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爛漫ろまんす!  作者: 平野ポタージュ
あたしは伝説の食材
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第四章「目覚めた時は茉莉花茶の香り」


『四ノ宮って、なんでそんなにデブなんだよ』


『力士みてぇ~笑』


『アハハ!!クマにも勝てそうだな』


「もーー!!酷いよ!!男子!!、お菓子よこせーーー!!!」



でも……確かにあたし、なんでこんなに太ってるんだろう?


神美(かみ)は太ってないのよ?、貴女はね……選ばれた人間なの』


お母さんに毎日言われた言葉を鵜呑みにしたあたしは、気付けばワガママボディへと成長していた。


でも────



「食べる事って幸せなのよねぇ~~♪」



それは本心なの?──────

そう思えば思うほど、誰かに問いかけられた気がした。


本当は、細くてスタイルが良い子が着れるような可愛い服を沢山着て、オシャレして恋がしたい。



でも───あたしには一生無理な気がする



「あら、やっと起きた」


「あ……………」


神美(かみ)が目を開けると、温かみのある雰囲気を持った美しい女性が微笑んでいた。


(綺麗な女の人……)


コポポポ…と、湯呑らしき物に何かが注がれた音。とても心地が良く、そして何より良い香り……。この香りは何処かで嗅いだことがある────かなり身近にある物だった気がした


「陛下が貴女の事をとても心配してらしたわ。」


「陛下……?」


「天下の白龍帝(はくりゅうてい)の背中にお乗りなられたのは、龍仙女(ロンシィェンニュ)様と貴女だけよ?」


はい──と手渡され、湯呑に注がれていたのは茉莉花茶(ジャスミンチャ)だった。


白龍帝(はくりゅうてい)?───

聞き慣れない名前だった


「あ、ありがとう…ございます!、すっごい喉乾いてて…助かります!」


ごきゅごきゅと喉を鳴らして美味しそうに呑む神美(かみ)の姿に、口許を抑えながら


「あははっ、凄い呑みっぷりねぇ」


何ともその容姿から似つかわしくない笑い方をしたのだ。


「ふふっ、私の名前は柘榴(シィーリオ)。陛下の正妃の側仕えと、後宮の妃達に仕える侍女達の教育係をしている女官長(にょかんちょう)をしているわ」


「あたしは四ノ宮神美(かみ)ですっ!高校生やってます!」


「こうこうせい?……聞いた事のない役職だわ。」


「や、役職とかそんなんじゃないんだけど!?。普通の学生だよ?、柘榴(シィーリオ)ちゃんって何歳?」


「私は、25歳よ」


「と、年上なの~~!?あたしと同い年くらいだと思ってた…」


「それくらい、私って若く見えるのよねっ♪嬉しいっ」


ガチャ────……


柘榴(シィーリオ)が飛び跳ねながら喜んでいると、室内の重い扉がゆっくりと開き、その隙間から徐々に光が射し込んだ。


柘榴(シィーリオ)── 龍仙女(ロンシィェンニュ)仙子(せんし)は目覚めたか?」


「あ……」


全開になると、神々しい雰囲気を漂わせた青い瞳の青年が立っていた。


(夢で…助けてくれた、めちゃくちゃ美形の男の子……)


「ってことは、コレは夢じゃない!?」


「この通り、元気に目覚めました」


「そうか……良かった───」


(な、なんて綺麗なお顔なの……──マトモに見られないよ!!)


「気分はどうだ?、…神美(かみ)と申していたな?」


「は…はい……だ、だいじょう───」


ぐっぎゅるるるるるる~~!!────


「あ──」


四ノ宮神美(かみ)は、少しふくよかな女子高生


その見た目通りの天真爛漫な性格は

時に人を困惑させ


「な…───」


時に人の心を躍らせて、いつの間にか笑顔にさせている


「っ…~~!あははは!!」


そんな普通の女の子が、自分(呪い)と伝説の五匹の龍に向き合う物語である────



「お、お腹空いちゃった…」

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