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プロローグ 桜の木下で

お久しぶりです。そして、はじめまして。

久しぶりに「小説家になろう」にて書かせていただきます。

それではお楽しみください。

 プロローグ 桜の木の下で


 桜が満開に咲き、花びらが舞い散る頃。

 美しく咲いた花は、通行人が見とれるほど美しい物だった。

 少年は楽しそうに鼻歌を歌い歩いていた。半そでに半ズボン。少し日に焼けた肌。いかにも活発そうな少年が桜並木の道を通っていた。

 友達と公園で遊び、帰るところだった。

日は傾き、空が紅く染まり始める。

少年は軽い足取りで歩いていたが、ふっと立ち止まった。

少年の目の前には薄桃色のまるで、桜のような美しい長い髪を持つ少女が桜の木の下に立っていた。少女とは思えない凛とした顔立ちの美少女が、ただ無表情で桜を眺めていた。何故か淡い水色の華やかな着物を着ている。

その少女は満開の桜よりも美しく、長い時を生きているように見えた。少年は少女に見とれた。

「ねぇ、ここで何しているの?」

 少年が少女に聞いても、少女はぴくりとも反応しない。

「ねぇ、何してるの?」

 少年がもう一度聞いた。

 すると、少女は二回目の少年の声を聞いて、自分に聞かれている事に気付き、少年の方を向かずに言った。

「ただ……桜を見ているだけだ。美しい物だな。人のように醜くなく、ただ美しく咲く」

 少女は外見には似合わない低く、周りを凍てつくような声で言った。そういった直後、少女は少年の方を向いて目を見開いた。

「私が見えるのか……!」

 少女は微笑を漏らしながら、美しく咲く桜の木を見た。

 少年は少女の声が聞こえたが、何を言っているのかさっぱり分からず、不思議に思いながらも聞いた。

「僕の名前は滝沢翔。君の名前は?」

「…………私の名はさくら。苗字はありすぎて忘れた。私の気に入っているのは藤沢だ。そう、藤沢さくらだ。ああ、私はようやく貴方に会うことが出来たのだな」

 少年――翔には分からなかった。でも、少女であるさくらからは寂しさや哀しさが感じられた。でも、その心には嬉しさが混じっていることに正太郎は気付く。

「?」

翔は首をかしげる。

桜は翔に向かって優しく微笑んだ。

「やはり……記憶は無いのだな。だが、心配は無い」

 さくらは目を細め、遠い過去を思い出すようにしていた。

 翔はそんなさくらを不思議に思いながらも見つめた。

「少年、私はこの世界を司る者なのだよ。もし、お前がそんな私と関わりたくなったら私のところに会いに来るがよい。もしかしたら、私は待ちきれずに会いに行ってしまうかもしれないが」

 さくらは日を浴びたことの無いような白くて長い腕を大きく広げた。さくらの手の先に一枚の花びらが散る。

「私はこの時を待っていたのだよ。では、今度会う日まで。最後に、私は――――」

 そよ風が吹いた。さくらの花びらが舞い、さくらの声が遮断される。さくらの口が動いているのが分かる。だが、何を言っているのかまでは分からなかった。

 だが、一瞬だけさくらの口元が僅かに綻ぶのを翔は見た。

 風が収まり、花吹雪は消えた。だが、さくらの花びらは舞い続けていた。

 翔の少し先にいたはずの少女が跡形も無く消えていた。

「えっ……?」

 花吹雪が待っていたのは本の数秒のことだった。その間に、さくらが消えるはずが無いのだ。

 翔はさくらが居た場所に駆けた。

 左右を見渡し、木の上のほうや、したの土手も見たがさくらの姿は無い。それどころか、人影すら見えなかった。

 翔は今日、運命的な出会いをした。それは偶然だったのか、必然だったのか。

 翔はさくらの言った最後の言葉を聞き取れなかった方がよかったのかもしれない。

これからも連載していく予定です。

何卒宜しくお願いいたします。

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