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タキオンの矢  作者: 友枝 哲
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第1話:これが戦場を駆ける赤い悪魔か。。。

「タキオンの矢」は完全オリジナルSFです。

(なろう系ではありませんので、あしからず。)

時は2299年。

コロニー内の富裕層エリアに住み、AIをも打ち負かす天才ゲームプレイヤー = ルナ小林 と

コロニー内の貧困層エリアに住み、頭は超絶良いが、冴えないエンジニア = ソル柊

が人類の持つ争いの鎖を断ち切る物語。

これから毎週土曜日0~1時の間に更新します。

 

 星々が煌めく漆黒の空間。


 遥か先には小さく青い星が一つ見える。


 そして、少し離れたところには白い円筒型の物体が数個浮かんでいる。


 次の瞬間、空間の中で何か閃光が走った。


 そして、その光は猛烈なスピードで青い星の方向に飛んでいった。


 その光を放つ物体は赤色に色づけされており、前方には槍の切っ先のような形状のものが4本。


挿絵(By みてみん)


 後方には翼の付いた細長いグライダーのような形状のものがこれも4本。


挿絵(By みてみん)


 そして中央に球体が1つ。


 その球体と8本の物体は黄色い電磁ビームで連結されていて、槍の切っ先とグライダーの後方からは青白い光の粒が放射されていた。


挿絵(By みてみん)


全長約35mの赤い物体は40km/sを超える速度で進行していた。

 その赤い物体が飛んできた方向のかなり後方からも白い物体が何体も同じ方向に飛んでいった。


 赤い物体が飛んでいった方向には、大小様々な岩が無数に浮かんでおり、さらにその先には大きさも色も形も様々な人工物が無数浮かんでいた。


「全機に告ぐ。12、12(ひとふた、ひとふた)の方向に敵機確認。」


「先頭の1機は他の機体の3倍の速度で接近中。


 えっ?先頭の一機が浮遊岩石群に突入。そんな速度で、、、ありえない!自殺行為だ。」


 通信は赤い機体の進む先にある無数の機体群から発せられていた。


 赤い機体は浮遊岩石群の中につき進み、遅れて来た白い機体たちは岩石群を避けて進行方向の四方八方に散った。


「最前、哨戒機より最大望遠で目視確認!!距離約3000。


 あれは!間違いない!!『RedDevil』だ!!」


 その赤い機体は前方の槍型アサルトユニットや後方のグライダー型ブースターユニットの側面に付いている小型ブースターを使って、機体の角度を変えることなく、平行移動しながら岩石群を避け、恐ろしい勢いで進行していた。


 その様子に哨戒機が声を上げる。


「こっちに来た!イオン中和フィールド展開!!」


 哨戒機に急速接近する赤い機体。


 その機体の前方に位置しているアサルトユニット4つのうちの1つに動きが見られる。


 アサルトユニットの側面に付いている小型ブースターから推進材のイオンが放射される。


 側面から推進材イオンを放出したアサルトユニットの角度が若干変化する。


 そのアサルトユニットの角度はまさに哨戒機のいる方向となった。


 そして、アサルトユニットからイオンビームと小型ミサイルが同時に放たれた。


「なに?ここでミサイルだと!?」


 放たれたイオンビームが哨戒機の前方のイオン中和フィールドに到達。


 イオンビームがバリバリと音を立てながら散り散りになり、書き消される。


 だが、その消えゆくイオンビームの霧の中央をミサイルが走る。


「うわあーーっ!!」


 哨戒機はなす術もなくミサイルの餌食となった。


 爆音を立て、哨戒機が木っ端微塵に爆発した。


 赤い機体は同様にしてアサルトユニットの角度を次々と変えながら、一瞬のうちに岩石群に紛れていた数機の哨戒機に向かって、イオンビームと小型ミサイルを発射する。


 瞬く間に数機の哨戒機が爆発していった。


 赤い機体が進行する先に待ち構えている無数の機体群。哨戒機が破壊されたことにより、それら機体のコックピットに表示されているレーダーから赤い機体や後続の白い機体群の反応が消えた。


