトしたら眩しいオレンジの光が窓から差し込む。そうだな、夜は缶の酒でも飲んでぐっすり寝るとしよう。

 俺はいつものスカジャンを羽織って、家の外に出る。

 

「しっかし本当に平和だな」


 これが少し前なら家からでりゃすぐに喧嘩ふっかけられたり、そうじゃなくともどっかで殴り合いが勃発してただろうに。1年ちょっとで街は変わるもんだな。


「ま、"三大勢力"なんつって言われはじめてからもう喧嘩バチバチにやる雰囲気じゃあなくなっちまったな」


 平和なのはある意味俺自身のせいかもな。例えば虎紀のとこに殴り込みすりゃいやでも喧嘩になるだろう。奴の率いる暴走族グループ"昏鵺会(クレヌエカイ)"は龍頭三大勢力の一角だ。

 けど、なんつーか、こう、それは違うんだよな。意味ねえし。

 もう1つの勢力があるが、あそこ今、組長と幹部供が全員サツにパクられて実質解散状態だし。

 残り1つの勢力は?ああ、そりゃ俺のことだ。1人で勢力として数えられてんのは嬉しさ半分呆れ半分。

 

「ついた」


 近くのコンビニに到着。すぐにお酒コーナーまで歩き、どれにしようか手が迷う。


「うん、持ち金との相談だな。今いくらもってたっけ?俺」


 ケツのポケットに入れてた長財布を出して、ファスナーを開けて中身を確認する。さあ、ガサ入れだ、おじゃましまー……やべえ1円もねえ。


「ちょっと待て嘘だろ?今月そんな金なかったか!?」


 急いで常設してあるATMと、携帯端末やらを開いて口座の預金を確認する。そして。


「やっっっべ、金ねえ」


 まあ、高校中退してロクに就かず喧嘩に明け暮れてたツケだなこりゃ。


「しゃーねえ、力仕事の時間だ」


 ちょいと知り合いに連絡する。そいつは一介のヤンキーでしかない俺に仕事をくれる恩人みてえなもんでな。性格が性格だから本人の前では絶対言わねえけど感謝してる。







 ────と、早速返信が来た。なになに?


「『ゲーム大会(・・・・・)の会場の設営工事』……なるほど」


 重たいモノを運ぶだけならバカでもできる。ちょこーーっと仕事といくぜ。





◆◆◆◆◆◆



「さて、試合の撮影部分を編集して、明日の夜ぐらい投稿かな」


 おおよその目処を立てては、ウィンドウ操作を行う幼女に身を包んだその者はシト・ヒナタ。鬼葉のライバルとして名乗りを上げたプレイヤー。

 シト・ヒナタの真の顔は……配信者である。先程の試合をリプレイで見る。定点カメラで神視点になって観れるのだ。


「やば、すごいな鬼葉」


 鬼葉のまるで初心者と思えない動きのキレに驚きを隠せない。

 そしてあの、空中ラリアットの直前で映像を止める。


「はいここサムネ」


 それからその画像に文字を打つ。{可愛さの暴力}と。

 鬼葉との出会い、それは、登録者1万も満たないチャンネルの最初の確変。



ーーーーーー

【ロリパン】幼女たちが血みどろに戦うゲーム【実況】

紫兎ch・4811回視聴・3日前

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キャラ造形はパンティ&ストッキングwithガーターベルトって検索していただけるとイメージしやすいかもしれない

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