戦闘後
今日から11月ですね
勤務先が変わって、出勤にこれまでより時間がかかる事になったので毎日更新が何時まで続けられるか分からなくなりましたが、なるだけ続けたいと思います
さて、あと一名だが。
出来ればこいつは捕えたい。だって、そうしないと何でこんな事したのか分からねえしなあ。ちゃんとそこは考えてるんだぜ。
「ぐっ……!」
「降参しろ。もうお前ひとりだけだぞ」
無言のまま反応しないけど、さすがにこの状況で反撃なんて無理な事ぐらい……え!?
……うそやん。
いや、こういうの物語の中とかでは見た事あったけどさ。
本当に自分で喉切り裂くとか初めて見たわ。というか、見たら普通トラウマもんだよな。……俺は平気みたいだけど。精神構造も変化してんだろうなあ……。
とはいえ、俺も茫然としてたんは変わらんのだよな。
こいつ喉切り裂いた後、しっかり心臓にまでナイフ刺して、自分に完全にトドメ刺しやがった。そこまでやるか。
……いや、こんなのを用意出来るようなのがバックにいるって事なんだろうなあ。
などと思いつつ、森から出て、さっきの女の子に声をかける。
「大丈夫か?足の傷見せてみな」
「あ……はい」
焦って忘れてたけど、幸い毒とかは塗られてなかったみたいだな。
さて、順番にやってかねえと。
まず、リュックの中から時間かけて事前に作っておいたゴーレムを出す。戦闘用じゃなく、あくまで細かい作業させる為の特別製な。
その上で、魔法で傷口周辺を麻痺させる。
昔はこの麻痺させる魔法がなかったせいで、痛みで気絶する奴とか多かったらしい。苦情が多かった事から苦労して開発されたんだって聞いたな。
……まあ、そうしておいてからナイフをゴーレムに抜かせる。
その後、風魔法で傷を治す。
魔法の仕組みなんて知らんけど、使えりゃいいんだ。
「おし!これで大丈夫だろ、どうだ?」
「うん、痛くなくなった」
よしよし。
とはいえ、足元がな……森の中歩くような靴じゃねえよ。
こんなんじゃ歩いてる内に足痛めちまう。
「まあ、まだ治ったばっかだし、無理しちゃ駄目だからな。ゴーレムに抱き抱えて運んでもらうけどいいか?」
「あ、はい。よろしくお願いします」
素直だなー。
さて、と……。
「あー……その、さ。あっちで死んでる人達見つけたんだけどな……その」
それ以上続ける必要はなかったな。
すごく悲しそうな顔になったし。
「……みんな?四人とも?」
「……うん、一人だけまだ息が合ったけど、君の事を必死に頼む、って言って……」
泣き出しちゃった。
とはいえ、こればっかしは仕方ないよな……。
泣き止むまでと思って、遺体の回収をやってきた。
あ、黒づくめもな。何かしら分かるかもしれねえし……。壊れた馬車も可能な限りは運ぶ事にした。まあ、馬車の方はリュックに入れたけどさ。……試してみたら、あっさり入ったんだよな。これあと、どんぐらい入るんだろ?一度試してみないといけないよな。
ちょっとは落ち着くかな、って思って俺もゴーレムの腕に乗って頭を撫でてやろうとしたら抱きかかえられた……。
結構強く抱かれてるのかもしれんけど……まあ、女の子の腕力じゃ痛い訳でもなし。おとなしくペットか人形の如く抱きかかえられてじっとしてた。
……何気にゆっくりと移動を開始してはいるんだけどな。
アド爺さん謹製のゴーレムはまったく揺らす事なく移動してくれてるわ。
なお、戦闘用ゴーレムは俺の土魔術の腕ではそもそも起動すら出来ないので入ってない。……あれって作るのも動かすのもちょっとかじった程度じゃ到底無理なんだよなあ……。
この時点では以前に書いたリュックの大容量、まだ知りません
後に調べて、「なんじゃこりゃー!」となり、考えてみて「もしかして、アド爺さん、家とか部屋を自分サイズで考えたのか!?」となります