鞄作りのための素材集め3~お肉が…お肉の悪夢が…~
今日は更新かなり遅くなってごめんなさい(>_<)
-----薄暗い森の中気配を魔術で隠し、じっと何かみつめる影が2つ----
それは、私事、ユーステミア・フェリウスとクリムゾンである。
じっと、みつめる先にあるのは森の中にはいってから何度かやっている素材集めのための獲物。
私の目からみて、目測5㎞先くらいに鹿のような見た目でありながら体毛が光輝いているおそらく聖獣が水を飲んでいるのを見て、警戒心を解いていると判断して今度は何も想像せず、ただ魔力を通常より多く練り込みながら私は詠唱を開始した。
「『我が手にあるは、少量の冷気』『それは形を持たず、留まる事を望まない』『ならば、我が敵を凍え、氷像にするために解き放たれよ!』氷弾!」
そして、私の左手から通常の『氷弾』よりも多少大きい1㍍くらいの冷気の塊が通常の速さよりも、速い速度で飛び出しているが流石、聖獣というべきか呪文の途中から魔術の発動を感知して『氷弾』の速さを上回る速度で此方に駆けながら『氷弾』を見据え、鹿の鳴き声が深々とした森の中に響いた瞬間---今までを遥かに凌駕する速度で『氷弾』を横の木に飛び、その木を粉砕する勢いで蹴り、前にでるという荒業で回避するというテクニックをくししてから止まり挑戦的な目をむけてきた。
が、こんな曲芸程度では私もクリムゾンも驚かない、先程のあり得ない速度を実現させたのは魔術の一種である、呪術『身体強化』だ。
普通、獣が魔術を使ったら驚くらしいのだがこの森の表層程度ででてくる魔物はともかく中心に進めば進むほどこういう魔術を使う魔物や聖獣がでてきてもう既に何度か戦闘をしているし、そもそもゲームでは大抵の魔物はスキルを使っていたので、やっぱり使うんだ、と思う程度だ。
だが、通常の者ならここで新たに呪文を詠唱して魔術を使うか、逃げ切れるわけがないが逃げ出すのが普通らしい。
だが、それは通常ならの話であり、私は勿論、クリムゾンには何の問題もないし、そもそも私の魔術はあそこで終わったが私の魔法はまだ終わっていない。
パチン
そうやって、私の指を弾いて鳴らす音が今度は森に響いた瞬間--聖獣の背後に抜けたはずの『氷弾』が弾け飛び聖獣が驚愕している雰囲気がみえ、それを最後に聖獣は凍りつき凍死した。
「ふぅ…」
僕はここで、緊張をといて思考をもとにもどした。
と、その時横で戦闘を間近でみていたクリムゾンがパチパチと拍手をしながら
「うむ、やはりユーステミアの戦闘は見ていて清々しいものがあるな。あの聖獣は脚の速い事で有名なのだが流石だな」
と、評価しながらまた頭を撫でてきたのだが実はこの森にはいってから何度もされているので流石にというか、多少赤くなる程度までに耐性はついたのだがやはり恥ずかしい。
なので
「い、いえそれほどでもありませんよ。あととりあえず分解しておきますね、『分解』って……またですか…またなのですか……」
また、逃げるように『分解』をしに行ったのですが…
「そんなに謙虚になる必要はないとおもうだがなあ…。と、確かにまただな…。あー…というかな一様これとかは高ランクなんだから落ち込む事ではないんだからな?」
「ええ…わかっていますよ…。わかっていますがね…。何でこの森にはいってから肉系のアイテムばかりのこるのですか!?私達が今ほしいのは毛皮等の鞄に必要なものではないですか!なのに何でお肉なのですか!?皮はどこにいきましたかー!!」
そう…そうなんです…
記念すべきゴブリン以外の魔物との戦闘以降全ての獣類を『分解』して残るのは強ければ強いほど落ちる確立が低くなるはずの肉系アイテムなのです……
「お、落ち着くんだ、ユーステミア!」
と、少しクリムゾンに止められるくらい感情が高ぶってしまったので落ち着くために今までの悪夢でも思い返しましょうか。
