あなたが咲うこの世界で
候暦一九〇〇年、アイネーデ共和国。
国土を東西南北と中央の五つに隔て、自由と平等と平和を掲げて殷賑を極めてきたこの国は、されど近隣諸国との戦争によって衰頽の一途を辿る。最も甚大な被害が及んだ自然の汚染により、国民は終わりのない飢餓と貧困に喘ぎ続けた。
やがて、ひとりの植物学者が開発した、栄養の涸れ果てた土壌の代替となる苗床でのみ芽吹く特殊な種——のちに『人類の希望』と称されることとなる技術を筆頭に、共和国は復興へ向けて立ち上がる。
時は進み、候暦一九九八年。
『何でも屋』として共和国各地を転々と渡り歩く青年・シオンは受け取った手紙に従い、東区〈オスト〉へと赴く。そこで育ての親から持ちかけられた新たな依頼は、記憶喪失の少女・マリーを故郷へ送り届けること。
これは、死が定められた果敢ない生涯のなかで、それでも誰かを愛し、愛されたいと願う人々の物語。
あるいは、青年が分かたれた愛しき人を取り戻すまでの物語。
※第二章までは隔日投稿、第三章以降は毎日投稿を予定しています。
※同タイトルで『Nolaノベル』にも投稿しています。
国土を東西南北と中央の五つに隔て、自由と平等と平和を掲げて殷賑を極めてきたこの国は、されど近隣諸国との戦争によって衰頽の一途を辿る。最も甚大な被害が及んだ自然の汚染により、国民は終わりのない飢餓と貧困に喘ぎ続けた。
やがて、ひとりの植物学者が開発した、栄養の涸れ果てた土壌の代替となる苗床でのみ芽吹く特殊な種——のちに『人類の希望』と称されることとなる技術を筆頭に、共和国は復興へ向けて立ち上がる。
時は進み、候暦一九九八年。
『何でも屋』として共和国各地を転々と渡り歩く青年・シオンは受け取った手紙に従い、東区〈オスト〉へと赴く。そこで育ての親から持ちかけられた新たな依頼は、記憶喪失の少女・マリーを故郷へ送り届けること。
これは、死が定められた果敢ない生涯のなかで、それでも誰かを愛し、愛されたいと願う人々の物語。
あるいは、青年が分かたれた愛しき人を取り戻すまでの物語。
※第二章までは隔日投稿、第三章以降は毎日投稿を予定しています。
※同タイトルで『Nolaノベル』にも投稿しています。
序章
序章
2025/07/01 21:11
第一章
1-1
2025/07/01 21:11
(改)
1-2
2025/07/03 20:00
1-3
2025/07/05 20:00
1-4
2025/07/07 20:00
1-5
2025/07/09 20:00
1-6
2025/07/11 20:00
1-7
2025/07/13 20:00
第二章
2-1
2025/07/15 20:00
2-2
2025/07/17 20:00
2-3
2025/07/19 20:00
2-4
2025/07/21 20:00
2-5
2025/07/23 20:00
2-6
2025/07/25 20:00
2-7
2025/07/27 20:00
第三章
3-1
2025/07/29 20:00
3-2
2025/07/30 20:00
3-3
2025/07/31 20:00
3-4
2025/08/01 20:00
3-5
2025/08/02 20:00
3-6
2025/08/03 20:00
3-7
2025/08/10 20:00