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こひごころダイオード

掲載日:2026/05/06

いらっしゃいませ。

地平線のはるか上に、虹色に輝く夕焼け雲がふわり、ふわふわと浮かんでいる。


その雲は、決して手を伸ばしても届かない。


その美しさに惹かれ、毎日のように焦がれていても。



幸福は、犠牲なしではあり得ない。


そんなことはこの世で幾万回と言われてきただろうが、それでもやはりその犠牲を払う勇気がない者が多い。


それは、その犠牲に見合うモノが得られるとは限らないからだ。


例え数十年の労苦の末だったとしても、何も得られないかもしれない。


そんなギャンブルの中に、さらにまた人気の台がある。


「恋愛」だ。


ディーラー(想い人)を巡るプレイヤー同士の戦い。


一番の目玉はルールが決まっていないということだ。


勝ちか負けかは、ディーラーの気持ち次第。


もしかしたら、誰も勝たないことすらあるかもしれない。


だがそんな賭けの先にあるものは人生で二度と代替(とりかえし)のきかない、至高だ。


まさに究極のギャンブルだが…ここで凶暴な性質(たち)が牙を剥く。


この「恋愛」という台は、突然強制的に賭博台に座らせ、プレイヤーにさせてくるのだ。


そしてそれは、勝負が終わっても、また降りても、決して消えない感情だ。そうなってしまえばもう逃げられない。


すでに片想い(一方通行)だと分かっているのに、決してその先の想い(電球)実る(光る)わけがないと分かっているのに。


分かっていても、やまないのだ。


それが「愛」だとは思えないほどに苦しくなるのだ。


友愛だって、家族愛だって、母性愛だって、こんなにも苦しくはないはずなのに…


やはり「恋」のせいだ。


恋、もとい戀は、もつれ合って離れない糸と心を合わせた漢字だそうだが…まったくその通りだ。


恋なんてしなければ、しなければ。


恋心なんてクソ食らえ。


そう思えれば楽だったのにな、とふるふると首を振る。


結局、少しでも振り向いてもらえた時の、あの幸福感に満たされてしまっていたのだ。


そんな自分に少し嫌気がさしたが、諦めた。


きっと、この気持ちは時間にしか解決できないのだろう、と悟ったから。


そんな仕方のないことを、ただ一人で黄昏ながらぼんやりと考えていると、いつしかあの雲は地平線の彼方に消え、新しい雲が上空に優雅に浮かんでいた。

なにとはなしに、少しの解放感と喪失感が空に色をつけているようだった。


いかがでしたでしょうか?

今回も相変わらずの内容ですが、お読みいただきまして本当にありがとうございます。

もし、お気に召していただけましたらぜひ!感想もよろしくお願いいたします!

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