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D子「そうだB子、あれ話してあげたら??ほらカバンの話??」


B子 「その話はもう知ってるでしょ?」


私は何の事か分からずにD子に尋ねた。


「何の話??」


D子「A美が転校してくる前にさ、私たちのクラスで不思議な事があったのよ」


B子「D子あれ話さなきゃダメ?あの時の事は話すのも嫌なんだけど?」


D子「怪談なら大歓迎って言ってたのはどこのどちらさまだったかしら?」


B子「分かったわ、話せばいいんでしょう」


私は気になってB子に尋ねました。


「私が転入してくれ前に2年C組で何か事件があったの?」


B子「事件といえるのかは分からないけど、あれは7月にはいってすぐの出来事だったわ。朝高校の2年C組の教室に行ったら知らないカバンが私の机の上に三つも置いてあったの」


私「知らないカバンって??」


B子「私たちが使ってる学校指定の学用品を入れるカバンが朝学校に来たら置いてあったのよ。机の上に3つも。しかもその3つのカバンは国語と英語とか授業で使う教科書とかノートとか参考書とかがぎっしり入った状態で置かれていたの。」


C美「その上その教科書やノートが途中まで使っていた形跡があったんだよね」


私「えっ??それ誰の忘れ物だったの?」


D子「それがねえ、誰の忘れ物でもなかったの。2年生の全クラスでホームルームの時に聞いてくれたらしいんだけど、誰も自分が忘れたって名乗りでなかったの。それで先生たちが2年生全員の教科書とノートを確認したんだけど、みんなちゃんと自分のカバンや教科書やノートを持ってたのよ。2年の生徒はだれも忘れたり失くしていなかったの」


私「えっ??それじゃあ誰かの忘れ物じゃなかったの?」


B子「うん、そう」


D子「わけが分からないよね。誰かの忘れ物でないのならあのカバンは誰が何の目的で置いてったのって事になるわよね」


B子「それで先生たちが警察に相談しに行ったの。すぐに警察の人が来て捜査が始まったよね」


C美「うん、警察の人の話ではドロボウが学校に侵入して誤って他の学校で盗んできた盗品を置いていった可能性があるんじゃないかって事になったんだよね」


D子「それで警察の人達が監視カメラとかでその前後の日の映像とかを調べてくれたんだけど、ドロボウが侵入した形跡が全く見つからなかったんだよね。うちの高校は夜でも警備員さんが常駐してるし夜は監視カメラに加えて赤外線センサーなんかもたくさん作動させてるらしいけど。それなのに不審者が侵入した形跡が全く見つからなかったんだって」


B子「それで今度はうちの高校の生徒がイタズラしたんじゃないかって可能性が疑われたんだよね。去年使ってた教科書か書店で新しく教科書を買って2年生の教室でイタズラしたんじゃないかって」


D子「でもこれも違ったもんね」


B子「私の机の上に置かれていたカバンの中に入ってた英語と世界史の教科書は改訂版の今年に発行された一番新しいタイプの教科書だったからね。もし3年生がイタズラで前に使ってた教科書を置いていったのなら、今年発行された教科書が入ってるのはおかしいもんね。3年生が使ってた教科書となれば当然去年に発行された教科書じゃなきゃおかしいもんね」


B子「それで警察の人達は今度は先生の誰かがやったんじゃないかって可能性が出たのよね」


C美「それで今度は先生達が持っている教科書や備品の方が調べられたんだよね」


D子「でも学校備品としての教科書の数と実際に先生達が使ってた教科書の数は同じだった」


B子「犯人は先生達でもなかったのよね」


D子「うん、警察の人達は教科書を売ってるT書店の方も調べてくれたしね」


C美「うちの学校の教科書はT書店でしか買う事ができないもんね。でも5月以降に教科書を買っていった客は一人もいなかったし、4月の段階で教科書を2冊以上買ってる不審な生徒もいなかった」


D子「しかもT書店はチェーン店じゃなくてネット販売もしてないただの個人書店だから余計に謎が解けなくなったんだよね」


C美 「誰もB子の机に教科書満載のカバンを置けないんだよね」


D子「警察の人達がT書店を調べてくれた後で、先生達もうちの高校の3年までの生徒全員の教科書を確認してるだよね。そしたら3年生の生徒全員がちゃんと2年生の時の教科書を持ってたんだよね。それでうちの高校の生徒がイタズラでカバンを置いていった可能性も消えちゃったんだよ。」


C美「だったらあのカバンは誰が何の目的でどうやって置いていったのって話だよね」


B子「学校の中にいる人間にも外にいる人間にも犯行は不可能、でも間違いなくあの日私の机の上には教科書満載のカバンが3つも置いてあったわ」


C美「A美も教科書揃えるの大変だったでしょ?」


私「うん、先に必要な教科書を先生から教えてもらった後でT書店までわざわざ教科書を買いに行ったね。」


C美「でしょ」


D子「あのカバンも不気味で怖かったよね」


B子「怖すぎよ、話してたらまた怖くなってきちゃったじゃない」


私「それで結局どうなったの?」


D子「結局真相は分からずじまいで、とりあえず置いてあったカバンと中身は遺失物として警察に預かってもらってもらう事になったの。未だに誰も持ち主は名乗りでてないらしいわ」


C美「本当に意味分かんないよね?カバンが3つ置いてあるなんてね」


私「もしかして誰かのプレゼントだったとか?」


C美「使いかけの教科書やカバンなんかもらっても喜ばれるわけないよ?不気味がられるだけ。そもそも誰がどうやってあげたっていうの?誰もB子の机にあのカバンを置く事ができないんだよ」


私「それじゃあどういう事だったの??」


C美「そんなの警察の人でもお手上げなのに私に分かるわけないでしょ」

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