表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/116

見逃してもらえた話

急に寒くなった感じがします

そろそろコタツの時期かな

 「魔力視に反応するものなんだが、見なかったかね?」

 「魔力視だけなら結構あるじゃん……」


 いや、マジで。

 この子のアクセサリーとかもそうだし、この子を守ろうとした連中だってそうした武具を持ってる。暗殺者と思われる連中だって幾つかそうしたものを持っている。

 

 「?ふむ……その様子だとまだ先を見分ける目は持たぬか……」

 「へ?」


 え、魔力視にまだ先とかあんの?


 「まあ、良い。それならば故意に拾った可能性もないか……」

 「えっと、その特別な魔力視だとなんかあるのか?」

 

 考え込んでる様子で答えてくれなかった。

 デスヨネー。

 まあ、帰ってから……帰れたらだけど誰かに聞こう。


 「まあ、良い。此度は引くとしよう」

 「いいのか?」


 そう声を掛けたけど、無言のまま立ち去った。

 暗殺者達の死体も回収していかなかったな……証拠なんかあるはずがないと思ってるのか、それともどうでもいいのか。

 ……何となく後者な気がする。

 ああ、だけどなんだろう?厄介事に首突っ込んだ気がするなあ……。




 ――――――――――




 さて、フォートの街に戻ったらやっぱり騒ぎになった。

 当然だよなあ……生存者一名、死者七名。

 そんなもん連れ帰ったら、騒ぎにならん方がどうかしてる。

 幸いだったのは娘さんが街に到着する前に目が覚めたお陰で、懸命に説明してくれた事かね?

 うん、やっぱし衛兵も人の子(片方魔物だけど)だから、まだ子供というべき女の子が懸命に説明してるとなるとやっぱり好意的になるんだよな。……俺だって前世なら「かわいー!」とか言われて女の子に騒がれただろうになあ。

 視点の関係からスカートの中なんかも見えるんだが、この体になってから全然興奮しねえ。

 それどころか【普通の】ウサギを見て、「お、あの子可愛い」なんて思った時には後から気づいて絶望した。……どうやら女性に対する感覚とかもウサギになってるようだ。

 

 「うーん、そういう事なら一旦遺体に関してはこちらで預かろう」

 「あ、お願いします」


 さすがに死体担いで街ん中歩きまわる訳にはいかないからなあ……。

 どうしよう、と思ってたんだが、冒険者とかが仲間の遺体を担いで帰ってくるなんて事もあるから、ここの衛兵の詰め所にはそういう亡くなった人を一時安置する為の場所があるそうな。考えてみりゃ、あって当然の施設だよな。

 ありがたく、そこを利用させてもらう事にした。もっとも……。


 「悪いが、身元確認の為に遺体を調べる事になるがそれは理解して欲しい」

 「分かってる」


 さすがにこれは女の子には聞かせられんと魔物の衛兵とコソコソ小声で会話してた。

 いやな、やっぱりお世話になった人の服とかゴソゴソ調べられる、ってのは理解は出来ても余り気持ちいい話じゃないだろうし。

 引き渡す際にはきちんと綺麗に清められた状態での引き渡しになるそうだから、そんなもん気づかないだろうしなあ。

 とりあえず……。


 「依頼中断申請しとかないと……」

 「まあ、仕方ねえさ」


 事情があれば依頼中断は受け付けてくれんだよね。

 ……なんか昔、多数の魔獣に対する街の防衛に冒険者が駆り出されて、結果依頼期日過ぎた事で違約金要請された事で冒険者達が切れたのが発端らしい。けど、事件通称が「締め切り三秒前事件」ってなんだろう?真面目な顔で言われたせいで噴きそうになったわ。

 とはいえ、事情があった場合の依頼中断の申請手続きに関する話だから大事な話だったしなー。

 まあ、後は……女の子の事どうすっかなあ。

 

リュックは特別じゃないの?

と思うかもしれませんが、容量こそでかくても用いられている術式とかそういうの自体は他と変わらないので気づかれませんでした

普通ならあのサイズで馬車が入るはずがないと人の世界の常識で考えてしまったのもあります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