出会い
前回文章のまとまりがつかなく呼びづらい感じになっていたので中途完結で打ち切りした作品の改訂版です。
書き直してはいますがまだ読みずらい点はあると思いますが読んでもらえると嬉しいかな。
「カイルどこ~?」
「もう日が暮れるよ。降参するから早く出てきてよ。」
「お母さんに叱られちゃうよ~。」
「ほら~結局日が暮れちゃったじゃない。カイルが早く出てきてくれないからだよ。」
「かくれんぼの途中で、降参なんて言われても信用できるかよ。言葉信じてのこのこ出ていったら、見つかって負けちゃうじゃんか。」
「それはそうだけど、私お母さんに叱られるのはやだよ~。」
「ニア、あれなんだと思う?」
「もう話してる途中に言葉遮らないでよ。いったい何なのよ?」
「ほら、あの岩場の割れ目の奥に青く光ってるやつだよ。」
「どこどこ?」
「ほら、あの岩の割れ目の奥に光ってるじゃん。」
「本当だなんか光ってるね。取れるカイル?」
「うーん。あと少しで取れそうなんだけど手が届かないな。そこら辺から木の枝みたいなのを拾ってきて。」
「カイル、これでいいかな。」
「うん。」
「よし、取れた。」
「なんだこの黒くて丸い塊。石というより何かの金属かなぁ。ツルツルとしてピカピカしてて、なんか1ヶ所だけ青く光っていたんだけど、今はもう光ってないや。」
「うん、光ってないね。」
「お母さんただいま。」
「ニア。こんなに遅くまでどこ行ってたの?日が暮れるまでには帰ってきなさいっていつも言ってるでしょ。カイル君がついていながらちゃんと帰るようにニアに言ってあげてよね。」
「俺が悪いんです。ニアは帰るって言ってるのに俺がつき合わせちゃって。ごめんなさい。」
「・・・。もう。とにかく次からはちゃんと日が暮れるまでに連れて帰ってきてよ。」
そ俺はニアの母親にニアを怒らないように頼んで帰宅した。家に帰り、ニアを日がくれるまで連れ回してニアの母親に心配させたことを父に報告すると叱られた。
「カイル、お前ももう七歳だぞ。、もう少し頭を使って考えないとだめじゃないか。」
「わが名家の長男なのだから、しっかりしろ。それに街にある学校に通って知識をひろげてみたらどうだ。」
「・・・・。」(名家ってなんだよ。ただのしがない村長の家ってだけじゃないか。それに学校って。)
「お前がその気があるなら、入学の手続きもしてやるぞ。剣術を学んで先祖のように立派な騎士になれるかもしれん。入学するのなら少しでも早いほうが身につくことも多い。明日学校を見に行ってお前が気に入ればその場で入学手続きをしよう。」
「俺一人で?」
「当然じゃろ、他に誰が学校に行くんじゃ。」
「ニアとか。」
「嗚呼、ニアちゃんか。」
「ニアちゃんが学校へいかせるかどうかを決めるのはニアちゃん親御さんだからの。」
「いや、学校へ一緒に入学とかどうかじゃなく。どうせ街に行くのならニアもつれて行っていいんじゃないかなぁと。」
父親はニヤッとした笑みを浮かべて、
「そういうことなら、明日ニアちゃんの親御さんがいいというのであれば連れて行けばいいじゃろ。」
「うん、分かった。」
俺は部屋に戻りベッドの上に横になった。
(学校か・・・。街には剣術や算術や魔術を教えてくれる学校というものがあるのは知っていたけど、ここからは遠いので俺には関係のない話だと思っていたのに、見に行って決めたらいいと言ってるのは建前で、どうせ行きたくないといっても入学させるんだろうな、親父は。)
いつのまにか寝てしまったらしく、目を覚ますと朝日が窓から差し込んでいた。ポケットに違和感を感じ突っ込んで取り出すと、昨日拾った黒くて丸い塊だった。親指と人差し指で挟むようにして持てるくらいの小さな塊。しかも大きさの割には重さもある。
(嗚呼これか。昨日拾ったこれはなんだろう。それに昨日は散々だった。叱られるし、学校へも見に行かなくちゃいけなくなっちゃうし。)
そんなことを考えていると、突然持ってる球の一部が青く光を放ち、そしてすぐ消えた。
(また、光ったよな。これっていったいなんなんだ。)
「カイル、ニアちゃんが来てくれたよ。」
「はーい、いまいきます。」
慌てて持っていた球をズボンのポケットにしまって玄関へと向かった。
「母ちゃんなんでニアが来てるの?」
「昨日あんたがお父さんにニアも街に連れて行きたいって言ったんじゃない。だからメイドに朝からニアちゃんのところに迎えに行ってもらったんじゃない。」
「なるほど、それで俺のご飯は?」
「あんたが起きてくるの遅いから、先にニアちゃんが来ちゃったんじゃないの。」
「ご飯出来てたなら呼んでくれたらいいじゃん。じゃあご飯どうするんだよ。」