◇◆◇◆◇◆◇
そもそもの話、僕がゴブリンにたいして使っていたのは魔術ではなく、魔法だという事を森にはいった時に正気に戻っていたクリムゾンに聞いたところからはじまりました。
魔術は、そもそも想像をせずに呪文を理解し、詠唱する事により発現させる技術のことで、その大部分を修得し、その根源を理解する事によって新しいものを造り出したり既存の魔術を改変するための法則が魔法だとクリムゾンがいい終えた瞬間にさあ、試し撃ちの時間ですよ、と誰かが言っていそうなタイミングで魔物が表れそく実戦になりました。
その魔物は人喰いウサギとかいうゲームでも登場した魔物で、普段の可愛いまさにウサギというような見た目から攻撃する瞬間にだけ変わる子どもなら泣いて逃げ出しそうな通常あり得ないだろう大口をあけて、普通ないであろう毒の牙を覗かせて襲ってくる様はただの恐い見た目の魔物より恐いというある意味恐ろしい魔物です。
そこで、僕は先程のクリムゾンの説明の大半はよくわかりませんでしたが、感覚的になんとなくわかった気がしたので試しに『氷弾』をそのまま使ってからあたる直前にあの『氷弾』に干渉するイメージをしながら、指を弾いて鳴らすのを条件にその場で拡散という想像してから素早く指を弾いて鳴らしたら想像通り拡散して人喰いウサギは凍りつきました。
これは、先程の鹿の聖獣にも使った魔法ですね。
暫定的に『閃光』と名付けておきました。
クリムゾンいわく文字には意味があるそうで、必要らしいです。
まあ、言霊使いって職がありますしね、ああ僕は勿論クリムゾンも全スキル修得済みですよ?
それはともかく、初めて意識的に魔法が使えた事に僕は子どものように笑顔でピョンピョン跳ねて喜びました。
だって魔術もそうですが魔法ですよ?
魔術は論理的なんたらの技術だとかよく小説で言われますが魔法は奇跡らしいですからね。
あ、僕の精神が見た目に引っ張られてこういう事をしたとかではないと思いますのでまだそこらへんの事は大丈夫だと思います。
ええ思わせてください…
そしてここから悪夢は始まっていたのです。
先程倒した、人喰いウサギに対して『分解』を使ったら☆4のCランクアイテムのそれなりのお肉が落ちました。
その時は日本人ですからね、食べたことのないウサギ肉です、それに今更ながらこの世界ミレニアに来てから半日も何も食べてない事に気づきまして素直に喜び、ただ魔術で焼いただけの味でしたが美味しくいただきました。
そして、それでも流石にウサギぐらいの大きさのしかもちょっと少なくなったお肉ですからね、いくら…僕も今は女性ですから女性2人の食事としても2人で分けたら物足りないものですから次に狼系の魔物のツインウルフという双頭の狼でしたが先程と同じように氷付けにしてから『分解』をしたら今度も☆5のお肉がでましたので美味しいかはともかくいただきました。
そして、流石に前世?よりはかなり早く僕はお腹も膨れましてクリムゾンはまだ食べられると言っていたので僕は女性としてもあまり食べられない方のようでした。
なので、次にでてきた今度はただの獣で熊でしたが魔法を使うとオーバーキルなので魔術だけで倒して、『分解』したところ今度は☆6のBランクの熊肉が落ちました。
ただ、今回は大きさが大きさのためか3つほど落ちまして簡易アイテムいれと化している魔封じの網の中にクリムゾンが上手く調整して武具と防具の間に収納スペースをつくりだしましてそこに2つだけ入れて1つは熊肉は上手く調理すれば美味だと聞いた事がありましたのでゴブリンの武具にあった剣を簡易的なナイフとして使って一切れだけもらい残りはクリムゾンに渡しましたが、とても美味しかったです。
はい、そこまではよかったのです…
そこまではよかったのですがね…
次にでてきたのは、そろそろ森の深い所に来たんでしょうかね?
