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第3話 そう言えばこの一年は

 その後の話も、私は国内の安全な貴族に嫁がせたいのはやまやまだがもしかしたら国外に、とか、未だに昔のことを覚えているだろう、君が妃の手の者に襲われたこととか、とか物騒な…… 物騒なこと仰有ってる……

 私はよろよろと、それでもそぉっと部屋に戻って、ともかく頭を整理しようと思った。

 お父様達が二人でお芝居している?

 うん、それが一番気楽な考え。でも私一回死んだのよ! としたら、より物騒なほうを考えた方がいいよね!

 よし、とりあえずお父様が国王陛下としとこう。間違ってたらその時。

 その上で私の十五歳の一年を思い出してみよう。

 私の誕生日は五月。まだまだ外がひんやりとしてる。

 でも外で遊ぶにはいい時期だから、家庭教師の先生に怒られつつも、村の友達と近くの森や林、湖の方へ行ってた。

 咲き出した色とりどりの花を摘んだり、だいたい冬閉じ込められる地方だから、もう力一杯…… 

 あ、でもそろそろ結婚がーとか隣村の何とかさんがー、とか親がー、とか言う子が増えてきてた。

 私は友達よりは確実に裕福な暮らしだったけど、それでも皆出稼ぎに行ってお父さんがなかなか戻ってこない寂しさとか、この地方特有の刺繍や編み物とか、そういうことは話ができたし、仲良くやってこれた…… と、思う。たぶん。

 ……うわ、ちょっと自信無くなってきた。

 でも確かにそう。

 お父様が一年に一度しか来ないのにあまり不思議だと思わなかったのも、村の子達もそう変わらない生活をしてるからだった。

 ちょっと裕福で病気がちなもと歌手のお母様と一緒に移り住んで慎ましく暮らしている家。私はそう思ってたし、たぶん周りの子達もそう感じてたと思う。

 向こうは家の手伝いが大変ー、と言って、こっちは先生が来て大変ー、と違うことだけどお互い遊べなくて大変だよね、とか。

 そもそも村に家が少なかったし……

 ……

 ……

 あれ?

 ちょっとは疑問を持とうよ自分。

 それで確か、同じ歳か、一つ二つ上の子達がだんだん減っていったんだ。それで何かつまんなくなって、家でお母様とピアノと歌の練習をそれまでよりよくする様になったんだ。

 だけど三ヶ月くらい経った時、急に家庭教師が替わったんだ。それで突然礼儀作法とか、他国の歴史とか、ダンス、それに異国の言葉を一気に詰め込まれたんだ。

 だけど私の頭はそういうのが一度に詰め込める程よくない。歌やピアノの譜面だったら、初見でもある程度何とかなる。だけど他のものは本当に難しかった。

 あ、そうだ。その時の新しい家庭教師がもの凄く憎々しい感じだったんだ!

 教えてくれることは真面目なんだけど、いつも何かここに送られたことを嫌がってた気がする。

 その家庭教師の授業が忙しすぎて、なかなか村の友達とや知り合いと話すことができなくなって。

 新年のお祝いの夜なんか、参加しても「あんた来たの?」みたいな感じで。

 それでまた家に引っ込んでしまって。

 五月までそんな感じだったんだ!

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