チームからの追放、そして転機(IX編)
FireWars20、通称FW20は4人制のFPSゲーム。
アビリティやスキル等は無く、エイムや立ち回りで左右されるFPSだ。
日本でも海外でもプロリーグが開催されており、
アマチュアからプロまで様々なチームがしのぎを削っている。
「FW20 JAPAN CUP」オンライン予選へあと二か月を過ぎる頃、
侍Gamingでは、ある男が追放されようとしていた。
「IX…お前撃ち合い強いけどさ、孤立し過ぎなんだよ…」
リーダーのNisikiは連携を得意とするAR使いで、
綿密な連携を元に勝利を手にする事を得意としていた。
だがIXは撃ち合いが強く、テンポでキルを取りに行くので
Nisikiとは相性が悪い。
彼はそんなIXを追放し、自分が思うがままに動くチームを作ろうと考え、
今に至る。
「なんで?俺はチームの為に前線へ出て戦っていただろ?
俺がいなかったら前線が崩れて流れが…」
俺はNisikiに思った事を率直にぶつける。
このチームは俺がSMGで前を張れたからこそ、
チームとしての機能を維持していた。
「お前が一人で突っ込んで負けるせいで俺らに
火の粉が降りかかってるだけだろ!
今日でお前はこのチームから除外する!
ワンマンプレイでせいぜい頑張るんだな!」
Nisikiはそう俺に言ってチームから追い出した。
Nisikiのファンらを中心に、俺は「プロなのに一人で戦う馬鹿」
とネット上で罵られ、その影響か所属先も決まらず
途方に暮れていた。
毎日の日課の配信を始め、意気消沈しながらプレイしていると
あるメッセージが届いた。
——「俺がお前を最強にしてやるよ」
評価宜しくお願いします。
適当に頑張ります。