夏の初恋
閲覧ありがとうございます。
僕の初恋は残念な形で終わった。
これは僕の甘酸っぱく切ない夏の話――――。
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僕の初恋の相手はずっと前からの幼馴染だった。
明るくて優しいポニーテールの良く似合う
向日葵のような青木 佳奈と言う少女だった、
僕らは昔から家が近いのもあり
一緒にいることが多かった、
最初はただの友達だと思っていたのに
中学に入った頃から異性として意識するようになった
でも告白する勇気もなく、
ずっと興味のないただの友達のふりをした、
恋人になれなくてもそばにいるだけで良かった、
あの太陽のように眩しい笑顔が見れているだけで良かった、
あいつは昔は泣き虫で臆病なやつで、
いつも僕に泣きついてきて、
僕がいないと何も出来ないダメなやつだった、
だからこれからも一緒にいられる、
そう思っていた、、
でもある日気付いた、
あいつは俺の思ってる以上に成長していたんだ、
もう僕がいなくても大丈夫なくらいに、、、、
高校2年生になった頃、クラスが離れて、
話す機会が減った、
いつも僕を頼ってくれていた臆病で泣き虫なあいつは
もういない、
あいつは確実に変わった、
出会った頃よりも眩しく輝いていた、
そんなあいつをみて僕は気付いた、
そうか、僕があいつがいないと何も出来ないダメなやつになっていたんだ、
僕も変わらないと、前に進まないと、
その日僕は佳奈と毎年一緒に行った海へ向かった。
そして誰にもきこえないくらいの声で
「ありがとう、佳奈、
大好きだったよ、さよなら、」
そう一言呟いた、
夏の終わり、蝉の声がやけにうるさく聞こえた、
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そして月日は流れた、
僕の初恋が終わってから何回目かの夏が来る、
向日葵を見ると今もあいつの事を思い出して
胸が痛くなる、
今もあいつは元気にやっているだろうか、
きっと元気にやっているだろうな、
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これから僕は何回目かの夏を迎える、
今年の夏は久しぶり海を見に行こう。
閲覧ありがとうございました。