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タキオンの矢  作者: 友枝 哲
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第5話:想いが繋がってるって感じなんだよね。

※※※ 更新日程変更のお知らせ ※※※

今後、更新日程を毎週2回、水曜、土曜の0~1時としたいと思います。

( 現在、更新日程を毎週1回、土曜0~1時の間としていたのですが、ちょっと進度が遅いので。 )

よろしくお願いいたします。


<前話のあらすじ>

ソルは電子機器の修理をしながらも、貧困層住民に対して

チンピラやマフィアなどから危険が及ぶのを度々防いでいた。

実は、子供たちにホワイトマスクマンと呼ばれるヒーローだった。

一方、授業が終わったルナに仲良し3人組が話しかける。

彼女たちは”OneYearWar”のRedDevilに夢中で、ルナに話を振るのだった。

ルナが本当のRedDevilだと知らずに。。。


 

 学校の終業の鐘の音が鳴り響いた。


 数学の授業が終わり、ルナが両手を持ち上げて伸びをしていた。


 そこにクラスメイト3人が来た。


 フワッとしたロングヘアでどこか少し天然ぽい見た目の友人がルナの席の真正面に来るや、すぐさま話し始めた。


「ルナ、昨日の見た?レッドデビルさまぁ、すごかったよねぇ〜!!」


 ルナが伸びを終えて上着を下に引っ張りながら話した。


「うん。見たよ。戦艦やっつけたところとかすごかったよね!」


 ルナが答えるとルナの右側に来た、髪の毛を中央分けしてサラサラショートヘアのもう一人が続けた。


「そうそう。でも、なんでドロップしたんだろ?不思議じゃない?


 そのせいで、今朝発表されたランキング下がっちゃってたし。」


「うそ?本当に!?」


 ルナの左側に来た、前髪パッツンでペタッとロングヘアの友人が新しい情報を伝える。


「私も見たよ。一位陥落って書かれてたし。


 あっ、そうそうレッドデビルさまって、実はこのコロニーらしいよ。


 しかもプロにならずにアマチュアだっていうところからして、絶対こっち側だよね。」


 その話題に右側のショートヘアの友人が反応する。


「あっ、私もそれ、見たよ!


 そうだよね。だって今やあの人気ならメディアに引っ張りだこだろうし、動画なんか出した日にはインカムすごいことになりそうだしね。


 でも、それやらないってことは、だよね。」


 ルナの真正面にいるフワッとロングヘアの友人が追加してきた。


「そうだよね。


 今やスポーツで唯一アンドロイドやAIを打ち負かせる存在だし。


 大スター様になれるのにね。


 きっとすっごいイケメンの男子だよ!!


 昨日もカッコよかったもんね〜!


『4つ!』


 うわーー!もうタマラナイよぉ~!!」


 左側にいるパッツンペタッとロングヘアの友人が回りを見回しながら言った。


「ホントカッコ良かったよね!!


 ということは、まあ、うちのガッコじゃないよね。。。」


 その言葉に男子数人が女子4人をにらんでいた。


 女子4人は肩をすくめた。


 周囲を気にしながら右側にいる中央分けショートヘアの友人が言った。


「でもさ、メディアに出なかったりさ、それに、あの反応速度、異常じゃない?


 AIじゃないかって噂もあるよね。」


 ルナが苦笑いしながら答える。


「いや、AIじゃないよ。」


 ルナの真正面のフワッとロングの友人が言う。


「そうだよ。だって、言ってるんでしょ?メーカーが、人間だって。」


 右側のショートの友人が突っ込む。


「そりゃ人気取るための仕掛けかもしれないじゃない?


