7 元悪友のひろとと元独身女教師のなな
一週間後。
僕とヒロイン五人はBBQに誘われていた。
主催者は高校の時からの同級生で悪友だった松園ひろと。
ひろとは現在、結婚しており子供もいる。
BBQはひろとの家の庭でやる事になった。
「いらっしゃい、皆。久しぶりだな。一年ぶりくらいか」
「そうだな。去年はひろとの家の新築パーティだったよな」
「そうだった。お前らは変わらないな」
「お前は一番変わったよな」
ひろとは十年前と比べて本当に変わった。
十年前はとにかくやんちゃだった。
担任の二十七歳独身女教師のなな先生を弄りまくっていた。
先生が本当に嫌がる事こそしなかったが事あるごとに先生の言う事に独身煽りで茶々を入れていた。
しかし、現在でひろとはなな先生と十歳差で結婚してしまった。
いつの間に出来てたんだよ……てかそんなのありかよ。
でも、付き合い始めたのはひろとが卒業してかららしい。
ひろとが大学卒業と同時に結婚し、今では四歳の子供もいる。
ひろとの家の庭で、炭火の網の上で早速肉が焼かれ始める。
肉の香ばしい臭いと、炭の温かみが伝わってきた。
「やっぱBBQはいいなぁ」と、僕。
「外で肉を焼くだけでどうしてこんなに美味しく感じるのかしらねぇ」と、さき。
「とにかく今は肉よ。肉。さぁ食べるわよ!」と、みか。
「タレ紙皿に入れといたよ」と、まい。
「ありがとうございます」と、かんな。
僕達は焼肉を堪能した。
一時間後。
「ねぇねぇ。次さけるチーズ焼いてみようよ」と、さきが突然言い出した。
「いいね。どの味が一番美味しいかな」と、ゆうか
「やっぱりガーリック味でしょ」と、みか。
「みかは本当ににんにくが好きだな」と、僕。
「にんにくはスタミナつきますからね」と、かんな。
「他にも色々焼いてみましょうよ」と、まい。
年甲斐もなく無邪気に盛り上がっていると、ひろとから痛烈な一言を言われた。
「お前ら本当にテンション高いな。大人気ないぞ」
「あっ……」
僕達は少しシュン……となってしまった。
「いや、元気があっていいと思うよ。お前らが楽しそうで呼んだ俺としても冥利に尽きるし」と、ひろとは慌ててフォローした。
人の家庭のバーベキューで大人気ないと言われるまではしゃいでしまった二十代後半男女。
その後もひろと主催のバーベキューを楽しませてもらったが帰りは少し反省会になった。
「大人気ないって言われちゃったね」と、さき。
「バーベキューなんてあんなテンションでいいじゃない」と、みか。
「私達おじさんおばさんになってもこのまま独身ではしゃぎ続けてしまうのかしら」と、まい。
「それは正直痛いですね」と、かんな。
「ちょっとシラけちゃったから、このまま飲み直さない? たかおの家今から行っても大丈夫?」と、ゆうか。
「構わないよ」と、僕。
こうして僕達は夜中までいつも通り宴会をして妹のりりに怒られるのだった。
「うるさーい!」