 赤い機体の進行先では、哨戒機と同時に近くにあった岩石も粉々になり、その破片が飛び散った。


 赤い機体は飛び散る哨戒機の破片、岩石の破片の隙間を縫いながら、さらに加速し、岩石群をすり抜けていった。


『RedDevil』と呼ばれた機体の味方機から感嘆の声が上がる。


「何をどうやっているというのだ!?」


 その赤い機体の中央ボール部には年端もいかない青年が乗っていた。


 茶色くモジャモジャした髪、黒い瞳、ムッと詰むんだ口、どこかのエースパイロットのような風格を漂わせていた。


 赤い機体の進むその先には戦艦5機と無数の戦闘機、そして無数のロボット群が待ち構えていた。


 戦闘機、ロボット各々は、形が同じものもあれば、違ったものもあった。


 戦艦の前方に配置されていた戦闘機、ロボット群から通信が聞こえる。


「人間の操る機体など、このAI軍の足元にも及ばぬ!さあ、迎い討て!!」


「戦闘機チームは前方に移動。メタリックステラチームはその後方から支援に回れ!!」


 人間の指揮官からの指令が下り、戦闘機の多くが赤い機体を迎え撃つため、加速を始めた。


 メタリックステラと呼ばれたロボット群がその後方でイオンビームライフルを構えた。


「まだまだ我々Z国が優勢だ!勢いは我々にある!!RedDevilを討ち取り、名を上げよ!!」


 編隊を組んだ戦闘機やメタリックステラ群の後ろから戦艦もゆっくりと赤い機体の進んでくる方向に進行し始めた。


 すると、前方から空間を歪ませながら波が伝わってきた。そして、それを受けた戦闘機、メタリックステラ、戦艦が僅かに揺れはじめた。


 各機の画面にも若干のノイズが走る。


「なんだ?これは。。。」


「そんなことよりも早く陣形を整えろ!!」


 そのようなやりとりをしつつも、無数の戦闘機が、赤い機体が進行してくるだろうポイントを全方位から囲むように、陣形を変形させていく。


「私の編成するAI戦闘機チームに叶うと思っているのか!?挟み撃ちにしてくれるわ。」


 無数の戦闘機が陣形を変え、赤い機体の進行方向の上下左右約1000kmまで接近してきた。


 相対速度は60km/s超。ものの10数秒で接触する距離。


 その時、赤い機体の中央ボールコクピット内に上下左右からの敵機が表示される。


 その表示された情報は、表示と同時にパイロットの脳に画像として送り込まれた。


 赤い機体のパイロットは目を見開いた。


 次の瞬間、赤い機体の前方に付いているアサルトユニット側面の小型ブースターが青白い炎を吐いた。


 正確には超高速に加速されたイオン化した推進材を吐き出した。


 そのイオン排出によりアサルトユニットが勢い良く回転。


 4つのアサルトユニットは敵機のいる上下左右に向きを変えた。


 その方向は認識された敵機の角度ピッタリであった。


 そして、同時にブースターユニットはアサルトユニットの45度角度をずらし、前方に向けて攻撃できるように機体の構造が変化した。


 そして、4本のアサルトユニットが一斉にイオンビームを放射した。


「簡単に当たるものかよ!」


 赤い機体を迎え撃つ側も攻撃を予測し、回避移動をし始めた。


 だが、アサルトユニットはまるで敵機の動きを予想していたかのように、イオンビームを断続的に放射しながら角度を変化させていった。


 回避した敵機にどんどん近づくイオンビーム。


 敵機はイオンビームを避けながらも赤い機体の方に向き直し、イオンビームやミサイルを無数に発射した。


 発射する際、わずかに機体が揺れ、且つ発射にディレイが発生した。


 赤い機体は敵機に照準を定めながらも、本体には急激なシフト移動をさせて、見事に撃ち込まれたイオンビームを避けた。


 赤い機体と敵対する機体群からミサイル発射音が幾度と鳴り響く。


 しかし、イオンビームやミサイルを10発ほど発射させたところで、敵機4機に、赤い機体から放たれたイオンビームがめり込む。そして、爆発音。


 上下左右でほぼ同時に爆発が起こった。


 爆発した機体の周囲にいる機体群もただ指をくわえているだけではなかった。


 周囲の戦闘機も、破壊された戦闘機と同様に、イオンビームやミサイルを怒濤のごとく打ち込んだ。


「これでも食らえーー!!」


 無数のイオンビーム発射音、ミサイル発射音。


 戦闘機の機体進行垂直方向に発射されたミサイルが90°角度を変え、赤い機体に向かって飛んでいく。


 イオンビームが次々と赤い機体に襲いかかる。


 だが、赤い機体はまるでイオンビームの飛んでくる位置が分かっているかのように、ギュンギュンと加速し、シフト移動でイオンビームを避け続けた。


 遅れて赤い機体に近づいていくおびただしい数のミサイル。


「追い付かれるものか!」


 赤い機体は周囲でいろんな方向に向いていたアサルトユニットとブースターユニットを中央のボールコックピットに集め、全てのユニットのメインブースターが使えるようにアサルトユニット4機とブースターユニット4機が45度角度差を付けて配置された。


