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死亡フラグは勝手に立つ  作者: パンツ大将軍
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不穏

(´・ω・`)ある作品を書いているんですが、シラフでかけるような内容ではなく、書いても文法も内容もハチャメチャで投稿が止まってしまったので、息抜きに書いてみました。

 俺は昔から逃げていた。


 敵を作らない様に周りの様子をうかがっていた。

 格上相手のご機嫌とりは欠かさず行っていた。

 争い事には関わらないように息を潜めていた。

 嫌なことは気付かれないように誰かに押し付けた。

 家の跡継ぎや財政は兄弟達に任せた。

 徴兵が嫌で学校へ裏口で入学した。

 前線に行きたくなくて、賄賂で成績上位になり卒業した。

 上司に潰されないように、色々な人物に取り入って将軍になった。




 ――――――でも、もう逃げられないようだ。



「帝国など恐るるに足らず!者共前進せよ!我等の力、見せ付けるのだ!!」


 何故、何の力もない王が最前線に出てきているのか。


「数を揃えただけの烏合の集め!兵は数より質だと教えてくれるわ!」


 何故、元帥はそんなに自軍の力を信じていられるのだろうか。どう見ても相手の方が質も数も上であるというのに。


「あの本隊を叩けば我等の勝利は決まったも同然、我等に歯向かう愚かしさを悔やむといい」


 良いことを教えてやろう糞軍師。あれは先遣隊だ。


「……将軍、ご武運を」


「あぁ」


 何故、俺が指揮する予定の部隊を後方待機にするのか。

 何故、主戦力を連れてこなかったのか。

 何故、俺が先鋒を務めるのか。


「突撃ィ!!」

「クソッ、先を越された……!我らも続けー!!」

「他の隊に遅れをとるなぁ!!」


 何故、俺より先に無策で突撃しているのか。




 ――――――俺には何一つ理解できなかった。



 ただ平穏に過ごせれば良かったのに、そのために危険を遠ざけてきたのに、どうしてこうなった。











「何を寝ているんだ貴様は。もう昼だぞ」


「んぁ」


「お前は…………はぁ……」


 朝、いや昼飯の時間に目が覚めた。ベッドの心地よさに心引かれながらも体を起こす。


「これ、後で目を通しておいてくれ。幹部三人以上の承認が必要な案件だ」


 何故か俺の部屋にいる見知った赤毛の全身甲冑男に書類を渡された。相変わらず赤いロン毛以外露出がない。


 受け取った書類の束をそのまま机の上に置き、中身も読まずに出したままになっている承認印を押印する。


「おい」


「いや、レイアが承認した案件なら大丈夫だと思ったから」


「それでも確認ぐらいしろ」


 そう言いつつため息をついた甲冑男、レイアはその書類を受け取る。


「見てるだけで暑いな。その甲冑脱がないのか?」


 無視された。





 一人で食堂に行くと、同じ将軍であるくすんだ赤毛が特徴の男、ブレイズが一人で食事していた。


「おやおや?ブレイズ君はまーたぼっち飯かなー?」


「お前だけには言われたくない」


「酷くない?」


「それもお前だけには言われたくない」


「俺の評価」


「糞野郎」


「ぐぅ」


 相変わらずつれない奴だ。食膳を取って来てから、ブレイズの前に座る。


「今日は焼き魚なんだな」


「こいつは尻尾が一番旨いんだ」


 お前の味覚だけは信用しない。俺は学ぶ生き物なんだ。


「あの書類、お前が考えたのか?」


「あぁ、お前も見てくれたのか?」


「いや、印は押したけど中は見てない」


「…………」


 物凄い複雑そうな顔で見られた。


「そんなに見つめるなよ。照れるだろ……」


「その気持ち悪い動きをやめろ」


 クネクネした動きは好みではないらしい。


「あれ、結局何だったんだ?」


「それすら分かっていなかったのか。最近帝国が不審な動きを見せているだろう?それについてどう対応していくのか、方針や対策についての考えをまとめたものだ。とりあえずは帝国側に手紙を送り、交流を深めることから始めることになるだろうな」


「なるほど」


「ちゃんと聞いてないなお前。出来る限り仲良くして戦争は回避しようって内容だ。」


「そんなにヤバそうなのか?」


 食べ終わって食器を置いたブレイズは、身を乗り出して小さい声で話し出した。


「もう既にいくつかの国が吸収されている。それもあまり穏やかじゃない方法だ」


「穏やかじゃない?」


「直接攻め込んだのもあれば、王族の暗殺を行ったりもしているようだ」


「やりたい放題じゃないか」


「あぁ、だから流石にこのまま何もしないってわけにはいかないって訳だ」


「おう、頑張ってくれ」


「お前も頑張れよ」


 えー。


「俺に出来ることはあまり無さそうだし、任せるわ。まぁ、あの無能共を押さえるぐらいはしてみるわ」


「ありがとう。じゃあ俺は執務室に戻るな」


「おう」


 食器を片付けて食堂を出ていくブレイズを見送り、自分も食事を終えて執務室に戻るのだった。






「やっぱりアイツの味覚は信用できねーわ」

絶対信じないと思ってても、試してしまうこともあると思う今日この頃

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