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目覚め

翔が未来から戻って、数日後の夜、地下研究所兼住宅のリビングルームにて

3人が何か会話をしている。

かなはお菓子を食べながら、さなは端末を覗きながらお茶を飲んでいた。

側にいるななはベスに餌を上げていた。


かなが皆に悩んだ顔で話し掛ける。


「あれからずっと目を覚まさないね、翔くん・・・」


「どうしちゃったのかなぁ・・・」


それを聞いたさながかなの方を見て答えた。


「私は詳しく事情が分からないんだけど・・・」


かなは少し戸惑いながらもさなに受け答える。


「実は私もよく分かってないの・・・」


「翔くんが目覚めて話を聞いて見ないと・・・」


さなは何の実験を行っているのか詳しくは尋ねようとしなかったが、

恐らく何か失敗したんだろうかと思っていた。


事情もありそうだし、疑問もあったが、さなもそれどころではなかった。


「本当は今日までだったけど、明日までには宇宙都市に戻るようにって・・・」


「忙しくなるからほとんど協力は出来ないけど・・・」


さなが話し返すとそれに対してかながさなに質問する。


「今、何の手伝いをしているの?」


それを聞いたさなが少し戸惑う。母親から秘密にされていたからだ。


「えっ!ええ、うん、ちょっと、ワク・・・」


「いや、その・・・冷凍睡眠装置の改良の事で・・・」


さなは咄嗟に嘘を付いた。その様子を見ながらかなも疑問に思ったが・・・


「そう、そうなの・・・」


と受け答えをし、詳しくは聞かなかった。かなも事実を隠していたからだ。



もしここでお互いが正直に秘密を話し合っていれば、この物語も変わったであろう・・・


かなは未来に行ったななから話を聞き、さながもう母親の手下になっていると思った。

だがこの時、さなが母親に騙されているとは知らなかったのだ。


(母親の手下だと告げ口される恐れがあった為)


ここで生まれて初めて秘密を隠し持った双子の少女がいた・・・



さなは話の流れを変えようと、


「明日の午前中までなら、翔くんの身体をもう一度、調べて見る?」


とかなに話し掛けた。


「そっ、そうね、そうしてくれる・・・、じゃあ、一緒に・・・」


「何とか目覚めてくれればいいけど・・・」


とかなはさなにそう答えるのだった。


ベスの餌を上げ終えたななもかな達が座っているソファーに腰を下ろした。

同様に悲しげな表情をしている。そしてかなに話し掛けた。


「明日から学園が始まるけど、どうしょうか・・・かなちゃん?」


「翔、あの身体だともう学園には通えないし・・・」


かなもその事で悩んではいた。


「取り敢えず、ななちゃんはいつも通り学園に通ってね。」


「そして翔は病気で暫く通えないって先生に伝えてくれる?」


「あとは、私の方でひとみのお母さんに相談して、学園に話してもらうから・・・」


とかなの話を聞いたななは頷くのであったが・・・、


(寂しい学園生活になるなぁ)


と心に思うのであった。



翌日の午前中、地下研究所兼住宅の医療室にて、

かなとさなの二人がベットで眠っている翔を見ている。


ななは学園に通い始めてここにはいない。


「さて、どうしょうか、お姉ちゃん?」


さながかなに話し掛ける。


メディカルチェックで翔は健康状態なのは分かっている。

頭を打ち付けた傷も問題なさそうだった。


「そうね、もう一度、メディカルチェックして・・・」


「あとはまたサンプリングしてデータ解析でもして見る?」


「何か刺激を与えてみるとかも・・・」


その話を聞いたさなは何か「ピン!」と来たようだ。


「ちょっと、使ってみたい初めての装置があったんだよねぇ!」


とさなはかなに話し掛ける。


「何かあるの?」


とかなはさなに問い掛けた。


「ほら、身体が大きくなった翔くんから色々とサンプリングしたけど・・・」


「今の翔くんだと精通しているよね・・・」


「だったら・・・、そっちも必要かなと・・・」


「私達、研究者だしねっ!」


かなは黙ってさなの話を聞いていたが、顔は真っ赤になっていた。


「そう、そうね・・・、必要かもね・・・」


と満更でもないかなはさなにそう答えた。


「じゃあ、早速始めよう!」


さなは準備を開始するのだった。


かなはベットで寝ている翔の下半身を余り見ないように、服を脱がして姿を出す。

その横でさなが腰から下半身全体を覆い隠す装置を翔に装着する。


あとはボタン一つで全自動だ。


「設定はどうしょうかなっ・・・」


とちょっと、ワクワクしているさながいた。かなもそうだった。


「設定1だと弱い・・・、3だと普通・・・」


「初めて使うし、女性の私達だとよく分からないから・・・」


「最強の5にして見ましょうっ!」


とさながかなに相談もせずにスイッチをそのまま押してしまった。


「さな・・・」


と呟くかなであった。


装置は動き出すが、外からは何をしているのか全く分からない。

さなとかなも何を行っているのかよく分からない・・・


やがて、装置がピークに達すると・・・


翔の顔に何か異変があった。装置を見ていたさなとかなは気が付いていない。



そして・・・


翔は夢を見ていた・・・そう、何だか気持ちがいい夢を・・・


翔の口が開く・・・


「うっ!」


と言って身体が反応し、目を開いた・・・




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