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ペンダント

レジャー施設に向かう車が高速道路を走っている。ひとみの母親が運転する車だ。

車の中にはひとみの母親、ひとみ、かな、さな、なな、翔の6人が乗っていた。


「着かないかな・・・?まだ着かないのかな・・・?」


ななが待ちきれないように口ずさんでいると、


「高速に乗ったばっかりでしょ!まだ半分も来てないわよっ!」


とさながツッコミを入れた。それを聞いていたひとみの母親が答えた。


「途中でトイレ休憩とかもあるしねぇ。まだ時間掛かるわよ。」


「えっ、そうなの・・・、飽きて来ちゃった・・・」


ななが残念そうな顔になると隣に座るひとみが笑っていた。


ひとみの母親が運転する助手席には翔、その後ろの席にはななとひとみ、

その後ろの席にはかなとさなが座っている。


「ベス、大丈夫かな・・・、寂しくないかなぁ・・・?」


ななが心配そうにひとみに話しかけると、ひとみは笑顔のまま、ななに振り向く。


「だっ大丈夫だよっ!うちのパパがいるし、これでも動物好きなんだよ!」


数日留守にしてしまうなな達は、ペットのベスをひとみの家に預けてきたのだ。

もうなな達の研究室には実験動物はいなかった。生き残った生き物達は施設に

引き渡していたが、ベスだけは飼いたいと残したのだ。


ひとみの父親は家で仕事をしている。端末とネットワークさえあれば何処でも

仕事が出来る時代。在宅ワークは当たり前なのだ。ただ忙しく一緒には行けなかった。


「ななの付けている首飾りのペンダント久しぶりねぇ!」


ひとみがななの首に付けているペンダントを見て話し掛ける。


「うん、そう、お出掛けの時やおまじないの時に付けてるの。」


なながそう答えると、聞いていた後ろの席のかなが会話に混じった。


「お父さんから貰った物だよねぇ?誕生日の!私達も欲しかったんだよ。」


「その中に情報、映像や写真を入れて表示させたり出来るの!」


身を前に乗り出し、さなも話に混じる。


「それって、お揃いの奴でしょ!はなとの・・・」


「あっ!ごめん!」


一瞬、寂しそうにするななではあったが、もう割り切っていたのかすぐに明るくなった。


「うっ、うーん、大丈夫だよ、だってこれ、はなのだから・・・」


「えっ!」


と驚く3人。ひとみの母親と翔は前の席でその会話には混じらず、

二人で何か会話をしていた。


「だって、お出掛けする時は一緒にいたいし、私のは家に置いてあるの・・・」


「そっ、そうなんだっ。(3人ほぼ同時?)」


隣に座っていたひとみが後ろの席のさな達を見て、またななを見つめ直した。


「もう寂しくはないんだね。」


「うん、どうかな・・・、そうだね。」


ななはペンダントを握りしめながら、真剣に話を続けた。


「だって私のは大切な人に大切な時に渡したい!」


「私がいない時に私だって思って欲しいもの!」


それを聞いたひとみ、かな、さなの3人は助手席に座る翔を目を細めて睨め付けるのだった。

前を向いていた翔には何の事か分からなかったが・・・


高速道路の休憩所に辿り着いたひとみの母親が運転する車。

トイレ、昼ご飯を済ませ、再びレジャー施設へと出発する。


かなが満足っと言った顔でお腹を擦っている。好物の甘い物だけを沢山食べていた。


「生プリンもチョコケーキも美味しかったなぁ。」


「また食べたいけど、転送サービス受け付けてないし・・・」


かなの満足そうな顔を車内モニターで見るひとみの母親。


「帰りにまた寄って食べましょうね。」


そう答えるひとみの母親にかなは益々笑顔になるのだった。


「青空は綺麗だし、空気は新鮮だし、何より広さの規模が違うわよね!」


さなも明るい笑顔で話し掛ける。今は学園には通っておらず、

いつも地下研究室に閉じこもっているかなとさな。ほとんど引きこもり状態なのだ。


ひとみの両親はかな、さな、なな、翔の事はよく知っている。

かな達の母親の実験の手伝いをしているって事も分かっている。


ひとみの両親、かな達の両親、翔の両親はかつての仕事仲間だった。


「あなた達、地上での生活は慣れたのかしら?」


ひとみの母親が皆に話しかける。皆は満足そうな顔をしている。


「やっぱり、地に足が付いているのはいいよねぇ!」


さながそう答えると、他の皆も同意見そうだった。

かなが話を付け足す。


「宇宙都市でも重力はあるけど、何だか落ち着かない感じもしたし・・・」


「まだまだ開発、発展が必要なのかと思うかな。」


ひとみの母親が真摯に受け止めると、ちょっと苦笑いするのだった。


「あなた達の大人の時代になったらもっともっと発展するわよ!」


「その為にあなた達は頑張っているのでしょうから!」


子供達5人はうんと頷くのだった。



今、地上で生活しているひとみの両親、ひとみ、かな、さな、なな、翔達は

以前宇宙都市で生活をしていた。ある事故がきっかけ?で地上に降りたのだった。


一人を除いて・・・



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