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動き出すお話

帰省の為、毎日更新止まるかもしれません

実家、未だにネット環境ないんだもの……

 『起きてください』

 「んん?」


 外は……まだ暗いな。


 『奴が動き出しました』

 「……え?」


 嘘だろ、おい!?


 「まだ暗いぞ!?」

 『しかし、動き出しています』


 くそ!鶏の姿してるなら素直に鳥目でいろよ!

 ちなみに鳥目というが、実の所はほとんどの鳥は夜でも物が見える。見えない鳥の方が例外だが、他ならぬにわとりが正にその「夜に目が見えない」鳥なので、鳥は夜になると目が見えなくなると勘違いされるようになった、という話がある。

 だが、残念ながら!コカトリスの奴は鶏の体を持ってる癖に、暗くてもちゃんと物が見えるらしい。

 

 『ラティス様はどうしましょう?』

 「むう」

 

 ラティスは気持ちよさそうに寝てる……。

 そして、最大の問題は。


 「ラティス、見えないよな?」

 『ええ』


 これだ。

 俺はウサギだ。そして、ウサギは夜目が効く。

 というか、元々ウサギは夜行性の動物だし、ウサギの中には巨大な地下迷路のような巣穴を作るものだっている。地下を動き回るのに暗い所では全然目が見えませんでは話にならんだろう。

 ツァルトも一通り夜間でも監視可能な能力を持っている。

 しかし、ラティスは、人は夜に物が見える目を持っていない。

 星明りしかない森の中に立った事はあるか?人の目だと全然何も見えんぞ!

 さすがに、人工物の中で暮らす現代人と違って、こちらの世界の住人の目はもう少し夜に対応してはいるが……それでも元々夜行性の動物が元な俺とか、最初から夜の闇に対応した目を与えられてるツァルトと一緒にするのは無理がある。

 そして……見えない状態で魔法なんか撃ったらどうなるか?

 フレンドリーファイアなんて勘弁して欲しいぞ。


 『暗視の魔道具はないのですか?』

 「あるにはあるんだけど」


 マジックバッグから取り出してみせたんだが。


 『……さすがに無理がありますね』

 「だろ?」


 だって、ウサギ用なんだもの。

 え?人間用のサイズはなかったのかだって?

 魔物ってサイズが凄い広いんだよ。俺だってウサギサイズだし、巨人みたいな種族だっている。一方、古代文明の場合はほぼ今の人族と同程度だったと分かっている。まあ、それが一部の人族選民思想に繋がってる訳だが、基本的にこうした小型のものってペット用なんだよね、多分。

 ラティスのような人サイズのものも結構見つかってはいるんだけど、高いからなあ……。

 需要と供給の問題だ。

 人が使える暗視の魔道具なんて見つけたら探索の冒険者はまず売らない。

 自分達にいきわたるか、どうしても金が必要とか、引退するとか、そうした時に売りに出される訳だけど、大抵オークションで瞬殺されるか、知り合いに譲られるかだ。

 つまり、普通の店では売ってない。

 アド爺さんのコレクションの中にはあったと思うが、あの頃はまさかこんな事になるなんて思わなかったからなあ……。


 「とはいえ、置いてくのは論外だ。しょうがない、起こしての説明頼む。既に動き出してるんだろうから俺は先行する」

 『了解しました』


 さすがに一人放置は論外だしな。

 はっきり言ってしまえば、説明をツァルトに押し付けて、俺はテントを飛び出した。

次回、久々に主人公だけでの戦闘

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