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試験中(前編

 「あれで良かったのか?」

 「ああ。あいつに対する勝ち方も判断要素の一つだからな」


 試験官自身はそこまで突出して強かった訳じゃなかったんだと。だから、ある意味力量を見るのにちょうどいい、と。

 ……なんか哀れな気がする。


 「言っておくが当人も納得してるんだからな?」


 あれで意外と給与もいい上、一度は手合わせをするせいで結構顔も広い。

 人当りも良いので実はギルド内では結構上の役職に就いてもいるんだとか。


 「強けりゃギルドで役立つ訳じゃないからなあ……」

 「あー……そりゃまあ、なあ」


 強い事を自慢して乱暴な奴がギルドで役立つかと言われたら、そりゃ違うだろう。そんな奴は精々、前線隊長って所だ。


 「奴は護衛を長らくやってたパーティ出身でな。護衛出身の奴は結構ギルドと相性いいんだ」

 「ああ、なるほど」


 護衛の場合、当然護衛を依頼するような立場の相手とそれなりに仲良くやらないといけない。

 商人や貴族といった連中がそういった依頼人になるだろうが、そんな相手に傲慢な態度を取っていたら、あっという間に誰からも依頼されなくなっちまうのは簡単に想像出来る。護衛と雑務は一番、交渉や人当りといった面での対人スキルが要求される仕事だろうなあ……。


 「んで、お前の場合だが、討伐と狩猟及び採取辺りでどうだ?」

 「それでいい」


 護衛と雑務はあんだけ怖がられてた事を考えるとやめといた方がいいだろ。

 そりゃあここで暮らしてればその内、住人も慣れる。

 俺が乱暴者みたいな行動しなけりゃ、自然と普通の付き合いが出来るようになるのは間違いないが、きっと街の外から来る奴、この街の外に行く時はまた引かれる事になるのは間違いない。護衛専門はやめといた方がいいだろう。

 んでもって、雑務は住人が慣れるまで仕事にならんだろうな。

 ぜってー怖がられて、最初の頃はまともな仕事が受けられんだろ。それに雑務は昇級に時間かかるだろうし。

 となると残るは討伐、狩猟/採取、そして探索。

 けど、俺は遺跡なんて入った事もないし、アド爺さんとこでは罠を見抜くとかそんな事やった事がない。

 ただまあ、植物の採取とかは結構やったんだよな。アド爺さん、地底なのに普通に植物生やしたりするし、土魔法すげえ、って思ったけど。え?何でんな事やったかって?そりゃあ、薬草採取みたいなのって駆け出し冒険者の仕事じゃ定番じゃん。

 まあ、狩猟はそこまで質のいいもん期待されたら困るけど。

 ……こんな話をしながら、狩猟/採取の試験を受けてる。

 採取限定、狩猟限定ってのもありなのはありがたいよな。


 「おし、後は実地試験だが、座学では問題ねえだろ。採取物の見分けや知識、採取の仕方、注意すべき事なんかも問題ねえ。にしても……」


 ちら、と俺の背後に視線を向ける。


 「……ゴーレムをそんな事に使うとは思わんかったけどな」

 「元々は俺、この体じゃ調理とかするの難しいからだったんだけどなー」


 そう、この体じゃご飯作ろうにも鍋をかき混ぜる事も出来ねえ。

 肉を焼くのだって一苦労だ。

 怪我人を運ぼうって時もこの体じゃ難しいし、リュックには生きたものは入れられねえ。

 なんで、そうした作業させる為に土魔法でもゴーレム関係だけ学んだんだよな。戦闘に使えるような上級のゴーレムは作れねえけど、雑用させるだけなら結構なもんだぜ!

 んでその一環として、薬草生やした土台ごとゴーレム作成する事で運ぶ手を思いついた。これなら、生えたまま運べるから採取して持って帰るより大分長持ちする。


 「ま、いい。ちゃんと法に違反しない範囲で仕事が出来るなら手段は問うつもりはねえさ」


 という訳で、採取限定、実地試験前の仮免許ながらCランク頂きました。

 ちなみに片方限定の場合は最初はCまでだってさ。両方ならBスタートもありだとか。


 「さて、それじゃ後は討伐か。こいつは純粋に力を見る為のもんだが」

 「おう!」

 

 って事は模擬戦かな?

 どんな奴が相手なのか楽しみだ。 

採取は試験地味なのであっさりと省略

何せ、サンプル見て見分けるとか、実際に栽培されてる植物の採取手際の確認とか地味な事ばっかりなので

なお、ギルドマスターが一緒に回っている事につっこんではいけない

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― 新着の感想 ―
[良い点]  ここまで読んで、ふと小さなウサギなら、舗装されていない道の土埃で汚れて大変そうだなと想像しました。すると町の門からギルドマスターとの会話までの場面が、私の脳内で西部劇の映像にすり替わって…
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