「いま包んであげるから、持って行って馬車の中でも食べたら。」
「わかった。そうするよ。」
父親が操る馬車に揺られ2刻半ほどが過ぎたころ、道の先に大きな街並みが見えてきた。
俺もニアも街に来るのは初めてだったので、見るものがすべて新鮮でワクワクする。ニアも楽しそうだ。
大きな学校の門をくぐると俺と同い年くらいの子らが、校庭で剣を振るったり、魔法を使ったりしている。
親父は建物の横に馬車をとめると、
「ちょっと中で手続きしてくるからおとなしく待ってなさい。馬車の近くならウロウロしてもいいがあまり勝手に動きまわるなよ。」
そう言ってて建物中に入っていった。
「手続きって、ほらやっぱり入学させる気満々じゃん。」
俺はニアと一緒に馬車から降りて、学校の建物の周りを物珍しげに見ていると3人の男子が近づいてきた。
「よう、田舎者がこんなところでなにしてるんだ?」
「田舎者にしちゃかわいい子連れてるじゃん俺に紹介しろよ。」
「ニアいこう。」
ニアの手を引っ張って、その場を離れようとすると、
「おい、待てよ。話しかけてるのに無視してどこ行くんだよ。」
1人が俺の肩を掴んで来たので、その手を払いのけた。
「先に行け。ニア。」
「いい格好してんじゃねえよ。」
とそのあと俺は囲まれてしまい、数の差もあり抵抗も虚しく防御一辺倒になっていると、
「あなたたち何してるの?」
という女の人の声が聞こえた。
「やべぇ、逃げろ。」
と言って走り去っていった。
若い女の人が、駆け寄ってきて、
「君、大丈夫?怪我してるね、治してあげる。」
とと言って、俺の身体の上に手をかざしてヒーリング魔法をかけてくれた。
傷がゆっくりと回復してゆく。俺は俯きながら助けてくれた女性に。
「ありがとうございます。助かりました。」
とお礼を言ったあと唇をかみしめながら、馬車に向かって歩きだした。
「君ちょっと待って。」
と声をかけられたが、悔しくて涙が出てきてその呼びかけに答えられず、そのまま馬車に戻ってしまった。
その後ニアが話しかけたり、戻ってきた父親が何か言ってきていたが俺はほとんど耳に入らず、その日は気分が乗らないからと街の見学も中止にしてもらった。
家に帰っても俺の気持ちは沈んだままで、何もする気が起きず母親に、
「今日は晩メシいらない。もうねるよ。」
とだけ言って自分の部屋のベッドの上にうつ伏せになり、昼間の無力な姿を思い出していた。
(俺って弱いなぁ。なにもできないんだな。 情けない・・・。)
手を額にあてながら仰向けに寝がえりをうった時ポケットの中の丸い球の事を思い出して取り出した。
取り出した球は漆黒に輝きその一点から鮮やかなブルーの光を放っていた。
(やっぱりこの球たまに光るんだよなぁ。これはいったい何なんだろう。)
とか考えながら見ていると、青く光を放っている部分とはまた違う部分が赤紫色に不規則に点滅を始めた。
(何なんだこれ。)
気味が悪るいとは思うが、見てると綺麗なのでそれを手放すことはしなかった。
(魔法の球とかだったらいいのになぁ。)
俺は魔法が苦手だった。魔力がないということではないとは思うが、魔力のコントロールの仕方がいまいちよく分からず詠唱してもほとんど効果が出ないので、あまり使うことはない。剣術も誰かに習ったとかいうこともなく、まともに振ったことすらない。
(剣術や魔術なんてなくても生きていける。と今日まで思っていけと、それじゃダメなんだよな。今日はニアには被害は及ばなかったが、自分はコテンパンにやられて、あそこで人が来なかったらニアもどうなっていたか分かったもんじゃない。いざという時守りたい人守れないなんて情けないよな。)
俺は自分の力のなさを痛感し、光る球を見つめながらこれからどうするべきかを考えていた。
突然窓の方からコツコツコツと音がした。
俺が窓の方を見ると窓の外の窓枠のところに何かがいるのが見える。
(小型の鳥のようだが形が違う。小型のドラゴン?ドラゴンがこんな人のいるところに村落に表れることはほとんど無いよな。でもあれってドラゴンだよな。)
ベッドから起きて恐る恐る近づいて確認してみると、見たこともないドラゴンだった。
ドラゴンと目が合った。そのドラゴンは目が合ったあとも逃げることなく窓を嘴の先で割れない程度につついている。
(窓の突き方からして攻撃的な突き方はではない。どちらかと、少し突いてはしばらくこちらの出方をうかがっているような感じだ。窓を開けても大丈夫なのだろうか。)
(攻撃する気があるのなら最初から窓を割って入ってくるよな。)
意を決して、窓を開けるとそのドラゴンはゆっくりと中に入ってきた。そして唐突に、
「それは私の物だから返して。」
(えっ?喋った?)
