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爛漫ろまんす!  作者: 平野ポタージュ
痩身・後宮篇
22/84

第二十二章「無事で良かったと思うだけ」

「ちょ、ちょっと!!このままじゃ木に炎が燃え移って……って言ってる側から燃えてるよーーー!!?泣」


「……自然を火災するのはいけないゾっ☆」


「そんなぶりっ子して言うとる場合ですかっ!!」


「──…あっちの方に走れば森を抜けられる」


「ええ……!?。だ、だってこの森は、試練を乗り越えないと抜けれないんじゃ…」


「ププッ!真に受けちゃって~!かわい~なぁ~、冗談に決まってるじゃないかぁ~!。それに…オレはこう見えて僧侶だからさ───善人を導かなきゃいけないんだ」


"だから、行きな"と……僧侶は森の抜け道の方向に指をさす。


「でも!!」


「それに───昔から彼奴は、オレの事がどうも気に喰わないらしい……───なので、オレも逃げます!」


「えぇ~~!?そこは戦う流れじゃないの!?」


「あっははは!、普通はそうだよね。でも、オレっちは無駄な争いは大嫌いなのさ!。───あ、まだちゃんとキミに名前言ってなかったよね。オレは、黒龍(ヘイロン)───普段は惹黒(ジャック)と呼ばれて、皆から慕われるカッコイイ僧侶だよっ」


神美(かみ)の手を取って、黒龍(ヘイロン)は森の抜け道に向かって走り出した。


「それ自分で言わないよ!?」


「この男前面(イケメンフェイス)に免じてっ」


じわ……

(やば…血がもっと出てきた……)

赤龍(ホンロン)に噛まれた部分から血がどんどん溢れ出す。遂には立つのもしんどくなり、黒龍(ヘイロン)の手を振り払いその場にしゃがみ込んだ。


「どうした?」


「ごめん…なさ……、ちょっと、辛いかも。…黒龍(ヘイロン)…貴方だけでも行って!」


「……───キミは、オレの好みのタイプって知ってる?」


「はあ?───」


こんな状況で何を言っているんだろう──この人は。いや、龍か……


「オレには遠い昔、主が居たんだけど……───その人は、神に近い存在の筈なのに……馬鹿みたいに自分を犠牲にする人だったんだ───」


(頭が……ボーッとして……きた)


熱い────

炎が、近くにまで迫ってる─────

意識が……


「キミも────ロンちゃんと一緒だね」


(……おばあちゃん…)


その時──黒龍(ヘイロン)の目付きが変わった瞬間を、あたしは見たの。

ヘラヘラしてて、変態臭くて、物凄い気持ち悪い趣味とか持ってそうで、厨二病みたいな面構えの黒龍(ヘイロン)が……────


(なんだか……カッコイイなぁ……なんて──)


おばあちゃんが一緒に過ごした時の五龍(みんな)は、どんな感じだったの?


あたしにも教えて?─────


あたし……もっと皆の事



『か……─────』


知りたいんだ。

皆の過去を今を未来を─────

喜びを哀しみを────



神美(かみ)ッッッ!!!!!!!」


小龍(シャオロン)の声が聞こえる……)


カアァァッ!!───と、左薬指に嵌めていた龍の髭(ロンシュータン)から強い光が放たれた。その光は木に燃え移っていた炎を掻き消し、森全体を鎮火した。

そして───森は生命を取り戻し、生き生きと生い茂る


ドサ!ドサドサ!─────


上空から何かが落下する音と


神美(かみ)さん!!!」


神美(かみ)!!陛下ッ!!───って、ぎゃあああ!?」


青龍(チーロン)と、何かを見て悲鳴を上げる黄龍(ファンロン)の声が響き、神美(かみ)は安心したのか、そのまま気を失った。


(良かった……皆……無事で───)

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