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チートは凄まじいです……


「あの………クリムゾン、なんですかあれ?」


とりあえず僕はクリムゾン・フェアリーにはでてこなかったあの世紀末風のゴブリンを指を指しつつ横にいるクリムゾンに質問してみた。


「ん?なんだユーステミアは知らないのか。…いや、たしかあれは2、30年前くらいから現れはじめたゴブリン種だったか…。うむ、あれはゴブリン族の変異種でな、世紀末ゴブリンとかいう名前でな何故か頭からあの鶏冠のような金髪がはえているのが特徴で、もともとただのゴブリンの集落に隕石が落ちてきたり災害がおきたりして集落として活動できなくなってから急に産まれはじめた変異種だったのだが…たしかこの地域では裸王(ラオウ)とか自称していた上半身裸のゴブリンが拳ひとつでまとめはじめてから…、む?な、なんだ、ユーステミア いきなり拳をパキパキならしながら笑顔をうかべるとか怖すぎるぞ!?」


「フフフ…とりあえずクリムゾンそれ以上はいけない 」


うん、某世紀末マンガみたいなのはあそこで止めなければ延々と続きそうだと思い物理的なお話をしなくてはいけない気がしてつい笑顔になってしまった。


クリムゾンが気付いてくれてよかったですね…


「う、うむ…何かよくわからないがやめておこう。というかだな、ユーステミアあのゴブリンどもを倒さなくていいのか?…なんだか私の目にはは網のような物を運んで来ているゴブリン供がみえているのだが…」



はっ、かなり衝撃的な魔物が初戦闘の相手だっため忘れていたがそもそも敵は一体ではなく集団だったのだし最初のセリフからわかるように僕達を捕まえようとしているのだから気を抜いてる暇はなかったのだった。


ていうかいくらチートがあるからといって転生初日に油断していてゴブリンの慰み者になってしまいましたとかなったら笑えないですよ……



「…ということであのゴブリン供には魔術のまとになってもらいましょうか」



僕は真面目になってゲームと同じように思考を戦闘用に変化させつつ…『私』が今更ながら戦況を確認する。


予断だが、僕はゲームをやっている時に開きなおってなりきりながらやっていたせいか戦闘中だけ思考までなりきって『私』という一人称を普通に使うようになっていた。


だからか、たった半日愚痴を聞かされて注意とかをされただけで女口調がみについたのはこの世界で生きていくなら確かに必要だけど複雑だ…



閑話休題(まあそれはいいとして)



数10㍍先にはあの世紀末ゴブリンとかいうモヒカン頭のゴブリンが20数匹が大きな多分魔封じの網を広げながら愚鈍な速さだが、私とクリムゾンが会話していてみていなかったのをいいことにゆっくりとだが、確実に距離を詰めていたらしい。


さらに予断だが、魔封じの網というのは冒険者ギルドの高ランククエストでたまにある、魔物捕獲というもので使われる馬鹿みたいに高くさらに重いらしい魔道具で魔力が高いものに弱らせてから使うとステータスを半分以下にまで抑え込むという極悪な魔道具だ。

まあ、なんでそんなものをこのゴブリン達が持っているかはわからないが多分旅の行商でも襲ったのだろうがそんなものを売っているのは王都くらいだったはずなのでここは何処かの王都付近らしいということがわかった。


だが、こんな極悪なものを持っていてもステータス半減以下になるのはHPを半分まで減らしてから使用する事なので今使ってもせいぜい1割削れたらいいほうな邪魔な網でしかない。

どうやら普通に言葉は喋れてもそこまで知性は高くないらしいという事までは理解できた。


だから…


「すぅ…はぁ…」


私はとりあえずだが魔術を発動させるために準備を始める。

何故準備をはじめるかというとクリムゾンは何もいっていなかったが私は魔術がただ呪文を唱えれば発動できるとは思っていない。


それは生前?私の読んだ異世界転生もののラノベではまず、体内の魔力の流れを感じられるようになってからようやく魔法や魔術を使えるようになっていたからだ。


ただこれに気付いたのは偶然で戦闘用に思考を変えてからよく考えてみてから思い付いたからだ。


ただ、あの過保護なくらい心配してくれたクリムゾンがこれに思い当たらないわけは普通ないと思うのだが半日も愚痴を聞かされたし始まる前に聞いていてわかった事だがクリムゾンは女神になる前から魔法というか魔術が使える世界にいてかなり魔術の才能があったから女神をやらされているらしく数100年以上魔術とかに慣れた生活をしていたらしいから魔力の流れを感じるのは当たり前になっていたという可能性がある。


だから私はそのラノベにならって空気中にあるマナとかいうものを感じられるか試してみるために私は目を閉じて深呼吸してみたのだがこれは…成功した、と思う。


思うというのは心臓に酸素と一緒になにかエネルギーようなものが混ざり血と共に体内を巡る様子を感覚的に理解したという感じだから確証がない。


それでも魔力の流れはわかったし魔術をあつかったりするのは大抵何回か練習すべきなのだろうがたぶんゲームのようにいく気がする。


それに目を開けるともうすぐに私達に対して網を投げる用に指示している最初に私達を獲物判定していたモヒカン頭のゴブリンが見え、クリムゾンがまだ攻撃しないのか?という感じで首をかしげているのも見えたのでそろそろ攻撃してみようかなと思い少しの高揚感と共に左手を前にだし、詠唱を開始するためにイメージする。


使うのは初見の魔物だし強さが未知数のため様子見のための低威力の魔術。


なので魔術の攻撃系統が使えるようになりはじめる☆2の初級スキル、『炎弾』これは確かゲームの設定では50㎝くらいの炎の塊を前に飛ばすだけの簡易魔術だ。

だがそれでもMattackが高すぎるため確実に焼死体の出来上がりだろう。



「よし…イメージは完璧。行きます!『我が手にあるは、少量の炎』『それに意思はなくただ、我が目前の敵を滅す炎なり』炎弾!…………あれ?」



…ボォォォォォォ…



私の詠唱により、確かに魔術は完成し、左手から炎の塊は出現した。


だが…先の擬音からわかる通り50㎝程度の炎の塊が出現したのではなく2㍍近い巨体な炎の塊が出現し、前にいたゴブリン達が慌てて逃げ出し結果的に網は投げられずゴブリンの集団の真ん中に着弾、さらに何故か魔術に追加効果がついたのかそこで爆発しゴブリン達20数匹を焼き殺してまだ炎が渦巻いている。


その結果に流石に唖然としている僕の横で同じく唖然としていたクリムゾンが先に復帰したのか当然の疑問をなげかけてきた。


「なあ……ユーステミア。私の耳には初級の『炎弾』の呪文が聴こえた気がしたのだがそれは何かの間違いで中級の『火炎球』だったのか……?」


「いえ……『炎弾』です。……『炎弾』のはずでした…」


「そうか……私の耳はちゃんとしていたか……。なんていうか、なあ……」


「ええ……」


ちなみに中級の『火炎球』というのが今起こっている惨状を普通に再現する場合行われる魔術なのだが、『火炎球』には詠唱が六行も必要とする☆6なので決して二行程度で発動できるお手軽な魔術なのでは決してないのだ。


だから……



「「チートって凄まじいな(です)……」」



そう、二人で消火するのも忘れたまま惨状を見続けながら呟いてしまうほど現実でみるチートは凄まじいものでした……


ていうかなんで女神様なクリムゾンまで驚いてるんでしょうね…



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