「えっ、えっ、どれのこと?ドラゴンって喋るの?」
俺は動揺しながらも、ドラゴンに返事をした。
「あなたが右手に持ってる物よ。」
「お前ドラゴンだよね、なんで話せるの?それにこの球ってなんだよ。」
「それは私だよ。」
「はっ??? 何言ってんの、意味わかんねえよ。」
「それ私の大事なものなのよ。あなたが持っていてもなんの役にも立たないものよ。代わりに私に何かできることならしてあげるから返して。」
「できることってなんだよ。」
「うーん。私も目覚めたばかりでこの世界のことよくわかってないから、何ができるかって言われてもわかんないわ。」
「そんな曖昧なことじゃ返せないよ。」
「うーん、困ったなあ。」
「俺だってわけわかんなくて困ってるよ。」
「じゃあお互い納得するまで、私はそばにいるから、君のして欲しいことが決まって、それが出来ることならしてあげるから、それで満足できたらそれ返してよ。」
「わかったよ。俺を襲って奪うなよ。」
「お、襲わないし奪いもしないわよ。」
「俺、カイルってんだ。お前は名前あるのか?。」
「私はミスミ。」
「お前いったい何もんなんだ?話するドラゴンなんて聞いたこともないし見たことのない。まぁ、そもそもドラゴン自体に詳しくないから話すのも当然なのかな?」
「さぁ、ドラゴンのことなんて私も知らないから。」
「ドラゴンじゃないならお前は何だよ。」
「私はアンドロイドだよ。」
「アンドロイドってなんだ?」
「人が作った機械、ロボットかな。」
「機械?ロボット?なんだよれ余計意味わかんねえよ。」
「そういうのがわからない世界なのかここは…。」
「なんだって?」
「いやこっちの話よ。何でもない。」
「あ、それとさ、出来たらちょっと君に手伝ってほしいことあるんだけど。明日とか手伝ってもらえないかな?」
「別に時間はあるけど面倒なことなら手伝うのは嫌だぜ。」
「うん。そんなに面倒なことじゃないよ。(ん、やっぱり面倒かなぁ、まあ上手く連れ出しちゃえば何とかなるよね。えへ)」
「結局お前も、この球の何なのかよくわかんないままじゃん。」
「本当に俺を襲うなよ。」
「だから襲わないって、襲って私になんの得がある?」
「俺が食える。」
「そんなまずそうなもの、食いたくない。」
「誰がまずそうだ。」
「カイルだよ。」
「まあ、よろしくな。お前が来てくれて助かったよ。実は落ち込むことがって沈んでいたところだったんだ。お前と話していて少し気が楽になったよ。」
「それはよかった。でも私をお前お前って呼ぶんじゃないよ。私の彼氏でもないくせにさ。これからはミスミ様とよびなさい。」
「お前性別はメスか?」
「メスって、レディに対して失礼ね。女性ですかとかまた他にも言いようあるでしょ?それに「女か?」ってみればわかるでしょ。」
「いやわかんねえよ。」
「この姿じゃわかんないよね確かに、あはは。」
「お前変な奴だな。」
「だからお前じゃなくミスミ様だって。」
「ミスミ様ってどっかの女王様かよ。ところでレディつてなんだ?」
「はぁ、もういいわ。」
そんなやり取りしている間にいつのまにか夜が更けていった。