結界のようなものがありましたが、この世界の管理者らしいクリムゾンの力で破壊せずに通り抜けました。
あ、クリムゾンがいろいろな事を微妙に知らなかったのは管理はしてますが基礎を造り出してからは歪みがないよう調整してあとはこの世界の人類などに最近までは干渉をせずにいたらしいです。
というか他の神様のせいで干渉が不可能だったようです…
まあ、僕のために今はバンバン干渉しているらしいですがね。
それはともかく、でてきたのは魔物の中でも上位の個体であるコカトリスでした。
この魔物は、石化の魔眼と石化のブレスというプレイヤーには魔眼はともかくどうやっても入手できない魔術を使えるという意味ではなかなか面倒な魔物だったのですがこれは魔法を使って遠距離から目を会わせないように気をつけつつ倒したのでまた『分解』を使ってみたところ今度は☆3程度でしたがゲームでもみたことのなかった、というか食べられるのかもわからないコカトリスの肉というものがてにはいったのです。
この時点で、流石に何かおかしいなと思いクリムゾンに言ったのですか
「うむ、確かにそんな気もするがそもそも皮より肉が落ちる方が稀なのだが…。ユーステミア、君は変に幸運のようだな」
と苦笑されてしまいました。
まあ、流石にこの後は似たような展開なので割愛しますが…
その後は10回くらいですかね…
聖獣やら魔物やらを、あったらみつかる前に叩くという戦闘方々を確立してしまって今の現状にもどるのですよ…
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「…ん、そろそろ落ちついたか?ユーステミア」
と、僕が悪夢も思い出してようやく気分が沈んだせいか落ち着いたのを確認してからクリムゾンは多少安堵したようだった。
その表情をみてクリムゾンに迷惑をかけてしまったと思い少し心が痛みます…
「ええ、落ち着きました。迷惑をかけてごめんなさいクリムゾン…」
「いや、気にしなくていい、ユーステミア。そもそも私でもこの量の肉類ばかり落ちる現状は八つ当たりしたくもなるしなあ…」
「そう言ってくれるとありがたいです、クリムゾン…。それで、もう少ししたらあの樹木があるのは確実なのですか?クリムゾン」
と、クリムゾンが、慰めてくれたのでありがたく思いつつ先程僕が悪夢を思い出している間に言ってくれた事にたいして質問しました。
「うむ、あのこの場所にはいる前にあった結界といい、この聖水になっている滝と湖といい確実にあるだろうな。というかここはどういうところだったかな……?」
と、質問にたいして結構具体的な返答がきました。
最後のはクリムゾンが基礎を創った時に大体どういうところだったか思いだそうとしてるんでしょうね、ですからそれは流して先程気になる事を聞いたのでそちらに興味が引かれました。
「聖水、ですか…?この湖がそうなのですか?確かにここに近づくにつれて聖獣しかみかけられませんでしたが…」
ちょっと触れてみたくなりますね…
と、好奇心にかられて手を伸ばしかけたのですが……
「…やはり彼処かなあ…。ってユーステミア!それに触れてはだめだ!」
「え?ってわわわ!」
と、言う焦りの声とともに後ろにおもいっきり引っ張られて尻餅をついてしまいました…
いったい、いきなりなんだというのでしょうか?
「ふぅ…。まったく、やはり一人にするのは心配だな…。…というかな、ユーステミア。君は今、吸血姫だというのを忘れてはないか?この純天然の聖水にふれたら分類的に今は魔族である君はそのHPのほとんどを削られるか全損して消滅する可能性がかなり高いんだ。あまり心配させないでくれ…」
と、最後の部分は本気の口調と顔で言われ少し顔が青ざめました。
転生初日に知らずに触って消滅しちゃいましたは笑えなさすぎます…
そうして青ざめたまま立ち上がれないでいるとクリムゾンが抱きしめてきて
「そんなに不安にならなくてもいい…。不安なところは私に頼ればいいんだから、な?」
と、頭を撫でながら言われてまたドキドキしてしまいました。
こ、これは女性に抱きしめられたからドキドキしているのに決まっているのです…!
僕はまだ大丈夫なはずです……!
「え、えっとあ、ありがとうございます、クリムゾン!と、とりあえず滝の上の方かも知れませんし崖しかみえませんが近づいてみましょう!」
「フフフ…。やはりユーステミア、君はかわいいな。うむ、行ってみるか」
と、恥ずかしさとかなりのショックをはね飛ばすように大声で言ってから後ろをみずにあるきだしてから前半はよく聞こえなかったが同意をしめされたのでとりあえず崖の方に行ってみる事にしました。
本当に僕は大丈夫なのでしょうか………?