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1 元オタクな美少女転校生 さき


 西青山さきは紛う事無く美少女だった。


 サラサラで艶やかなストレートロングの黒髪に端正な顔立ち。


 身長は百六十六CMで脚が細長く、女子高生にしては抜群のスタイルだ。


 僕と西青山さきとの出会いは通学路の曲がり角だった。


 僕がいつも通り遅刻ギリギリであるにも関わらず歩いて登校していると、食パンを咥えて走り迫るさきと衝突してしまったのだ。


 ラブコメのテンプレとされているこのシチュエーションだがヒロイン側は朝食前に歯を磨いているから食パンを咥えているのか、あるいは歯を磨く時間もなく最低限の栄養補給の為に食パンを咥えているのか、などとうだうだ思索していると案の定テンプレ通り声をかけられた。


「いったーい。何なのよもう! あっ、ごめんなさい。お怪我ないですか!」


 逆ギレされなくて良かった。とはいえぶつかった拍子に僕のリュックのチャックが外れ、教科書や私物を地面にバラバラと撒いてしまった。


「あっ拾うの手伝いますね」


 さきは僕の教科書や私物を拾い上げた。その中にあった一冊のライトノベルを手に取ると何故かそれをじっと見つめた。


「これって最新刊ですよね! もう読みました? 私は昨日全部読みました!」


「うん。僕はまだ半分くらいしか読んでない。続きは学校で読もうと思って」


「そうなんですね。そういえば何年生ですか」


「二年だけど」


「あっ、タメなんだね。私は西青山さき。今日からこの学校に転入する事になったんだ」


「僕は盛岡たかお。転校は経験した事ない」


 後に彼女が同じクラスであると判明し、この一件がきっかけで僕達は仲良くなった。


 さきは僕と同じく漫画やアニメなどの二次元コンテンツが好きで将来の夢は漫画家だった。


 僕も僕とて当時漫画家のアシスタントを志していて、彼女の同人誌制作を手伝っていた。


 今でもさきは同人誌制作を続けていて僕も時々手伝っている。


 プロの漫画家とアシスタントは残念ながらほとんど諦めてしまった。


 僕は大学を卒業して現在、不動産会社の正社員。


 さきは大学卒業後も二年ほど漫画家を目指していたが、現在は僕と同じ職場に中途入社し契約社員をしている。


「ふぅ。仕事終わったー」


「おつかれ。私も仕事終わったから帰ろうか。このまま家行っていい?」


「ああ。構わないよ」


 今日の仕事終わりも二人仲良く一緒に帰り、俺の家で呑む事になった。


「「ただいまー」」


「おかえりなさーい」


 家に帰ると、幼馴染のゆうかが夕飯を作っていた。


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