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第八談 魔女の正体

 「ちょっと付いてこないでよ! あたしと遥は今から秘密の花園へ向かうんだから」

 「頭が沸いていると思ったら、とんだ妄想壁もあるようだな。噂にたがわない狂乱っぷりには頭が下がるよ。それに、付いてきているのはそっちだ愚民。私と斎賀はこれから用がある」

 「そんなジャージ着て街を歩くなんて、ありえない! あんたこそ頭の中可哀想なことになってるんじゃないの? こんなのに付き纏われる遥が可哀想……」


 保健室を出てからどのくらい時間が経ったのだろう。

 もう数時間くらいすぎたろうか?

 あれ? 十数分しか経ってない?

 休むことなく憎まれ口を叩き合う二人。

 それに挟まれ、気力低下中の僕。もう抜け殻になってきた……。

 女って怖い……。

 え、逃げればいいって? できれば僕だってそうしたいさ。

 でも、僕の両腕はホールドされているんだよ。瀬菜は右腕、彩乃は左腕にがっちり腕を絡めて離そうとしない。

 傍から見るともててるようにも見えるんだろうな、あははは。

 でも、誰か変わって……ホント。

 ていうか何で瀬菜まで腕絡ませてんだよ……。


 「遥だってあなたみたいなジャージ女と並んで歩きたくないですー! 恥ずかしいすぎて死んじゃうもん!」

 「…………」


 彩乃のジャージを連発して馬鹿にする言葉にキレたのか、瀬菜は僕の腕をへし折るかの如く力を入れる。しかし、すぐに力を抜き、僕の腕を開放した。

 すると次の瞬間。

 瀬菜はジャージの上着を脱ぎ始めた。

 僕は反射的に目を逸らす。

 白いお腹がチラッと見えた。腹チラ……。


 「ちょっと、待ちなさいよ! こんな公然の場でストリップ劇場――えぇ?」


 どこか引くような彩乃の驚いた声に、僕は視線を戻した。

 えぇ?

 僕の視界に飛び込んできたのは、真っ白なシャツに赤いリボン、赤と緑のギンガムチェックスカート姿の瀬菜だった。

 まさかのジャージイン制服。しかもジャージの下に着ていたにも関わらず、目立った皺が無い。

 魔女パワーか……?


 「これなら文句は無いだろう?」


 瀬菜は彩乃にこれで文句はないだろう、と勝ち誇った表情を向ける。

 確かに、もしこれで彩乃が服装に関して文句を言おうものなら自分を否定することになる。

 全く同じ制服だし。


 「ほら、行くぞ斎賀。私は今日中にもう少し話をまとめておきたい」

 「うぉっ」


 瀬菜は無意識なのか嫌がらせなのか、僕の手を握るなり、また歩き始めた。

 

 「ちょっとちょっと、あたしを置いていかないでよ! それにこっちって旧校舎じゃん。危ないって!」

 「魔女がいるからか?」


 瀬菜が振り向かずに聞く。


 「そうだよ! 花月学園都市伝説の一つ、紅の魔女。魔女に認められなければヒドイ目に遭わされるってもっぱらの噂だよ! まぁ、いつも会えるってわけじゃないけど」


 ヒドイ目に遭わされるって……。それ知ってて昨日僕を誘ったのかよ、彩乃……。

 僕はヒドイ目に遭わされることはないだろうけどさ。


 「愚民よ。君は随分都市伝説に御執着しているようだな」

 「え? う、うん。都市伝説や噂の類いは聞くのも確認しに行くのも好きだけど……。それが?」


 それを聞いた途端瀬菜は振り返り、口元に薄ら笑みを浮かべ、


 「なら、この機会に諸手を上げて喜ぶといい。特別だ。魔女に会わせてやろう」



 「どうしてこんな展開に……」

 「おい、まだ質問に答えていないぞ。早く答えろ、この愚図愚民が。魔女に会わせてやった私への恩義が全く感じられない」

 「この性悪魔女!」

 「うるさい、愚民。あの恥ずかしい姿を公開されたくなくば、持ちうる全ての情報を余すことなく私に寄越せ!」


 現在、彩乃は正座して俯いている。そんな彩乃に、あの紫色の椅子に座って瀬菜が超上から目線で質問攻め。手には何やら写真のようなものが。

 それを脅しネタに、かれこれ一時間は質問攻めにしている。

 どうしてこうなったのかは、まぁ、二時間くらい前に遡る……。はず。



 僕たち三人は瀬菜のテリトリーである旧校舎の図書室に場所を移動させた。

 どこかそわそわした感じの彩乃に、未だ薄ら笑いを浮かべている瀬菜。

 間違いなく瀬菜は自分の希望通りの展開にはならず、瀬菜は逆に思い描いたイメージ通りになることだろう。

 図書室へ足を踏み入れると、やはり古書のどこか懐かしいような埃っぽい匂いが鼻を通りぬける。


 「ねえ、遥。遥はここに来たことあるの?」

 「まぁ、何回かは」

 「そうなんだ、ふーん」

 

 どこか不機嫌そうに彩乃は唇を尖らせる。

 あれー。どっか不快にさせるワードあったかなぁ?


