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第4話 新しい家庭教師

 まずいまずいまずい!

 私どれだけぼーっとしてたんだ!

 馬鹿は死ななきゃ治らないっていうの本当だったかもしれない……

 でもそんな一年のこと考えると、とりあえず先に「異国語を」を咄嗟に言っておいたのは良かったのかな? 

 新しい家庭教師も三ヶ月じゃなく、もう少し早く来ることになると思う。

 とっさに出たのは「逃げるなら必要かも!」だったんだけど。

 お父様は二、三日滞在して、戻っていく。するとお母様はこれで一週間くらいは寂しくて閉じこもっているはず。いつもそうだった。

 となれば、新しい家庭教師が来る前に、これからの方針と、気をつけることを考えなくちゃ。



 果たして十日くらいで新しい家庭教師は来た。

 ただ前と違ったのは。


「初めましてお嬢様。ハルゲルド・ゲルトと申します」


 若い男だったということ。

 二十代。だけど三十までには少し間があるかな。

 村の男の人とはちょっと違う、細くて長身。それに黒髪と黒目。

 ここいらの人々は皆色の薄い髪と目をしているので、それだけでもとても目立つ。

 かく言う私とお母様はここいらの人達よりは少し濃いめの金髪と青紫の目をしている。

 あまり表情の変わらないひとだなあ、というのが第一印象。


「はじめまして。マイアレーナ・リンスカヤです。失礼ですが、変わったお名前ですね」

「自分は隣のザマンラントの出なので」


 ああ、と私もお母様もうなづいた。ザマンラントは私達の国の西にある、一番近い「隣」だ。

 私達の国は結構広い。だから隣の国というのはあちこちにある。その中でも今住んでいる北の地に一番近いのがザマンラントだ。


「お嬢様には国を囲うザマンラント、アウスラント、パラント、それに社交界の共通語であるランシャー、四カ国の言葉をお教え致します。それとその地理と歴史を」

「ありがとうございます。私もちょうど知りたいと思っていたところでした」

「まあ! マイアがそんなこと言うなんて…… やっぱり十五にもなると変わるのね……」


 お母様、涙ぐむほど私そんなに酷かったですか…… いや酷かったか。仕方ない。


「今までの先生と時間の調整はこちらで致します。少々厳しくなりますがお覚悟を」


 そしてにっ、と口元を上げた様子は何となく悪魔を思わせた。

 まあそれはあまり間違っていなかったけど。

 さてこのひとは敵か味方か。

 お父様が帰ってから、やっぱり一週間ほどお母様は部屋に閉じこもって、食事も運び込ませて鬱々としてたから、その間私も一人、色々考えてた。

 その中で一番大きな、そしてあまり信じたくないものごとは。

 お父様があの爆発するプレゼントを送ってきたとしてもおかしくはないということ。

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