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抜け殻

作者: 栞

 先月、付き合って2年になる恋人がいる。周りからは冗談交えに、夫婦だと言われている。

私の恋人は、側から見たら、完璧だろう。頭が良くて、スタイルが良くて、足まで速い、なんて小学生時代の恋人推薦チェック表のような言葉を並べる。だが、喧嘩をするたびに思うのだ、この人はただの抜け殻なのだと。私の好きだった彼はいない。気遣いができる恋人はいない。中身は何処だ、と探す毎日。そんな毎日ですら愛おしい。

 私の恋人は、付き合ってすぐ私の誕生日を忘れた。すぐではなく、多分、私に最初から興味がなかったのだと思う。でも私はいいよと言った。怒ってないよと言った。よくある我慢の一つか、恋人のうっかりを信じたかったのか、今になって考えると、恋人フィルターにかかってわからなかったんだと思う。きっと興味なかっただけだ。恋人は私と付き合う前、私の悪口を言っていた。隠していたけど、知っている。試しか何かなのかと最初は思った。その考えすらも、私は、信じたいからと言って消した。今思えば、最初から私のことなんて興味なかったのだ。

 ついさっき喧嘩をした。SNSでこんな彼女は嫌だをいいねしていた。

不細工な彼女。

情緒不安定な彼女。

2年間、恋人はずっと思っていたのだろうか。私にはよくわからなかった。恋人の考えることも、行動も。

それでも私は彼女が好きだ

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