 実はメーカーが作った超高性能AIかもしれないよ。」


 ルナが強く否定した。


「そんなことないよ!なんか見えるんだよ、次の動きが、、、」


 ルナから見て左側パッツンペタッとロングの友人がルナを不思議そうな顔で見た。


「動き?って、なんでルナがそんなこと分かるの?」





 ガタッとルナが立ち上がって3人を見回して話し始めた。


「そりゃ!!私がRedDevilだもん!!分かるに決まってるじゃん!!」


 3人が驚く。


「ええええーーーー!!!」


 周囲も漏れなく驚愕の表情を浮かべていた。


 ルナが得意顔で続けた。


「他のプレイヤーとか、AIの思考とか、聞こえる、いや違うな。何だろう。


 見える、感じる、いや、それも違うな。


 うん。そう!想いが繋がってるって感じなんだよね。」


 周囲の人々が尊敬の眼差しをルナに向ける。


「ルナ!!スゴいじゃん!!スゴすぎるよ!!


 あなたがレッドデビルさまだなんて。夢みたい!!」


 ルナの周囲にどんどん人集りが出来はじめた。


 そして、いつしか称賛の声が教室に響き渡る。


「レッドデビル!レッドデビル!レッドデビル!!」


 ルナは得意顔になりつつも頭を掻いて少し照れていた。


 だが、その時、ルナの父親と母親が教室に立っていた。


「ルナ、お前はまだそんなものをやっているのか!」


「ルナちゃん、お父様の言う通りよ。


 まだそんなゲームになんか熱を入れてるの!?


 もうあり得ない。


 そんなもの、すぐに止めなさい!!すぐに止めるのよ!!


 分かったわね!!」


 周囲にいた人がモーゼの十戒のように掻き分けられ、その間をルナの父親と母親が歩いてルナに近づいてくる。


 距離が近づくにつれて、ルナがどんどんと困惑した表情になっていった。


「いや、パパ、ママ。これは。。。これはね。。。」


 ルナの顔が泣きそうなほどクシャクシャになった。





 ふとルナが現実に戻ってきた。


 ルナが頭を振り、困惑した表情のまま答えた。


「あっ、いや、その、、、そう思う、、、だけ。」


 真正面の友人がルナを横目で見ながら笑って言った。


「ふふふ。実は一番ルナがレッドデビルさまにハマってるのかもね。」


 友人たちが笑っていた。


 ルナは危うくばれそうになり、苦笑いをしていた。





 ソルはF地区のとある電器部品店の前にいた。


 店の中から声がする。


「おー、ソル!お疲れ!!」


「りょーたろさん、お疲れ!」


 りょーたろと呼ばれた男が店から出てきた。


 ソルより少し背が低く、青みがかったボサボサの髪の毛、頭にゴーグルを付けて、黄土色のつなぎを着た、年にして20代後半の男だった。


 顔とつなぎはところどころ油で汚れていた。


 りょーたろがソルにある物を手渡した。


「これ、朝のやつ。」


<次回予告>

ソルが”りょーたろさん”と呼ぶ男。

彼は中古電子部品店、通称ジャンク屋を営んでいた。

そこでソルは彼から午前中に依頼した部品を受けとる。

その時、りょーたろから言われる。

”珍しいもんが手に入ったんだよ。”

次回、第6話 ”そうそう、『センネンヒツ』とかいう。”

さーて、次回もサービス、サービスぅ!!


<ちょっとあとがき>

今話で登場したルナの3人の友達ですが、実はちゃんと名前があります。

中央のフワッとロングヘア = いーちゃん(イーソー・チャン)

右側の中央分けショートヘア = ノッコ(ノッコ・カレーニナ)

左側の前髪パッツンペタッとロングヘア = かしゆみ(ユミ 柏原)

です。身なりと名前から想像していただくと分かりますが、モデルはあの歌って踊れる3人組です。

あとちなみに前に出てきた高飛車な女性は麗子 城ケ崎です。

登場人物の名前が名前、名字の順なのは国と言う単位がほぼなくなり、国際的にそう呼ぶように取り決めができているためです。

今後もちょくちょくこういうあとがきを入れていきたいと思います。


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