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6 元純真無垢な妹 りり
僕には十個下の妹がいる。
名前は盛岡りり。十年前、当時七歳のりりは髪をツーサイドアップにしており、僕と同様にやせ型でそれはそれは可愛らしく素直な妹だった。
「お兄ちゃん。今日学校の帰りに四葉のクローバー見つけたの。あげる」
「ありがとう。りり」
とにかく純真無垢な妹だった。
しかし十年後。
午後十一時三十分。
僕達はいつも通りどんちゃん騒ぎの宴会をしていた。
そんな中天井からドンドンと足で上階の床を叩く音が聞こえた。
「うるせぇ。バカ兄貴共! こっちは配信してるんだよ!」
あんなに純真無垢だった妹は、中学生になってから不登校に、現在もほとんど引きこもり気味のゲーム配信者になっていた。
時の流れは残酷だ。




