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実験開始

かなやさな達は地上の研究所兼住宅の地下で研究、実験を行っている。

こうなったのには理由があった。はながまだ実験で事故を起こす前の事である。


地上や宇宙都市のあちらこちらであらゆる組織が生命体転送装置の研究、開発を

行っていた。まみ博士の研究グループ(第7開発機関)も其の内の一つだった。


<その実験素体には、実験番号の後に第7の数字7を付ける事になっている。>


<例えば、なな(奈々)は7番目で77、はな(花奈)は8番目で87である。>


<因みに、かな(荷奈)は2番目で27、さな(紗奈)は3番目の37である。>


ここでは、余り言えないが翔の長男の17(登場未定)がいたり、

47・57・67・・・97・・・もいて、翔(次男?)やひとみは実験対象外。


なぜなら、「身内だと人体実験の許可も早いし、保険金もいらない」から・・・


そして宇宙都市でまみ博士の女性達が中心になり、

研究段階も他のグループと違って飛び抜けて進んでいた。


それを他の男性研究グループ達が気に食わないように見ていたのだ。


そこで目に付いたのは、かなやはなの存在だった。

調べていく内に、この二人の影響力が大きい事が分かったのだ。


邪魔をする為に脅迫状を送ったり、誘拐未遂事件、命なども狙われ始めた。

懸念に思っていたまみ博士は二人を隔離する為に、地上での生活を準備していた。

なな(とはな)や翔は生命体実験動物の一部として・・・


それから少し経ち、今回のはなの事故である。子供達の辛い環境を変えるべく、

ひとみの両親に相談、お願いをして彼女達の存在を知らない地上に降りたのだった。



時は現代・・・


人体実験当日の午前中、地下研究所兼住宅の地下実験室にて、

かなとさなが生命体転送装置の準備をしていた。


そこにななや翔が姿を現した・・・


「お姉ちゃん達っ、準備は出来たの?」


ななは遠くから、かなやさなに声掛けをする。その声に気付いたかな。

さなは夢中で送信用転送装置を触って作業をしていた。


「ななちゃん達、来たよっ!」


とかなはさなに知らせ、作業の手を一旦止めて、なな達の方に振り向く。


「あともう少し、待ってて・・・!!」


大きな声でさながなな達に返事をした後、さなは作業の続きに戻った。

かなもその返事の直後に、なな達の方に近付きながら話し返す。


「さな、まだ手が離せないから・・・」


「うん、分かった!」


となな達もかなの方に近付きながら受け答えた。

そして3人は送信用転送装置の手前まで移動をした。


人体実験の順番は、すでに昨日の内に話し合っていた。

かな達と血がつながっているなながどうしても先にやりたいと言い出した。


翔は渋々と言った感じだったが、かなもさなもその方が良いと説得したのだった。

ななが終わった後、メディカルチェック後に翔の順番になる。


医療室は実験室の直ぐ隣にあり、全自動メディカルチェック機械が置いてある。


「ななちゃん、心の準備は大丈夫?」


とかながななに話し掛ける。


「うん、ちょっと・・・緊張してるかも!」


ななは少し不安気な顔をしながらも、声の方は明るめだった。

かなはななの顔を見て、(緊張解しが必要かも・・・)と心に思っていた。


ななが翔に向かい合い、話し掛ける。


「私、頑張るから見ててね、翔っ!」


翔もななの顔を見つめ、励ます様に口を開ける。


「ななちゃん、頑張ってっ!」


その声を聴いたななは少し元気を取り戻し、服のポケットに入れていた何かを取り出す。

そして翔に手渡した。


それは大事にしている首飾りのペンダントだった。


「それ、私・・・、ななのペンダント。受け取ってっ!」


「私だと思ってずっと大切にしてねっ!」


翔はななの胸元を見ると、もう一つのペンダント、はなのペンダントが

首からぶら下がっていた。


「分かった、ななちゃんっ!」


「大切にするっ!」


と翔も精一杯、返事を交わした。その後、直ぐにななは話し続ける。


「翔っ!、見ててね!目を離さないでね!」


「実験中どんな事があっても、絶対に・・・」


ななは勇気を出し、気合を入れ始め、翔の目を見つめる。

翔もななの目を見つめ、お互い分かち合っていた。


漸く作業を終えたさながなな達の方に近づいて来た。


「準備OKっ!」


「そろそろ、実験始めようっ!」


とさなが3人に声掛けをした。4人集まりお互いに顔を合わせる。


さなが大きな掛け声で、片手を上げ、気合を入れた。


「絶対、絶対、成功させるぞっ!」


「おーっ!」


とほぼ同時に残り3人も片手を上げ、気合を合わせる。


「おーっ!」


とそこには分かち合った姿の4人がいた。



実験が開始される。まだまだ緊張の取れてないななに、かなが話し掛ける。


「じゃあ、服、全部脱いで、身に着けている物、全部!」


それを聞いたななが恥ずかし気な顔をし・・・


「えっ!」


と一瞬ななの時が止まり・・・、ななが翔の方に振り向く。

翔は真剣な眼差しでななを見ている。片時も目を離さない様子だ。


「だって、ほら、動物達も生まれたままの姿だったから!」


ちょっとニヤニヤ顔のかなが話を付け足した。


「かかっ、かなのばかーっ!」


と言って両手で顔を隠すなな。顔を真っ赤にしているのが分かる。


「さぁ、早く早くっ!」


と催促するかな。かなはななの緊張?から恥ずかしさ?に変えようとしたのだ。

かなは自分の服に手を掛けると、


「私も一緒に脱ごうっ!」


(露出狂かな・・・?)


とななに話し掛ける。それを聞いたななは意を決して両手を顔から離す。


「いや、大丈夫、大丈夫だよ!」


(混浴露天風呂のマイクロビキニ姿を思い出す・・・)


と後ろを振り向き、首に掛けていたペンダントをかなに渡した。

そして衣服を脱ぎ始め、用意されていた籠に入れる。生まれたままの姿のなな。


翔は何も身に着けていないななの後ろ姿をじーっと見ていた。


ななは乙女心満載で恥ずかしかったが、お風呂でかなの姿を見なれているせいか、

まだまだお子様だった翔は、女性の裸に対して、実は何とも(感じ)なかったのである。


後ろからかなにタオルを掛けられたななの緊張は取れていた。恥ずかしさ一杯で・・・

そのままかなと一緒に送信用転送装置の方に歩き出した。


ただ気合?を取り戻したななは、後ろを振り向きもせず、声を力強く出す。


「頑張るから見ててね、翔っ!」


それを聞いた翔は頑張って!と声を返した。かなはななのタオルを取り、

扉を開けて送信用転送装置の中にななを入れて、扉を閉めた。



一部始終を見ていたさなは、送信用転送装置(結構大きい!)の中で脱いで

外にいるかなに衣服を手渡せばいいと思ったが、口には出さず黙っていた・・・



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