第二章 廊下で
そして、教室から2階にある三年生の教室に向かった。
「あっ、あの人だよ!。」
「へぇー。早乙女先輩かー。」
早乙女 雪。
俺たちより1個上で、超美人で才色兼備、しかも、人柄が良く誰にでも優しい。早乙女先輩のファンクラブも密かにあるらしい、と長田が興奮しながら説明してきた。
「でも早乙女先輩かー。難しいんじゃないか。」
なんせ学校のアイドルだぞ。
「だからお前に頼んだんだろうが。」
「というかなんで俺なんだ。他にもいただろう。」
長田は友達が多い。他の人でも良かった気がするが、
「俺のダチの中で顔面偏差値が一番高いのはお前なんだから。」
「えっ。」
「俺の勘とヨコガ王が説明してくれるー。」
ヨコガ王とは横顔を撮ってその横顔の美しさを数字で教えてくれるという、少し前に流行ったスマホアプリだ。
「そういやぁお前、俺のこと撮ってたな。」
そう!そんときやったらさ、お前の顔98だってよ、高すぎないか!?。
「そんなのただのお遊びだろ。それより早くしねぇと昼休み終わっちまうよ。」
もぅあと20分も無い。
長田が俺に聞いてきた。
「なんて声かけたらいい?」
「まぁ、今週末に俺たちと、遊び行きませんか?ぐらいでいいんじゃね?。」
「おぉ、よしそれにしよう!」
これでいいかは全く分からん。だが俺にはこれぐらいしか思い付かん。
長田が早乙女先輩に近づいていったので俺も追いかけた。
「あっ あの早乙女先輩!おっ俺らと今週末に遊びに行きましぇんか!」
あっ噛んだ。
「悪いけど今週末は·····!!」
早乙女先輩が俺を見てハッとなったように見えた。
「今週末よね。分かったわ。」
「っ!!ありがとうございます!!」
長田が坊主頭を下げてお礼を言った。
「じゃあ、10時に映画館前集合でいいですか?」
喜びすぎて頭の中お花畑になっている長田の代わりに俺が言って。
「っ!分かりました。じゃあまた今週末に。」
一瞬笑顔になったように見えたのは気のせいだろうか?まぁ、なにはともあれ。
「よかったな。」
「·····!!ゔん!ありがとう!」
喜びすぎてないてるじゃん。