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バカンス

地下研究所兼住宅の食卓をかな、さな、なな、翔の4人が囲っている。

4人の内3人は豪華なおかずがあり、一人だけ何か足らないようだ。


「あれっ?さなちゃん、どうしたの?」


それに気が付いたなな。ちょっと苦笑いをするさな。隣でクスクス笑っているかながいた。


「あっああ・・・、ダイエット中かな・・・」


そう答えたさなは豪華なおかずを見ながら、ふりかけご飯を口にした。


お昼遅めの食事を終えた後、4人はリビングルームにて会話の続きをしている。

かなとななはお菓子を食べながら、さなは端末を覗きながらお茶を飲んでいた。

側にいる翔はベスに餌を上げていた。


「クスクスクス、さなちゃん、またかなちゃん怒らせたんだっ!!」


ななは笑いながらさなを見つめ、かなとおしゃべりをしていた。


「何で怒らせたの?さなちゃん?」


「えっ!」


突然、話を振られたさなはななの方に振り向き、ビックリした顔になった。

かなも少し恥ずかしそうな顔をしていた。そしてさなが口を開いた。


「うーん・・・」


(翔くんもいるし、なながかなの事を露出狂!って言ったのなんて言えないよっ!!)


「ちょっと、実験の事で・・・(誤魔化しながら)」


かなもうんうんと大きく頷くのだった。

翔は何の話かなと余り興味がなかったようだ。


「そうそうそう、実験と言えば・・・」


さなは話題を変えるかのように、話し始めた。


「日程は決めたので、まだ日にちはあるから気分転換に皆で何処か出掛けよう?」


「お母さんとは相談してあるし、学園も明日から長期休暇だから何処かある?」


さなの話を聞いて笑みになるななと翔。

ベスの餌を上げ終えた翔もなな達が座っているソファーに腰を下ろした。

と同時に立ち上がるなな。


「そう言えば、行きたいところあったんだよねーっ!」


嬉しそうに話を続けるなな。皆、真面目に話を聞いている。


「最近出来たみたいなんだけど、ちょっと遠かったから・・・」


「屋内プールで遊園地があって乗り物全て水着で大丈夫なの!」


「それで、それで私、ほら泳いだ事ないから水着持ってないし、欲しかったの・・・」


さなとかなは納得した感じで話を聞いていたが、次の言葉で目を丸くした。


「だって水着があれば翔と一緒にお風呂入れるし・・・」


「かなちゃんだけズルいよ!私だって・・・、タオルだけだと恥ずかしいし・・・」


翔とかなはお互い顔を合わせ、ちょっと照れた顔をしていたが、

さなはやれやれっとした顔になっていくのだった。


(ななもふりかけご飯だけ食えっって!)


さなは心に思ったが口にするのは止めておいた。


行先はそのレジャー施設に決まったが、4人だけで遠出はいいものかと考えていた。

ななは安心するかのように答えるのだった。


「実はひとみと相談してたんだよね!いつか行ってみたいなぁって!」


「ほら、ひとみのご両親ってうちの保護者もしてくれているでしょ!」


「だからひとみのお母さんが付き添いしてくれるって!」


「ひとみもいいよね?ちょっとひとみに連絡してみるよ!」


ななは誰の返事も聞かずに自分の部屋へ足早に消えていった。

残った皆は唖然として聞いていたが、特に問題もなかった・・・


さなは端末でレジャー施設を調べている。かなと翔はプールの話題でもちきりだ。


暫くしているとななが足早に戻ってきて、ソファーに腰を下ろした。

ななは少し興奮気味で、テーブルのお茶を一口飲んだ。


「でね、でね、日程を教えてくれたらこっちに合わせてくれるって!」


「勿論っ!ひとみもOKだよ!」


さなは分かった分かったという感じで、ななを落ち着かせていた。

さなは端末の画面を見ながら、レジャー施設の情報を色々と説明した。


「ふむふむ。宿泊施設もあるから・・・、二泊三日ぐらいかな?」


「あとはこっちでひとみのお母さんと調整しておくよ!」


さなのその言葉にななの顔が更に明るくなる。翔もかなも笑顔で話を聞いていた。


「えっ、お泊り出来るの!やったーっ!」


ななはまた興奮気味になってきたようだ。

そこで止めを刺すようにさなは答えるのだった。


「なんと混浴露天風呂もあるみたい!」


「・・・」


ななは沈黙してしまった。さなはななの顔を見て笑いを吹き出してしまった。

何事かと翔もかなもその様子を見ていた。


「冗談、冗談っ!水着着用だってさ!」


ななはまだ沈黙していたが、心の中ではガッツポーズをするのだった。


レジャー施設の話は終わり、今度は水着の話題に変わっていった。

水着を持っているのはかなとさなの二人だけだったが、かなり前に着た代物だった。

学園ではプール教育はない。個別にレジャーとして楽しむものとなっていた。


「じゃ、新しい水着買いましょう!さなっ、お願い!」


かながそう言うと、さなの端末画面を大画面モニターに切り替えた。

ショッピングサイトの画面が表示される。かながあちこち指示すると・・・


「先に翔くんの水着を選んでから、私達のだね。」


「翔くんは選んだら、部屋にでも行っててね。当日のお楽しみって事で。」


翔は分かったと言った顔をして、かなの指示を聞きながら、年頃の水着を選んだ。

決算が終了すれば物体転送装置にてすぐに送られてる。

普及はされているので一般家庭であれば小型装置が設置出来るが、

送信用と受信用の装置があるので設置場所が困るぐらいかと思われる。


翔の水着が転送装置にて送られてきたが、もしここでサイズが合わなかったり、

気に入らなければ送り返す事も出来て再度選び直せる。翔については問題なかったようだ。


ただこの後が大変だったようだ。翔はとっとと追い出されてしまった。

女の子の水着選びは相当時間が掛かるものだと翔は思ったのだった。


夕食がかなり遅れたのは言うまでもなかった・・・


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