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いざ開幕!心配性と天真爛漫とビビりによる大冒険!!

 ある日いつものようにベッドに入って寝て起きたら見知らぬ世界に立ってました。

何もかもが大きい!

いや、僕が小さいのかな…? 

取りあえずそこで倒れてる肩ぐらいまでの茶髪に眼鏡かけてる子、起こすべきだよね?

「あの、起きて…ください!」近づいてみるとその子の髪の毛は赤く変色してしまった。僕のせいではないはず。

 なんていったって、僕の髪の毛も緑になってるのが何よりの証拠だと思う。

 しばらくゆすっているとやっと起きた少女。黒縁の眼鏡をかけていて、肩より少し長い赤っぽい髪の毛。それに桜色の目は儚さを連想させた。思ったよりかわいい。なんて失礼かな?

 *

 ふいに誰かに揺すられている気配がして目が覚めた。うっすらと視界に入る髪の毛はまた赤っぽく戻ってしまっている。視線を少し上げると緑色のぱっつん前髪に顎下で切りそろえられた女の子?が私のことを心配そうに見ていた。私は喋れて元気だということを証明しないといけない。その一心で私は勇気を振り絞って話しかけた。

「えっと、こんにちは。桜井 華(さくらい はる)です。名前、教えてくれませんか?」すると、群青色の目を大きく見開かせたあと一気に細めて笑顔を作ると元気いっぱいの声で教えてくれた。

「僕は荻 葵(おぎ あおい)!華でいい?よろしくね!」勢いに押されて私は首を縦に振って“華”呼びを了承した。

「私は葵ちゃんでいいかな?」

「もちろん!」もう一度愛嬌たっぷりの笑顔を見せてくれた葵ちゃんは思い出したように質問攻めを

 してきた。

 私もそれにこたえる努力はして、ある程度理解を得てもらったはず。

 私もこの不可解な世界のことはよくわかっていない。何もかもが大きく見えて、私の髪色は赤に変色したし、あとから来た葵ちゃんも緑の髪色を持っていた。食べ物は一応あるけれど、おいしくはない。「空腹を満たす」という人間的本能に従って口に合わない食料(と呼べるかも怪しいモノ)を口に入れていた。

 この世界は思ったより安全で、ここにきてどのぐらいの月日が経っているのかは正確には数えていないけれど、まだ獣やほかの何かに襲われたこともなかった。

 あともう一つわかることがある。確信はないけど、なにか“いる”気がする。


 丁度私たちは今、大きな木に挟まれた平地に居て、葵ちゃんの後ろの陰から何かを感じる。

 何か人ではない気配。でも、危ないモノじゃないと思う。

 思ったより小さな気配で、小心者の気配。

 怖がりな生き物に出会ったことがない私は恐る恐る葵ちゃんの後ろへ手を伸ばした。

 普段は心配性が出て触ろうともしないくせに、興味をくすぐられるとどうしても手を伸ばしてしまう。

「なんだ⁈」案の定とでもいうべきかな、情けない声をしてそれは飛び上がった。

「はじめまして。この世界の怪獣?」

「ぬぁ!お、おれはかいじゅうじゃなくてドラゴンだ…!」そこはそんなに重要なのかな?

未だプルプルと震えているそれ曰くドラゴンを眺めながら私は普通にしゃべっていることに気が付いた。ドラゴンって喋れるんだ。じゃあ、名前持ってるはず。

「ねぇ、青いキミ、名前は?」

「俺か?俺はカイトっていうんだ…!お前は何て言うんだ?」質疑応答も問題ない。

「私は華。この子は葵。ねぇカイト。私たちと一緒に旅しない?」葵ちゃんにも行ってなかったのをすっかり忘れていたので彼女も口をぽかんと開けていた。

でも、そのあとすぐに理解してくれてまたあの人懐っこい笑顔で笑ってくれた。

カイトも仲間ができるのが相当嬉しいのか目をうるうるさせてうなづいてくれて、こうして今二人と一体による大冒険が幕を開けようとしてる。

「よし!僕たち三人で頑張って生き延びるぞ!」


好奇心旺盛で天真爛漫な葵ちゃん。びびりだけど頼もしいカイト。心配性で探求心だけは異様に高い私。


ちぐはぐな三人の大冒険。

いざ、開幕です!


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