裏のお話
昨日はアップが日が変わるギリギリになったので今日は余裕を、と思ってたんだけど……
今日は酷い頭痛で昼過ぎまで寝込む羽目に……というか、まだ痛む……熱はないのになあ
話を聞いた事で、ラティスは非常に今回の仕事に、やる気になった。
ちなみに今回の病人は依頼人の息子さん。まだ十歳だそうだ。
後妻の子供だが、先妻(死別)との間には娘しかいなかったそうなので、実質跡取り息子だな。最も、娘さんも既に結婚してるそうだから、そうなると……。
「妨害が入る可能性も考えといた方がいいんだろーなあ」
「えっ!?邪魔する人がいるの!?」
まあ、普通ならそういう考えになるよな。
「依頼人の息子さんが亡くなったら、当然、娘さんと結婚した奴が跡取り候補になる訳よ」
もちろん、場合によっては長年働いてた重役クラスが選ばれる事だってあるだろ。
あるいは、そうした重役クラスが娘さんと結婚した奴の後ろ盾になってる可能性もある。結婚したのがその重役の息子とかなら確実だな。
「そうした連中にしてみりゃ、息子さんにはここで病死してもらった方がいい訳だ」
全部を得るか、それとも極一部だけで我慢するか。
直接どうこうするのはリスクがデカいだろうが……。
「俺達を森の中で消すなら、跡取り息子を途中で消すよりリスクが低くなる」
やな話だよ、本当に。
もっとも、そうは言っても冒険者に話を持ち掛けるのは難しいだろう。
冒険者が、同じ冒険者を傷つける、って依頼はリスクがバカ高い。
何せ、当り前だけど、冒険者ギルドを通す事は出来ない。つまり、冒険者当人に直接話を持ちかけるしかない訳だ。
けど、なあ……冒険者にとって直接依頼ってのはリスク高いから引き受ける奴少ないんだよな。例え、依頼人が報酬出し渋っても、ギルドは直接依頼には関与しない。「てめーが自分の責任で引き受けたんだから、俺らは知らん。自分のケツは自分で拭け!」って事だな。後で金払ってお願いしても、ギルドは一切関与してくれない。
更に、冒険者が直接依頼が原因で起きたトラブルにも冒険者ギルドは一切関与しない。
要は口封じに暗殺者送られても、守ってくれない訳よ。そして、当り前だけど、後ろ暗い所がある依頼だから、依頼人も直接依頼なんて手に出る訳で……おまけに同じ冒険者に対して危害を加えるような依頼を引き受けたとバレた瞬間に、問答無用で冒険者ギルドからは除名される。こいつは例え、Sランカーでも変わらない。実際、過去には前例もあるしな!
なので、金次第で何でも引き受ける、って冒険者は上へいけばまずいない。
「だから、冒険者が同じ冒険者を傷つけるような依頼を引き受けるって事は相当な事情と覚悟があるって事なんだよな」
どうしても大金が必要だとか、依頼人にどでかい借りがあるとか……。
そして、引き受けた以上は絶対にやり遂げないと自分達が破滅する事になる。
『小悪党クラスの冒険者が引き受ける可能性は?』
「今回に関してはないだろうな。小悪党クラスって事は基本低ランカーだ。そんな連中じゃ魔精の森に入るのも危険だし、Aランク以上の冒険者を狙うのはリスクがでかすぎる」
『なるほど』
ツァルトの質問にはそう答えた。
『となると、暗殺者ですか』
「そうなんだが、その場合はフォートへの帰り道で狙ってくる可能性が高いだろうな」
森は魔獣の巣窟だ。
そして、暗殺者ってのはそうした魔獣相手の仕事はまず経験がない。下手に冒険者追いかけて、こんな魔精の森みたいな場所に踏み込んでも、返り討ちに遭う可能性が高い。冒険者以外がこんな場所に踏み込む際には相当な覚悟が必要になってくる。
つまり……。
「討伐依頼を果たすまでは警戒は必要だけど、そこまで気にしなくていいと思う。ただし、森から出てから冒険者ギルドに入るまでは気を付けた方がいいだろうな」
依頼人自身が襲われる可能性もあるだろうけど……そっちまでは責任持てん!
まあ、護衛の冒険者雇ってはいたみたいだけどさ。……そう考えると、護衛も大変だよなあ、暗殺者から依頼人守るとかってのも依頼にあるって事だし。
魔獣相手の多い討伐、人や魔物相手の戦いが多い護衛、遺物相手の戦いが多い探索。
どれも大変だよな。とりあえずは……。
「まあ、俺達は俺達の仕事を頑張ろうや」
「はい!」
『了解です』
さて、コカトリスの生息予想地目指すぞと。
年始年末ですが、そちらは更新予定です
ただ、年始後、一時実家に帰省予定なのでそこで更新止まるかもしれません