 そして、一気に8ユニット全ブースターを使って赤い機体が加速した。


 一瞬にして赤い機体はほぼミサイルと同じ速度で、前方敵機に突っ込む形となった。


 それでも戦闘機から放たれたミサイルは、赤い機体を追従する。


 赤い機体の動きにあわせて、ミサイルも動く。


 一部ミサイルがお互いの進路を邪魔して衝突、爆発するも、まだ無数のミサイルが赤い機体を追いかけている。


 赤い機体の進行方向にいるメタリックステラ群がイオンビームライフルを構え、赤い機体を撃ち抜こうとしていた。


 それでも、赤い機体は進行方向を変える気配がない。


 戦艦の中から次々と戦闘機が宇宙に放たれていた。


「メタリックステラ部隊、早くRedDevilを追い返せ!近づかせるな!!」


「言われなくても分かってるよっ!!」


 メタリックステラ部隊を操るAIが照準センターに赤い機体を捉えようとしていた。


 だが、進行する赤い機体のアサルトユニットに付属しているビット8機がアサルトユニットから離れ、機体の周囲で輪っかを作るように回りはじめた。


 赤い機体の操縦者が再びキッと目を見開いた。


 すると、赤い機体の攻撃ユニット上面とビットに付いている虹色のプレートがキラッと光った。


 虹色のプレートから強い虹色の波動が放たれた。


 その波動は赤い機体の全方位に広がっていった。


 メタリックステラの照準が赤い機体をセンターに捉えた。


 その時、メタリックステラが広がる波動を受けた。


 すると、メタリックステラがそれまで以上に激しく振動しはじめた。


 そして、その振動が照準をずらしてしまう。


 その隙に赤い機体は激しいシフト移動を行い、照準センターから外れてしまう。


 もちろんAIもそれを追いかけるが、機体の振動からうまく追い込めない。


 当たらないと分かっていながらもメタリックステラ部隊は次々にイオンビームを撃ち込む。


 だが、当然赤い機体にはかすりもしない。


 その間にもどんどん赤い機体はメタリックステラ部隊に近づいていた。


 赤い機体の周囲を回っていたビットが動きを止め、ビットからメタリックステラに向けてイオンビームが何度も放たれた。


 赤い機体にある距離まで接近された時、メタリックステラはライフルの構えをほどき、盾を構えるものと回避を行うものに分かれた。


 赤い機体の周囲を飛ぶ8つのビットはメタリックステラの位置に角度を合わせながら、イオンビームを放つ。


 盾を構えたメタリックステラの前ではイオンビームがバチバチと音を立てて霧散した。


 盾前方にはイオン中和フィールドが張られていたのだ。


 だが、逃げようとしたメタリックステラに射出されたイオンビームの数発が機体の足や体を捉えた。


 次々と爆発するメタリックステラ部隊。


 メタリックステラが陣形展開していた位置をすり抜けようとする赤い機体。


 赤い機体からまだ距離があるメタリックステラは再びライフルを手に取った。


 赤い機体の近くのものはプラズマセーバーを手に取った。


 ライフルからイオンビームを撃つ機体、プラズマセーバーで叩き切ろうとする機体があった。


 だが、この時も機体の揺れ、そして僅かなディレイのため、全く赤い機体にはかすることもなかった。


 メタリックステラ群が、スラスターを使って、すり抜けた赤い機体の方に振り返って見ると、いつの間にか赤い機体が放っていたミサイルがらメタリックステラに向かって飛んできていた。


