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あとがき

 今作が初の方は初めまして、同世界観の他の作品を読んでくださった事のある方はしばらくぶりとなります。


 森の娘の方は完結しているので今回は短編の独立したおはなしです。西方の生神様については『森の娘と獣たち』でもわずかに触れていて『森の娘と最後の騎士』でリメイクした際に設定を変えて、『荒くれ騎士の嘆き歌』の後編用に用意されたキャラクターでした。

『荒くれ騎士の嘆き歌』は後編のエドヴァルドの旅を掲載せずに完結させたのでラクナマリアさんとクラウスは『天魔の娘と解放者』用に再設定されて登場しました。

もともと設定があった部分なので50話ほど書くのに一週間ほどで済みました。


第一部完とはありますが、第二部予定は今の所無いです。

彼らの将来を危ぶんでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫!ハッピーエンドです!ちゃんと伏線もありますのでご心配なく。


キャラクターの背景は大体描いたので改めて人物紹介となります。


【昼のラクナマリアについて】

ヒルマリアさんは強くてかっこよくて我も強くて作者的にはお気に入りです。

世界の設定的に神様は永遠不変にして不滅の魂という縛りがあるので、死んで転生しても、現代の社会情勢に合わずに不幸になるのでラクナマリアは再設定して今回のおはなしを書く際に神や天女そのものでは無くしました。


たとえば浮気性の恋の女神は転生してこの人間社会で生を受けても自分の神格に縛られて苦しむ事になります。博愛の女神もやはりそうなるので、博愛の女神に仕えた天女の娘ということになりました。

ここでいう博愛は墨家のいう平等の愛に傾いていて、特定の誰かへの差別的な愛、偏愛には批判的です。ヴィンランドサガのヴィリバルト神父が説く愛に近いかもしれません。


そんなわけでヒルマリアさんは神様と違ってもうちょっと柔軟な設定です。

常に凛としたヒルマリアさんですが、ヨルマリアの過去の体験をデジャヴで見て苦しんでいる事があります。


【夜のラクナマリアについて】

ヨルマリアさんについてですが、何度も死霊魔術の実験場で転生を繰り返した事もあって死者の魂に近い存在となり、自在に操れるようになった為、歴史上最強の死霊魔術師となりました。

酷い環境で育った割に基本善人だけど使う魔術は邪悪極まりない。

幸い第一部では使う機会はありませんでした。

本人は地獄にも天国にも行けずに何度も転生して苦しむので、月の女神を呪うようになり、冥界に死者の魂を送る時には複雑な心境を抱えています。

復興祈念式の際に天に向かって絶叫していたシーンがそれです。


何度も転生し、精神崩壊気味でしたがヒルマリアを分離した事で魂の骨格を得て、クラウスの瞳の中に自分を再発見して救われました。

クズネツォフと女魔術師の事を父母のように慕っていますが、同時に憎んでもいます。


今後の問題はヒルマリアが社会に適応していけばいくほど、ヨルマリアさんは自分の過去の体験とのギャップに苦しむようになるのでクラウスくんがそこをどう救うかでしょうか。


【クラウスについて】

最終話時点で14~15歳。

この世界の人類の成長速度だともうすっかり大人になりました。

そういえば最後まで一度も戦闘しませんでしたね。

彼の戦場は別の場所ですが、男としてはそれなりに鍛えねば、と護身術、銃器の取り扱いには多少は慣れています。

ラクナマリアから借りたお金と自分がいろいろと知りえる立場なのを生かして稼ぎ始めてゆくゆくは商船団を経営しながら留学生活を満喫している事でしょう。

ラクナマリアからしばらく離れる事になりますが、ドナとメテオラに留学中は監視されて報告されています。


【クズネツォフについて】

ラクナマリアによって精神支配を解除された事を感謝し、恨んでもいます。

あまりにも残酷な事を繰り返して来た身なので、突然人の心を戻された事は大きな罰となりました。

今のラクナマリアが死んでもまた新たな個体が現れるのだろうという達観もありますが、出来るだけ助けようとはしてくれています。

ヒルマリアが白昼夢やデジャヴに苦しんでいる事を知り、鎮静剤の開発を行っています。

自分の死期を悟っており、クラウスに後の事を託そうとしています。


【女魔術師について】

地獄の夢魔が試験で作った人形です。

失敗作だった為、シャフナザロフへの協力として引き渡されました。

夢見術師としての知識と力は与えられていて、冥界にも地獄界にも行く前の状態の死者の魂、いわば夢を見ている状態で待機している彼らに介入する力があります。

初代や二代目ラクナマリアの母?のような存在でした。


【精霊マーについて】

”マー”とは口の形状がもっとも発音しやすい音。

それゆえ古今東西、あらゆる言語で最初に発生する言葉として”母親”を意味します。

人間に近い形の口を持つ獣人、神々が使う言語とされている古代神聖語でも同様であり、天空神、母なる神”アー・マー”がそれに由来します。


初代ラクナマリアは死霊魔術の実験場で孤独に育ち、言葉も教えられなかった為、彼女は空想のお友達として精霊に”マー”の名前をつけました。

それ以来”マー”はラクナマリアの忠実な友人であり、彼女が何度転生しようと常に彼女の傍に出現し、記憶を更新します。


精霊は名前をつけられ、人々に信仰される事で亜神となります。

”マー”はラクナマリアだけの亜神です。


☆★終わりに★☆


 いくつか未解決の問題はありますが、このくらいで綺麗に終わっておくのもいいんじゃないかな、と思いましたのでいったん完結です。


わたしは神話とか歴史のちょっと大きな声では言えない俗な話も好きなのですが、ヨルマリアさんは育った環境が環境なのでそういう所に踏み込まざるを得ず、読者さん的にはそういう話はたぶん嫌いだと思います。

別作品になりますが『荒くれ騎士の嘆き歌』外伝部分とか『スロースターター』とか、たぶん好きで読む方はほぼいないでしょうし。わたしもどうかなーと思いつつ第二部三話くらい書いてみて、合わないな、と感じて中断しました。


他の作品は主人公の成長物語ではなく歴史を主題に描いていてそこに各作品のキャラクターがいる感じですが、今作はもうちょっとキャラクターを変化させてみようと方向性を修正してみました。


今の所ブックマークは0ですが10人くらいは読んでくださってる方いたかな?いたらいいな。楽しんで頂けたら良かったです。


気が向いたらまた短編書くかもしれませんが、とりあえず創作意欲は満たされたのでこれで終わります。


では!


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