 「着いたぞ」


  瀬菜が僕の左腕にくっついている彩乃を引き剥がし、紫色の椅子の前に引っ張っていく。


 「痛い、痛いってば! 引っ張らないでよ!」

 「うるさい愚民が。ほら、待ちかねた魔女とのご対面だ」

 「え?」


 その言葉に彩乃は目をぱちぱちさせ、周囲三百六十度見渡す。次いでもう一周。

 もちろん変化があるわけではない。あれ? と首を傾げる。


 「いないじゃない。どこに魔女がいるのよ?」

 「いるだろ、ここに」

 「どこよ?」

 「君は本当に理解力がないな愚民。仕方ない。斎賀、そこにある帽子を取ってくれたまえ」


 僕は指さされた方向に目を向ける。そっちには本棚しかないんだけど……ってあれか。

 やけに先端が長く尖った、いわゆるとんがり帽子が、本棚から出っ張った本に引っ掛けて会った。

 意外と本大事にしてないんだな、あいつ。

 僕はとんがり帽子を手に取ると、そのままフリスビーの要領で投げる……ことはせず、椅子まで持って行った。

 たぶん、飛距離が足りなくて床に落ちでもしたら激怒される……。

 瀬菜は僕に一言礼をいうと、とんがり帽子を被り、椅子に座って足を組んだ。


 「ようこそ、はじめまして。魔女のいる図書室へ。私が都市伝説『紅の魔女』こと悠木瀬菜だ。以後よろしく……したくないが、よろしく」


 今度こそ彩乃は言葉を失くした……と思ったが、


 「えええええええええええええええええええええええ!!」


 図書室どころか旧校舎のワンフロア中に響き渡るくらいの絶叫を発した。

 伝説と称されている魔女の真相、大元が自分と同級生の、それもさっきまで言い争っていた少女。都市伝説好きな彩乃にとっては、裏切られたような気分だろう。例えるならば、信じていた恋人に借金の保証人にされた揚句、他に恋人を作って逃げられたような感じ。

 ……あれ? 上手くない? ま、まぁ、それほどショックだったってこと。

 彩乃は目を丸くし、頬を手で覆い、ワナワナ震えている。


 「このくらいで衝撃を走らせるな愚民が。他にもっと詐欺まがいな伝説はあるだろう。『紅の魔女』の真相が、この部屋でゆっくり読書をしたいがために中学生共を利用して紆余曲折流させた、なんて可愛いものだろう。まぁ、斎賀以外で魔女の正体を知った最初の人間になったことを誇るんだな愚民」

 「自分勝手スキル発動してるし! ――って、斎賀以外で正体を知った最初の人間?え? 遥はずっと前から正体知ってたの? 昼聞いた時知らないって言ってたよね? どうして嘘ついたの? あたしに隠さなきゃいけないことだったの?!」


 うわー、僕に矛先向いたー!

 どうして彩乃に魔女の正体を隠したかって? そんなの決まってるだろ。波長が合わなさそうだったからだよ……。

 片や都市伝説大好きっ子で、片や都市伝説否定解決屋。まず、都市伝説ってワードが出ただけで言い争いそうだし。いや、もう言い争ってるか……。

 僕はジト目で彩乃を見ると、ため息を一つついた。

 すると彩乃は僕の制服の襟首を掴み、


 「あたしというものがありながら、何でこんな意味不明なジャージ女と密会してるの? あたしのお誘い断ったのもこのジャージ女と会うためだったの?!」


 少し涙目になりながら僕を問いただす。

 うーあー。面倒くさい展開になってきたー。

 僕は自分の顔の前で小さくバンザイするポーズを取り、彩乃の動きを静止する。この場合どんな言い訳をすれば解決になるのか。僕は頭をフル回転させる。

 はっ、そうか!


 「ほらあれだ彩乃! 僕はお前の安全を考えてだな――」

 「安全って、性格と口が物凄く悪いけどこの子普通の人間じゃん! まさか遥……」


 彩乃は何を思いついたのか、目を大きく見開き、絶望に満ちた表情で、


 「このジャージ女と寝たの!?」

 「んなわけあるか、この愚民が!」


 彩乃の爆弾発言にも成りうる発言を、瀬奈は背中に蹴りを入れて反応した。

 背中を蹴られたことによって前方に強い力が働いた彩乃は、僕に全体重をあずける形になる。蹴りの勢いに加え、彩乃の全体重の負荷は、さすがの僕には耐え切れない。

 彩乃が僕の上に覆いかぶさる形で、床に倒れ込んだ。

 頭打った……。


 「痛ったーい……。遥大丈夫?」


 あんまり大丈夫じゃない。たぶんコブになった、とも言えず。僕は涙目になりながら、大丈夫、と首を縦に降る。

 彩乃は僕の無事を確認すると、すぐに僕の上から退くことはせず、なぜか抱きついてきた。

 本当に意味が分らない……。

 パシャ!