 そして、ヒット、爆発。


 その様子を見ていた戦艦の指揮官が言葉を放った。


「これが戦場を駆ける赤い悪魔か。。。」


 メタリックステラは次々と爆発した。


 その爆発の間から赤い機体が飛び出し、次に戦艦に一直線に進む。


「RedDevil、なお接近中。距離500!」


 爆発の間から、戦闘機から放たれたミサイルがまだ赤い機体を追いかけ、飛んでいく。


「打て打て!打ちまくれ!!弾幕を作るのだ!!」


 戦艦に備え付けられている60mmガトリングレールガン50門が赤い機体に照準を合わせにかかる。


 次の瞬間。赤い機体の側面に付いている小型ブースターが再び間欠的に光を放射し始めた。


 戦艦の至るところに設置されているガトリングレールガンが赤い機体目掛けて弾を打ち始めた。


 だが、赤い機体は急激なシフト移動で、その飛んでくる60mm弾の隙間を縫って、前進していく。


 それはまるで稲光のような軌道であった。


「この程度、弾幕とは言わんのだよ。」


 ガトリング砲台から放たれた砲弾は全て宙(空)を切った。


「なぜ当たらない?なぜ前進できるのだ!?」


 その宙域にいる機体全てが震えていた。


 弾幕は間違いなく激しいものであった。


 それゆえ、赤い機体を追いかけてきていたミサイルやその後方の戦闘機すらも次々とその砲弾の餌食となった。


 ものの数秒で赤い機体は弾幕をすり抜け、戦艦に向かって、パイルバンカーミサイルを連続射出した。


「さあ、電子の海に還えるがいい!!」


 戦艦に近い位置で射出されたミサイルはあっという間に戦艦の装甲に到達した。


 一発目着弾。


 激しい爆発が装甲表面で起きた。


 装甲には爆力反射装甲が備えられていた。


 その装甲の表面で爆発を生じさせ、爆力がミサイルの力積を殺したのだった。


 だが、ミサイルはそれを見越して、数発、全く同じ位置に着弾するように打たれていた。


 装甲は2発目、3発目と反射装甲で弾いたが、4発目は爆力反射がなくなっており、ついに戦艦の内部にミサイルが届いてしまった。


 ミサイルが動力部を直撃。戦艦は中央から木っ端微塵に爆発した。


 赤い機体にのっているパイロットが言う。


「4つ!」


 そう言いながら、赤い機体は次の戦艦に狙いを定め、動き始めていた。


 周囲では赤い機体の後ろから付いてきていた赤い機体の味方戦闘機群が遅れて戦場に到着した。


 AIパイロットたちによって戦闘機、メタリックステラ同士が撃ちあいを始めた。


 だが、赤い機体によって1機の戦艦が落とされ、陣形が崩されていた。


「中央が崩された!陣形を立て直せ!!」


「退却せよ。退却だ!!」


 中央戦艦はこの宙域の指揮艦であった。


 そのため、指示が入り乱れる結果となった。


 続けて戦闘を行う機体もあれば、逃げまどう機体もあった。


 もはや、陣形を維持することは不可能であった。


 赤い機体が勝利をもたらしたことは誰が見ても認識できる状況だった。


 赤い機体は逃げる他の戦艦に対して、ミサイルを射つ距離に近づきつつあった。


 だが、その時、機体間通信ではない声が赤い機体のパイロットの耳に入った。


「ルナちゃん、部屋にいるの?扉を開けなさい。入るわよ。」


 赤い機体に乗っているパイロットが焦って言った。


「やっば!!」




 バロック調の優雅な部屋の白い大きな扉が開かれた。


 その部屋の奥では高校生くらいの女の子がアンティーク調の机に座っていた。


