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01

私はS県の公立高校に通う2年生の女子です。


先月父の転勤に伴ってS県T市のY高校に転入してきたところです。


すぐになじめるかが心配でしたが、B子、C美、D子と友達になる事ができました。


その3人とは通学路の途中にあるドーナツショップで時間潰しの雑談や待ち合わせなどをよく行っていました。


今日も授業が終わってそのままドーナツショップに直行して、レジでストロベリーリングとダージリンティを注文してそれを受け取ると10番テーブルへと着席します。


B子達も少し遅れて10番テーブルに着席しました。


そしてまたいつものようにテーブルを囲んで話し始めました。


B子「あーあ、最悪午後6時から雨だって??傘持ってきてないし。私が家に帰るまででいいから晴れないさいよ。全く」


C美「えっ??B子??昨日の天気予報でも今日の夕方から雨だって言ってたわよ。なんで傘を持ってこなかったの?」


B子「だってC美。傘なんて持ってきたら片手塞がっちゃうでしょ?傘を忘れないように気を配るのもめんどくさいし」


C美「だったら携帯用の傘かレインコートをカバンの中に入れとけばいいでしょ」


B子「だってめんどくさいじゃん。カバンの中濡れちゃうしさ」


C美「だからって自分が濡れたら意味ないでしょ」


B子「それよりも今週末か来週末にさ、みんなでどっかに行かない?」


C美「今から予定組む気?ちょっと急じゃない?これから予定組んでも宿の予約がさすがに取れないでしょ」


D子「それに来年は高校3年生でしょ。進学するつもりならそろそろ受験勉強始めとかないとまずいよ」


B子「D子??そんな話は聞きたくもないわ」


C美「えっ?それじゃあB子??就職する気なの?」


B子「そうじゃなくてこのお店の中ではそういう真面目な話はしないって決めてるの」


楓が桃子に言った。


C美「そういう事はあんまり先延ばしにしない方がいいと思うよ」


D子 「就職するつもりならいいけど、進学する気が少しでもあるのなら早めに勉強を始めとかないと間に合わなくなるよ。」


するとD子は私に同意を求めてきました。


「ほら、A美何か言ったあげて」


私「ううん、私はいいよ。それはB子の決める事だし」


B子が嬉しそうに私に言いました。


B子「ありがとう。A美はやさしいから大好きよ」


B子「さあこれで2対2よ。せっかくドーナツ食べに来てるんだし真面目な話はここまで。ここからはもっと面白い話をしましょう」


C美「了解」


D子「分かった」


C美 「そういえばさ、ちょっと相談したい事があるんだけど?」


B子 「ちょっとC美、真面目な話はやめてよ」


C美「真面目な話じゃくてなんていうか怖い話なのよ」


B子「ああそっち系の話ね。そういう話なら大歓迎よ。どんどん話して」


B子「それでC美なに?変な男に付きまとわれてるとか?ストーカーをされてるとか?」


D子「えっ?ストーカー??ストーカーなら警察に相談した方がいいよ」


C美「いやそういうんじゃなくてさ。ほら今学校で噂になってる方のやつ?」


D子「噂になってるやつ??ああ??もしかして北館に男の子の幽霊が出るって話??」


C美「うん、その話」


D子「怪談とか七不思議とかって大半が作り話だったり、話におひれがついておおげさな話になってるだけだからそんなに気にしなくていいと思うよ」


C美「私もそう思ってたんだけどさ一昨日に見ちゃったのよ」


D子「見たって何を??」


C美「男の子の幽霊を?たぶん噂になってる男の子の幽霊だと思うんだけど」


B子「ええいつ見たの??」


C美「ほらおとといの3時間目に視聴覚室で英語の授業をやったでしょ?それで私カギを閉める当番だったからみんなが視聴覚室から出てから施錠をして教室に戻ろうとしたのよ。それで3階の視聴覚室から1階の2年1組の教室に戻るときに見ちゃったのよ。10歳くらいの男の子が笑顔で私の方を見てたのよ。不気味な笑顔で私の事を見つめてたの。それで少ししたらフッって消えちゃったのよ」


B子「それどこで見たの?」


C美「視聴覚室を出て少し歩いた場所だったから北館の3階の廊下の中央辺りだと思う」


D子「中学校の子が迷い込んでただけじゃないの?ほらうちって中高一貫校でしょ?中学校の校舎から北館の方に迷って来てただけかもしれないよ」


C美「たぶん違うと思うわ。その子中学校の制服着てなかったし。それになによりその男の子沈んでたのよ」


B子「沈んでたってどういう事?」


C美「言葉通りよ。下半身がなかったの?いや下半身がないっていうよりは廊下の床から上半身だけ出してる感じだった。蒼白い顔で私の方を向いて笑ってたわ」


B子「上半身だけ出してその男の子が由衣の方を見て笑ってたって言うの?」


C美「うんそう。10歳くらいの男の子の幽霊が私を見ながら不気味に笑ってたのよ」


D子「ちょっと待ってC美??三時限目が終わった直後っていう事は時間的には昼間だよね?昼間に幽霊を見たって言う事??」


C美「うん、4時限目が始まる少し前だから午前11時45分前後だと思う」


D子が不思議そうな顔でB子に聞いていました。


D子「ねえB子?そんな真昼間に幽霊って出るものなの?」


B子「そんなの私に分かるわけないでしょ」


私「それで怖くなってこうして相談してるんだね?」


C美「うん」


B子「真昼間に幽霊とか嫌ね」


D子「本当よね。私たちが登校してる時間に現れないでほしいわよね。三階の廊下って特別教室ばっかりだから廊下を使う人が少なくて空いてるのよね。だからいつも使ってるんだけどしばらくは別のルート使おうかな」



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