#5合宿~1日目~(其の壱)
いつもより少し短めになりました。
棚田と飯を食った日の夜に俺はキルに電話していた。
「もしもし。」
「もしもし。」
「キル。質問なんだが。今回の合宿に妹を連れて行っていいか?」
「妹って。君は関係の無い人を巻き込む気なの?」
「妹は異能力者だ。この戦争のことも知ってる。」
「なんで?別のチームにでも入ってるんじゃないの?」
「入ってない。まあ詳しくはまた話す。今は連れて行っていいか答えてくれ。」
「まあいいわよ。」
「分かった。ありがとう。」
光に言っとくか。
合宿当日になった。
俺たち5人(まあ光もいるが)はキルの家の前に立っていた。
なんて言うか普通の家だ。
棚田がインターホンを押した。「はーい」と声がして、キルが出てきた。
「みんないらっしゃい。さあ入って。」
全員が入っていく。俺が入る時にキルが声をかけてきた。
「で、なんであなたの妹が能力を持ってるの?」
「話すと長くなる。夜とかでいいか?」
「じゃあなんの能力か教えて。」
「光の能力は超能力者。読心術、サイコキネシス、瞬間移動が使えるようになる異能だ。」
「なんか聞いたことあるような。まあいいわ入って。」
俺も家の中に入って全員にキルが言った。
「部屋は二階にあるから。女子部屋か男子部屋かはプレートがかけてあるわ。荷物を置いてきて。」
「「「了解」」」
「「分かりました。」」
コクッ
俺たちは二階の部屋に荷物を置いて1階に集まった。
「全員いるわね。」
俺たちを見回して、キルは言った。
「まずはこの精霊戦争についてしっかり説明しておくわ。」
「まずこの戦争の意味は知ってるわね。」
「精霊が始めた遊びみたいなやつだろ。」
園崎が答える。
「そうよ。そしてこの戦争で優勝すると1つ願いを叶えてもらえるわ。」
「マジか。」
「マジよ。」
「次は異能力について説明するわ。」
「異能力は精霊が作り出す能力で、人に宿ると、命の代わりになるわ。だから戦争で死んでも生き返るの。」
「質問。つえー異能力とかあるが、有名どころとかあんのか?」
園崎が聞く。
「あるわ。有名どころは禁忌と呼ばれていて、毎回1つずつ増えているわ。あとは神のみぞ知る世界と呼ばれるふたつの異能。このふたつは、賢者と呼ばれた精霊、オルセイア・カルスケラが最後に作った異能。今いる禁忌にふたつで対抗出来る程の能力があるわ。」
「へー」
「しっかりってほどしっかりじゃねえな。」
「まあそうね。質問は?」
誰も言わない。
「無いようね。じゃあ、次は模擬戦闘をしてもらうわ。2チームに別れて。」
「俺と光と麗でいいんじゃないか?別にバランス崩壊してないし。」
俺が提案した。
「いいと思うぜ。」
そのわけ方ですることになった。
「じゃあ戦場に行くから着いてきて。」
そう言うとキルは階段に向かった。
「そういやこの地下気になってたんだよ。」
「この先が戦場よ。」
階段を下りるとそこは大広間になっていた。
「ここから戦場に飛べるわ。この戦場では致死量のダメージを受けるとこの大広間に戻ってくるわ。舞台は廃れた市街地。前の荒野より建造物が多いわ。」
「へー」
「じゃあ準備が出来たら、神城くん棚田さん妹ちゃんは右の、園崎くんと篠原さん花咲さんは左の魔方陣に立って。自分の異能について質問がある人は聞きに来て。」
全員魔方陣に向かう。
俺は
「俺の能力って1回作ったものをすぐ出せないのか?」
と聞いた。
「3つまでは名前を付ければ出せるわ。」
「サンキュ。」
俺は魔方陣に立った。
「じゃあ飛んでから5分後に開始するわ。私は上から見てるから。」
「転移!」
2度目の浮遊感とともに視界が白く染った。