#4戦間
実は今日は終業式だ。明日から夏休み。実は俺達が異能ゲーム部に入ったのが7月の最初の方だ。俺達の初戦は終業式の2週間前だ。俺は学校が好きでも嫌いでもないからとくに何も思わないがな。何も思わないがな!
「お前達。明日から夏休みだが、あんまりはしゃぎすぎんなよ。以上。」
うちの担任はなんでこんなに適当なんだ?委員長の挨拶の後学校をあとにする。うちの学校は終業式の後は原則部活禁止なのだ。
家に着く。光は絶対に家にいる。不登校だしな。
「ただいま。」
「おかえり、お兄ちゃん。」
「おう。今日は何してたんだ?」
「別に撮りためてたアニメ見てただけだよ。アニメはいいよね。心の声聞こえてこないし。」
「理由が分かりにくいぞ、それ。」
「ていうか、お兄ちゃんいつまで制服なの?」
「忘れてた。着替えてくる。」
まあ光もいつも通りのようだし良かった。あのことは伝えた方がいいよな。着替えてから戻ると。
「お兄ちゃんあのことって?」
「光、お前また勝手に俺の心読んだだろ。」
「そうなるね。でなんなのあのことって?」
「俺も、精霊戦争に巻き込まれたんだよ。能力は天下夢想。俺達はもう、一度試合に勝ってる。」
「ていうことは、お兄ちゃん人殺しちゃったの?」
「1人な。降参してもらいたかったんだかな。してもらえなかったから仕方なく。」
「そうなんだ。」
「もっと早く言うべきだったんだが。ごめんな。」
「まあ知ってたけど。」
「心を読んだのか。」
「うん。」
「晩御飯、もうそろそろ時間だろ。」
「そうだね。」
飯はだいたい光が作ってくれる。家にいる時間アニメが無くなったら飯作る練習してるらしい。だから結構光が作る飯は美味しい。
「出来たよ。誰に解説してるの?」
「またか。誰でもねえしなんでもねえよ。」
今日はうどん作ったのか。
「相変わらず美味いな。」
「んー?ありがとう。」
もう食い終わった。
「ごちそうさま。食器は洗っとくぞ。」
「あっ、うん。」
洗った後に部屋に戻る。
「どうすっかな。やることもねえし。明日本屋にでも行くか。」
「光、本屋に行ってくる。昼飯は食って帰ってくる。」
「分かった。行ってらっしゃい。あっ。あの漫画の続き買って来て。」
「りょーかい。」
いつも行ってる本屋にでも行くか。
着いたが何買うか。とりあえず光の欲しい漫画を買うか。
光は意外に少年漫画が好きだ。コーナーに着くと、ずっとキョロキョロしてる奴がいた。
「棚田、何やってんだお前」
目の前の不審者がビクッと跳ねる。
「だ、誰のことかしら。」
「いや、バレてるから。」
「ワ、ワターシーニホンゴワカリマセーン。」
「黒髪のカツラ被って変装しながらよく言うな。」
棚田は金髪だ。ハーフだからな。
「そういうあんたオッドアイ隠せてないわよ。」
「マジかカラコンつけ忘れてた。」
「てかお前まだ隠れオタクやってんのか。」
「いっいいじゃない別に。」
「悪いとは言ってねーよ。」
「あんたは何しに来たの?」
「本買う以外に何しに来ると。」
「何買いに来たの?」
「光に言われて漫画。」
「あんたの分は?」
「適当に買うさ。」
「一緒にまわらない?」
「お前の後ろの漫画取りたいんだが。」
「ごっごめん。」
目的の漫画を手に取る。
「これからラノベコーナー行くけど来るか?」
「うん。」
なんだコイツ急に無口になったな。
「おすすめのやつとかあるか?」
「ラブコメならこれ。バトル系ならこれかな?」
「ならこれで。」
「私に聞いといて2つとも買わないの!?」
「まあこれ前々から気になってたからな。」
「私に聞いた意味ある?」
「お前は買わねえのか?」
「か、買うわよ。」
俺達は会計を済ます。
「このまま飯でも食うか?」
「ええっ!?それってデートみたいじゃ?」
「嫌か?食いに行くの?」
「べっ別にいいけど。」
「じゃああそこでいいか?」
俺はファミレスを指さす。
「うん。」
席についてメニューを開く。とりあえず俺はカルボナーラを頼むか。
「決まったか?」
「うん。」
俺は店員を呼ぶ。
「ご注文をどうぞ。」
「俺はカルボナーラで。」
「私も。」
「カルボナーラ2つでよろしいですか?」
「はい。」
「今ならカップル限定でパフェが半額ですがどうですか?」
「うーん。食後に決めるので、とりあえずカルボナーラだけで。」
「かしこまりました。」
店員さんが厨房の方へ行く。
「棚田。」
「はっはひ!」
「お前どうしたんだ?」
「なっなんでもないわよ?」
「店員さんが言ってたカップル…」
棚田がビクッと跳ねる。
「パフェ食うか?」
「でっでも私たちカップルじゃないし。」
「嘘つきゃいいんだよそんなの。」
「なっならいいけど。」
「じゃあ後で頼むか。」
やっとカルボナーラが来た。
「うーん。まあ美味いけど光が作るやつには負けるな。」
「あーはいはいシスコン乙。」
雑談してると食い終わっていた。
「パフェ頼むか。」
俺は店員を呼ぶ。
「このカップル限定パフェお願いします。」
横で棚田がカップルって言葉に反応してたが。何故だ?
「かしこまりました。」
店員さんが厨房の方へ行く。
その時俺と棚田の携帯が同時に鳴る。
「メールか。」
「キルからね。なになに『三日後に私の家で合宿する。』合宿って何かしら。」
「まあいいだろ。俺は参加するぜ。」
「私も。面白そうだし。」
「どうぞパフェです。」
「スプーンなんで1個なんですか?」
「あーん でもなんでもしといてください。リア充死ね。」
店員さんが去り際になんか怖いこと言ってた気がした。何も聞かなかったことにしよう。
「お前一人で食っていいぞ。」
「えっ!?あ、ありがと。」
結構な勢いでパフェが減っていく。こいつスイーツ食うのは速いんだよな。
「ごちそうさまでした。」
「もう食ったのかよ。早!」
「いいじゃない別に。」
「解散にするか。金は払っとく。」
「えっいいの?悪いよ。」
「一直線にドアに向かいながら言うなよ。」
俺は会計をする。
「えーっとカルボナーラ2点とパフェと。リア充かよ死ねよ。」
やっぱこのファミレス怖!
外で棚田に別れを告げて家に帰る。キルに光も参加できるか聞いとくか。