おばちゃま勝手に相談室。〜教授は先生〜
どうしても。カウンセリングをしたいおばちゃま先生。
最近お客がなく、落ち込んでいる。
「なずなさん? 貴女の大学……。 何でもないわ」
いそいそと書斎へ。
異空間の書斎から暫くして出てきた先生。
白衣姿、メガネをかけ、いつもより何か。
うーん……。
「今日はまだ講義あるわよね?」
「私の履修ではないですが……」
イヤな予感。
「ちょっと留守お願いね」
そう言うと、カバン片手に出かけてしまった
……。
やな予感。やな予感。
もしや。うちの?
確かに、学校の掲示板に貼り紙があった。
確かに、心理学とかの科目ある。
しかし、講義を?まさか。
いや、謎の人だ。講師の資格あるかも。
私は急ぎ、自分の大学へと向かった。
大学に到着した時、おばちゃま先生の姿は
なく、私は色々尋ねまわる。
「ああ。 そんな感じの人なら、学長室に入って行ったよ」
とある学生男子が教えてくれた。
おばちゃまの特徴を少し言っただけだが、やはり目立つのか?
私は意を決して学長室へ。
トントン。
ドアをノックした。
ガチャ。
学長室のドアが開かれる。
「失礼します」
入ろうとして驚いた。
ドアを開けたのが、先生だったから。
「せ、先生……。 こちらで何を……?」
客人の先生が、何故ドアを開くのか。
「あら、 いらっしゃい。 来る頃かしらって
思ってたのよ。 ふふふ。 びっくりしたかしら?」
私を中へ通し、そう言った。
学長室のソファへ座り、タバコを一服。
状況が分からない私は、ただ立ち尽くす。
「いや、君か。 彼女の助手とやらは」
机に座る学長が、話しかけてきた。
一気に緊張。
「あ、 はい。 先生の助手を……」
小声になってしまう。
ふふふ。私を見て笑う先生。
「なずなさんには、本当に良くして頂いてるわ。 いい助手さんよ」
「それは良かった。 君が気に入るのは珍しいからな」
不思議なやり取りをただ見る。
「ご紹介、 して下さらないかしら? 学長さん」
「ああ。すまない。 えー、 今度この学校に
新設される新しい科目を担当してもらう事に
なったんだよ。 君の先生に」
はい? 新設される?学科が増えると?
で、先生が担当……?
「そんな訳でね。 講義を覗きがてら挨拶に
来たの。 講義の仕方、 忘れてしまって」
タバコをふかし、先生が言った。
「あの。 新しい科目とは?」
聞いてないし、そんな事。
「えーと。 カウンセリングの仕方何かを教える。 だったかしら?」
適当に返した。
うちの大学。これでいいの?
「いやぁ、 楽しみですな。 宜しく頼みますよ。 あ、 生徒の募集などはきちんとやります。 教授」
教授?
おばちゃま先生、教授なんですか?
新たな発見。もうどうでもいいや。
正体不明な先生、今更もう……。
しかし、教授。
あ、お仕事カウンセリング。きちんとやって
下さいね。
予約、ないけど。
私の常識とか何だとか。崩壊される気もしたが、本当もういいや。
そう思った。