表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/116

動き出すお話

本日から更新再開します

 「ええっ、もう終わっちゃったの!?」

 「おう!!」


 首を狩った後のコカトリスはさっさとマジックバッグに仕舞い込んで、合流した。

 コカトリスは討伐ランクはBだが、これはあくまで討伐「パーティ」での戦いを前提としてるもんであって、俺みたいに単独で戦うのはまた別の話。だから、ラティスも俺が戦って、倒した後だとは思わなかったんだろーなあ。

 

 【回避可能な危険はなるべく回避すべき】


 というのはギルドで最初に教えられる事だ。

 例えば、危ないが上手くいけば大きなショートカットになる道と、安全だが大回りになる道。ギルドでは大回りになろうが安全な道を基本的には選ぶように、という事を徹底して教えてる。一回二回ならともかく、毎度やってりゃどっかでくたばる!って事だよな。

 それから考えりゃ、仲間がすぐ近くにいるのに、単独でやり合った俺は問題児って事になるな!


 『実際その通りでは?』


 ツァルトからツッコミが入ったがさりげなく視線を逸らした。


 「さあ、依頼人に品を届けに行こうか!」

 「ウサギさん、悪い子してる」

 『誤魔化そうとしてますね』


 ……聞こえない!

 ……少々ならず居心地悪い気分ではあったが、コカトリスを引き渡した。

 依頼人は涙を流して喜んでたな。

 その姿を見て、ラティスも機嫌を直して、素直に喜んでた。そして、ラティスが機嫌を直せば、ツァルトは自然と黙る。

 その後はラティスと別れて、俺は一人、街の一角を訪れてた。

 なに?一緒にいなくて大丈夫なのかって?

 というか、何時も四六時中一緒にいる訳ねえだろ。ラティスだって下着を買う時に俺についてこられたって困るだけだろうし。

 

 「ここか」


 ウサギは小回り効くのはいいんだが、蹴られそうになるのは参るよな。

 ちょろちょろ足元動かれたら、そうなっちまうのは仕方ないんだろうけどな。

 さて。

 ……。

 ………。

 …………。


 (と、届かねえ……)


 人サイズの扉。

 俺はウサギ。

 当り前だけど、ドアノブまで届かん。

 ノックもしてみたんだが、どうも気づいてないっぽい。……人視点からだと大分下の方からしてるだろうしなあ。誰か来たと思われてない可能性も……。仕方ない。


 「よっと!」


 空へ足場を作って階段の容量で跳ね上がって、軽く連続して蹴りを入れる。

 

 ドンっ、ドンっ

 「はーい♪」


 よし、上手くいった。

 いやあ、加減きちんとしないとドア蹴り破るか、ぶっ飛ばしちまうからなあ。

 しばらく待ってるとカチャカチャとおそらく鍵か閂を外す音がして扉が開いた。


 「よっ!」

 「……ああ、あなたが約束してた……どうぞ入って頂戴」


 一瞬間があいたのは足元にいる俺に気づくのが遅れたんだな。

 まあ、そんな事は口にせず、中へと入った。

 ……ちなみに言っておくと、化粧もしてるし、恰好は女性だが相手は女性ではなく、男性だと言っておこう。

さて、相手は一体何者なのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あれ、懸念してた暗殺者の類いは出なかったんですね。 ひょっとしたらラティスに見せないように行間で排除したのかな? さて、ビットの目的はなんじゃらほい?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