 なぜか眩しい光と共にシャッター音。

 僕は頭を起して音のしたほうを見やる。

 瀬奈が、どこから取り出したのか、っていうか今でもあったのか。その白い手にポラロイドカメラを持っていた。

 カメラ正面からジーっと写真が流れてくる。


 「おい」

 「なんだね斎賀?」

 「どんなシャッターチャンスだよ!」

 「か、勘違いするな、君ではないよ。私が君なんて撮ってどうするんだ」


 僕じゃないって……、なら彩乃しかいないじゃん。

 僕が怪訝な視線を送ると、瀬菜は浮かび終えた写真を僕に見えるよう差し出した。

 

 ――ぶっ!

 

 思いっきり吹き出してしまった。純情すぎる僕……。

 その写真には、当然僕と彩乃が写っている。僕は苦痛に顔歪めてたけど……。

 彩乃は、蹴り飛ばされた衝撃のせいか、ものの見事にスカートがめくれ上がっているそこから、薄い水色の下着がバッチリ顔を覗かせていた。

 確かにシャッターチャンスではあるけれど、女子が女子の下着姿を写真に残すってのは変だろ。しかも、瀬菜ならなおさらのこ――

 うわー! 瀬菜がめっちゃいい顔してる!

 瀬菜は椅子から立ち上がるなり、僕の上に乗っかったままの彩乃を引き剥がした。

 尻もちをついた彩乃は、小さいうめき声を上げて瀬菜を睨む。


 「おい愚民。今から包み隠さず一切の嘘偽りなく私の質問に答えろ。もし私の機嫌を損ねるようなことがあれば、この写真を全校にばら撒く」

 「ふざけないで。どうしてあたしがそんな尋問みたいなことされなきゃいけないのよ! それにその写真あたしの顔写ってないじゃない。遥の顔はバッチリ写ってるけど。そんなのばら撒いたところで、あたしに害は無いわよ。――ま、まさかあなた遥を人質に……!」

 「ふん。そこはほらあれだ。アイ……コラ? でどうとでもなる。斎賀の顔を隠し、愚民の顔を作ることくらい造作もない」


 腕を組んで高らかに言い放つ。

 おぉー。機械音痴の癖によくアイコラなんて言葉知ってたな。使いどころも合ってるし。ちょっとは成長したってことか、うんうん。まぁ、少しどもったけれど、合格点だ。

 僕が親心にも似た感情で感心していると、

 

 「遥を人質に取られた……。こんな写真ばら撒かれたら、あたしとの未来に障害が……」


 地面に手を付け、跪くように頭を垂れていた。

 将来設計がどうとかぶつぶつ言っているが、小さすぎてよく聞き取れない。

 そんな失意の中にいる彩乃に瀬菜は、

 

 「私の質問に答えればこの写真は焼却処分してやる。三秒以内に答えろ。イエスかノーか――」

 「答えるわよ!」


 コンマ二秒くらいのスピードだった。

 彩乃を突き動かすものって一体何なんだろう……。

 

 「早く質問してきなさいよ! 何? あたしのスリーサイズから初キッスの相手、遥の私物の所持数、盗聴器記録まで包み隠さず話せばいいんでしょ?」

 「……そんなもの質問するわけないだろう。私が聞きたいのは『翡翠の死神』のことだ。本当に発想まで愚かしいな」


 ち、ちょっと待て。会話の中にさらっと僕のプライバシー侵害暴露がなかったか?!


 「ない」

 「ないよ」


 あっさり否定された。

 完全に僕、蚊帳の外になってないか……? 結構名前出てるから、話しの中心にいると思ったんだけど……。

 瀬菜と彩乃はジト目の僕を無視して攻防戦を始めた。

 とは言っても彩乃は質問に答えていくだけで写真は処分できる。それに瀬菜だって『翡翠の死神』についての情報はある程度持っている。そこまで時間はかからないだろう。


 「最初の質問だ。『翡翠の死神』を見たことは?」

 「あたしはないわよ。友達でそれっぽいのを見たって聞いたことはあるけど。あとは中等部の子たちがよく目撃してるって話し」

 「ほう。なら正体は掴めているのか?」

 「ちょっと! 自分で真実を暴こうともしないで、苦労もなしに正体だけ聞こうっての? そんなの都市伝説ファンに対しての侮辱行為――」


 瀬菜は視線を逸らして、手に持つ写真をひらひら仰いでみせる。

 弱みを見せつけられ悔しそうに口を閉ざした彩乃は、僕の顔を一瞥すると再び質問の返答に移った。


 「……正体はまだ分ってないわ。中等部高等部に限らず都市伝説ファンは多いから、普通早い段階で正体が判明するはずなんだけど……。出現するのが深夜って話だから、中々思うように調査が出来ないの。夜の学校に入るのだけでも一苦労よ」