 白いヒラヒラの付いた品の良さそうなワンピースを来た彼女は、黒く真っ直ぐな長い髪に、瞳が茶色く、少し切れ長のキレイな目をしていた。


 目鼻立ちがハッキリした美人顔であった。


 机には数式が書かれたウインドウが表示されていて、女の子はそれをマジマジと見つめていた。


「勉強しているのね、ルナちゃん。感心、感心。」


 部屋に入ってきた女性はゆったりとした赤いワンピースを着ていて、顔立ちは部屋の中で座っている女の子に似ていた。


 その女性は女の子の様子を確認した後、言葉を付け加えた。


「あっ、そうそう。今週末、会社のパーティーがあるから出席するのよ。分かってるわね?」


「うん。分かってるよ、ママ。」


「うん。よろしい!」


 そういうと、高校生くらいの子供がいるとは思えないくらい若く見える母親が部屋を出ていった。


 女の子が小声で言う。


「はー、危なかった。。。あー、いいところだったのにな。」


 数式が書かれたウインドウの下にはウインドウが1つ隠されていた。


(Logout『OneYearWar』)


 女の子が天井を見上げて言った。


「またパーティーか。会社の人たち、心にもないことばっかり。上っ面だけだし、いやだな。」


 その時、部屋のどこかに隠れていた黒い猫が、その女の子の足にすり寄ってくる。


「にゃーー」


 女の子が猫の頭を撫でながら言った。


「シュレディンガー、あんたはいいね。気ままに生きれて。」




 月の砂 ”レゴリス”で作られた3、4階建てのアパートが立ち並んでいる。


 それらのアパートは円筒形内面に沿って無数に立ち並んでいるのが見える。


 だが、ある距離からは白みがかってその上は青空が広がっている。


 3Dプリンタで作られたアパートの壁は作られたそのままで表面がザラザラしていた。


 壁のところどころには落書きがされていて、ドアや壁の一部が壊れているところがあった。


 また壁にはまるで何か熱いもので溶かされたような穴もあった。


 布などで一部装飾はされているが、それもボロボロになっていて、逆に荒廃している感を漂わせている。


 複数のアパートが狭い間隔で立ち並んでおり、その間に通路があった。


 だが、人影もあまりなく、ゴミもところどころに転がっていて、荒んだ印象を受ける。


 そのアパートの1つ。


 ドアが並ぶ3階の通路に男が1人と青年が1人立っていた。


 青年は短くサラサラな青みがかった髪、キリッとした大きな目が印象的であった。


 青年は濃い藍色のつなぎズボンを履き、つなぎの上着部分の袖を腰に回して縛っていた。


 上着は白のピタッとした長袖シャツ。繋ぎのズボンの下にもピタッとした白のレギンスを履いていた。


 長袖のシャツやレギンスには黒い帯が、身体に腕に足に、描かれていた。


 繋ぎにはところどころ油汚れが付いている。


 青年はドアの横の配電盤を開け、何か作業をしている。


 その様子を強面の男がじっと見ていた。


「やれるのか?」


<次回予告>

「OneYearWar」というゲーム。

ルナと呼ばれる少女はそのゲームのスーパープレイヤーであった。

しかし、彼女はそのことを誰にも打ち明けていなかった。

場所は変わり、貧困層エリア。

一人の青年が荒廃したアパートでニュースを見つめる。

そのニュースにはこのコロニーを納める議会長が映る。

その長を睨む青年。彼は何を思うのか。

次回、第2話「そして、争いのない世界を。」

さーて、次回もサービス、サービスぅ!!


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