学園の卒業式で王太子が婚約者の公爵令嬢を断罪しようとしたら
突然思いついて10分で書きました。
今日は由緒あるセレナ王立学園の卒業式。
父兄も列席する中、着飾った卒業生や在校生たちが和気藹々と会話する。
卒業生総代である王太子が桃髪の可愛らしい少女を横抱きしながら演題に立った。
静まりかえる会場。
一渡り見回した王太子が口を開こうとした瞬間。
貴賓席で立ち上がった威厳ある国王陛下が叫んだ。
「アバロン公爵! 出てこい!」
「ここに」
父兄席の最前列にいた堂々とした大貴族が応える。
「アバロン公爵! そちの娘はわが息子である王太子の思い人であるレイス男爵令嬢アリスを虐めたな? 言い訳しても無駄だ! 証拠は挙がっている!」
罵声を浴びせる国王陛下。
「これはこれは。わが娘アレクサンドラがたかが男爵の娘ごときに手を掛けたと主張されますか?」
公爵も負けてはいない。
「私も聞いておりますぞ。御身の子息たる王太子アーサー殿下は婚約者であるわが娘をないがしろにして男爵の小娘ごときに入れ込んでいると」
「ええい! そちの娘は身分をかさに弱き者を虐めて恥ずかしくないのか!」
「これはしたり。身分のごり押ししているのは御身のご子息では?」
至尊の国王陛下と大貴族の応酬に口を出すことも出来ず沈黙を強いられる群衆。
それにいいことに国王と公爵はお互いに罵り合い、ついにはそれぞれの席から飛び出して演台の前で向かい合う。
王太子と男爵令嬢は隅に追いやられていた。
「ええい! らちがあかん!」
「同感です。どちらが正しいかいざ勝負!」
これはえらいことになったぞ、内乱の危機か。
一同が身構えた瞬間、国王陛下と公爵閣下はお互いに右手を引いてから同時に突き出した。
「最初はグー! じゃんけんぽん!」
「いやー負けた」
「私の勝ちですな。では婚約は解消ということで」
「残念だが仕方がない。息子は廃嫡するからそれで」
「結構でございます」
それから国王陛下と公爵閣下は肩を組んでおっしゃった。
「これにて閉幕! がちょーん!」
(HAPPY END)
前から不思議だったんだけど、国王陛下は息子に好きな様にやらせ過ぎでは。
状況を掴んでいるんだったら茶番にしてしまえば傷は浅くて済むし。