 「つまり、何も分ってないわけか。使えん愚民だ」

 

 ため息をついて呆れたように首を横に降る。

 その割に目を細めたり口元に手を当てたりと、少しだけど妙な仕草を繰り返していた。どこか引っかかる部分でもあったのだろうか。単純に次聞きだすことを考えていただけかもしれないが。


 「じゃあ最後の質問だ」


 え……、もう最後なのか。もっと他のことも根掘り葉掘り聞くとばかり思っていたけど。確かにこれ以上質問を続けても、そこまで有益な情報を得られないような気もする。昨日も偶発的に情報をくれてたし。現に『翡翠の死神』の正体は掴んでいないとはっきり言っている。

 未だにきちんとした姿勢で正座している彩乃は、足が痺れてきたのか両足をもぞもぞ動かしていた。


 「今回の飛び降り事件と『翡翠の死神』の関連性の可能性は?」

 「……分らないけど、否定はしない」

 「そうか」


 一言呟くなり、瀬菜は立ち上がり、彩乃の背後に回り込む。

 そして、そのまま彩乃の襟首を右手で掴み、出入り口へ引き摺って行く。


 「ちょ、やめて、首! 首絞まるからっ!」


 今回は喉に制服が食い込まないよう、必死に指で襟元を掴んでいる。

 昨日今日だけで何度襟首掴まれてるんだろう……。不憫な奴。

 ずるずる引き摺られてスカートは下にずり下がってくるわ、ブラウスは引っ張られて脱げそうになるわで、大変な彩乃。もがくというか、制服を脱げないよう調節しているようだった。

 ん? 見えてない見えてない。僕はちゃんと視線を外しているよ?

 それよりも、あれだけ引っ張られて伸びも破れもしない花月学園の制服は凄いと思う。

 貸出カウンターまで瀬菜が辿りつくと動きを止め、空いている左手で扉を開く。


 「用は済んだ。もう帰れ。あと私の正体は他言無用だからな。もし喋るようなら、堂々と表を歩けないようにしてやる」

 「扱いひどすぎない! せっかく質問に答えてあげたのに! っていうか写真渡しなさいよ!」

 「うるさい愚民」

 

 瀬菜は右手で掴んでいた襟首を開放し、おもむろに後ろから両手で彩乃の体を抱く形を取る。両手を胸の下に回し、しっかりホールドしていた。

 あ、展開読めた。

 瀬菜は抱きついた少女の体を遠心力で大きく回し、図書室の外へ放り投げた。あの華奢な体のどこに、女の子とはいえ人一人投げられる力があるのか。

 まぁ、距離的にはそんなに飛ばしていないけれど。

 彩乃は図書室から、ちょうど勉強机を二つ横に並べたくらいの距離に滑り落ちた。しかも顔から。体勢的には力を抜いてうつ伏せに寝転がった状態から、お尻を突き出したような状態。

 その突き出た彩乃のお尻の上に瀬菜は写真を置き、一発風を切るスピードで写真ごとお尻を叩いた。


 「痛い!」


 体をビクッっとさせ、短い苦痛の声を上げる彩乃。そんな彩乃に瀬菜は一瞥もくれず図書室に戻り、扉を閉めた。そして、間髪いれず内側から鍵を掛ける。これで完全に邪魔者を排除に成功した。

 だが、すぐさま向こう側から扉をドンドン叩かれる。


 「放り投げるってありえないでしょ! まさか本当に閉め出し? ちょっと聞いてるの! 遥助けてー!」


 閉め出された方からすると理由を聞きたくなるのは当然のこと。しかも理由なく理不尽な展開になればなおさらだった。

 さすがの僕も指名されてしまっては、何かしらの反応をせざるを得ない。やれやれ、と頭をかき、扉に近づこうとする。

 しかし、瀬菜に袖を引っ張られ、それを阻止された。


 「本題に入ろうか斎賀」

 「いいけど、あいつどうするんだ? 本当に放置?」

 「ああ、愚民はもう用済みだ。というより、元々君との話し合いなのだから、他人は必要ないだろう」


 まぁ、そうなんだけど。その話し合いに混ぜ込んだのはどこのどいつだ?

 僕はそのまま袖を引かれ、さっきまでいた紫の椅子の前まで連れて行かれた。

 ごめん彩乃、僕じゃお前の力になれない。

 じゃ、また会おう。


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