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死亡フラグは勝手に立つ  作者: パンツ大将軍
9/9

ほら、怖くないだろ

私の中では一週間で投稿できました(などと供述しており(以下略))

 酒場から少し北の森の中、しばらく道なりに進んだ所で空気が急激に淀みだした。

 どこぞのアンポンタンのせいで調査に付き合わされる羽目になり、周囲の探索をするも見つかったのは朽ちかけている古びた館と道を阻む結界のみであった。


「どうするダヴィ。大したものは見つかってないが、この感じは尋常じゃないぞ。一旦戻るか?」


 周辺をふらついていたダヴィが呼び掛けに応じて近付いてくる。


「いや、このまま館の探索をしたい。これを見てくれ」


 この部分だ、と指しながら渡してきた紙に書いてあるのはダルシェイムスケルトンの習性に関する事であった。


「ほら、奴は人間に対する強い敵対心を持っており、極めて攻撃的だって書いてあるだろ。しかも探知能力が高いみたいだしな」


「だから危険は少ないってか?それ信じられるのかよ」


「まず間違いないな。大聖堂に忍び込んだんだぜ」


「お前何してんだ」


 情報は確かなのかもしれないが、他に問題があるだろそれ。信徒にバレたら指名手配ものだぞ。


「まぁ、色々あってな」


「深くは聞かないが、巻き込むなよ」


 こちとら小市民なんだ。


「先に謝った方がいいか?」


「やめろよほんと」


「冗談だ冗談、安心してくれ」


 はっ倒すぞ。


「危険だと思ったらすぐ逃げるからな」


「あぁ、構わない。助かる」


 周辺を警戒していた二人を呼び、かろうじて存在している道を通って館へと向かう。


「ん?」


 途中、白い何かが視界の端を過る。


「どうかされましたか?」


「いや、何か見えた気が……」


 立ち止まって周囲を見回しても何も見つからない。前にいるロウリーとダヴィも見渡していたが何も見つからないようだ。


「多分気のせいだ。行こう」





「ワッ!」


「っ!?」


「フッ……」


 ……………………駄メイドめ、覚えておけよ。



















 館の前に着く。館の周りには視線を遮らない鉄の柵と門があり、木に囲まれて薄暗い中でも窓から館の中がうっすらと見える。


「安全確認」


 門や柵に仕掛けがないか調べていたローティアートが門を開く。


 三人に続いて敷地内に入ると、全身に重圧がかかったような気分になった。


 何か感じないかと尋ねるも、三人とも何も無いようだ。


「とりあえず注意しながら中を調べるか。レオンは何か違和感があったらすぐに言ってくれよ」


 そう言ったダヴィを先頭に木製の扉を開けて入っていくと、そこは正面に階段があり左右に廊下が伸びる広い空間であった。


 中を見回していると、階段の上に人の形をした白いもやが一瞬だけ見えて消えていった。


「よし、帰ろう。お化け屋敷は嫌いだ」


 外に出ようとして踵を返すと、目の前で勢いよく扉が閉じた。


「……嘘だろ」


 急いで開けようとするがびくともせず、壊そうとしても鉄のように硬く傷一つ付かなかった。


 ――私を見つけて


 後ろを振り返る。他の三人もドアを調べるために隣まで来ていたため、中には誰もいなかった。


「これは、どうにもならないな」


「いや、まぁ、そうなんだけど……」


「ん?何か見つけたか?」


「なぁ、今の聞こえなかったのか?」


「オイオイ。怖いこと言うなよレオン」


 本当に聞こえてないのだろう。四人とも顔を見合わせていた。


「恐怖、幻覚」


「本当に聞こえたんだって」


「どのような内容でしたか」


「私を見つけてって言ってたな」


 にやけ面のローティアートは睨み付け、真剣に考えている様子のロウリーに答える。


「そうですね、おそらく閉じ込めたのはその人自身やうつし身の様なものを探して欲しいからなのでしょう」


 しばらく考えていたロウリーが考えを述べる。


「昔聞いた顔の無い怪物の話に出てくる幽霊と同じ様な存在であれば、将軍に見つけて欲しいということでしょう」


「顔の無い怪物?」


「はい。東の方の国では有名な話のようで、その幽霊は見た者の一番恐れる存在に化けるそうです」


 早く言えよ。ダルシェイムスケルトンの正体それだろ。


「でも、なんで俺なんだ?」


「理由までは分かりませんが、その話の幽霊は想い人が現れるまで何人足りとも寄せ付けず、その者だけは誘い込んだようです。結局その者は幽霊に呪い殺されてしまうのですが」


 何で話した。聞きたくなかったわ。


「何はともあれ予定通り探索すればいいんだな。行こうぜレオン」


「……そうだな」


 ダヴィに腕を引かれて渋々歩き出し、声をかけようと後ろを振り返ろうとして――――






 ――――肝が冷えた


 引きずる様に腕を引くダヴィは当然見える位置にいて、先頭を歩いているロウリーとその後ろで窓の外を見ながら歩くローティアートも視界の中にいる。


 今、何人いた?


 意を決して恐る恐るゆっくりと時間をかけてそーっと後ろを確認すると、顔が見えているはずなのにどういう顔なのか分からない人影があり、分からないはずなのに笑っているように思えた。


 ――お願い


 そう言ってその人影は薄れて消えていった。

かお で変換しようとすると予測変換が顔文字で埋め尽くされて誤字が多くなるのだわ


後から確認したら急に文章中に(´・ω・`)や(o・ω・o)が出てきてたわよ

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