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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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属性合わせゲーム 勝利編1

「一体何が起こったっていうの…」


クリスティーナは下を向きそう言った。


私にもわからなかった。赤羽くんは一体何をしたのだ。


すると周りが赤い光に包まれた。

光が消えるとそこには赤羽くんが立っていた。


「なるほど、勝負が終わると自動的に元の場所に戻る仕組みか。」


赤羽くんは他人事のようにそう呟く。

そしてカゲノが言う。


「まだ4ターン目が残っています、4ターン目をするまでもなく勝敗は決まったのでここで『属性合わせゲーム』ユミさんの勝利とさせていただきます。」


私はどうやって勝ったのか赤羽くんに聞こうとした。しかし私が聞く前にクリスティーナが赤羽くんに駆け寄る。


「一体何をしたっていうのですかヒロ様!私の計画は完璧だったはずなのに。」


「計画ってあのイカサマのことか?」


「気づいていたのですか?」


「そりゃ気づくさ。それにこの勝負に勝てたのも、クリスが仕掛けたイカサマのおかげなんだよ。」


「どういうことですの?」


クリスティーナはさっきの落胆していた様子から打って変わって、いつもの強気な姿に戻っていた。


「じゃあ教えてやるよ、俺とユミがどうやって勝ったかを。」


まるで、事件の推理が始まるときのような雰囲気があった。


「まず最初に、ゲームのルールを聞いた時に思ったよ。間違いなくイカサマをしているなって。」


「ど、どうしてですの?」


私もそこは疑問だった。


「だって『属性合わせゲーム』、これほぼ運ゲーじゃねか。クリスとしては絶対勝ちたい勝負、そんな時に運ゲーで勝負するとは思えなかった。それに、大抵相手が提案してきたゲームは提案した側が有利になるようなルールなんだよ。」


確かに、言われてみればそうだ。


「じゃあなんで契約書を読んだ時点でイカサマ禁止というルールを追加しなかったんですの?」


「クリスくらいなら勝てると思ったんだよ。」


「なっ…」


唇を噛むクリスティーナ。


「それでこのゲームに勝つには大前提として、俺とユミが意思疎通をしなければ勝てない。だからユミにしか伝わらない言語で俺が出す属性の順番を伝えた。」


「あー、質問の時だね。」


と、突然カゲノが言った。なぜか敬語を一切使っていない。


「ユミさんにしか伝わらない言語って一体?」


「『英語』だよ。俺が別の世界から来てるのは知ってるだろ。実はユミもそうなんだ。そして英語ってのは、俺たちが普段から使う言語とは別の言語なんだ。つまりこっちの世界では翻訳されないってことだ。」


「だからユミさんはヒロ様の属性を確実に当てていたのですね。」


しかし私には疑問があった。


「ねえあかば…じゃなくてヒロくん、どうして私が英語がわかるって知ってたの?もし私に英語が伝わらなかったらこの作戦失敗してたよ。」


私の質問に赤羽くんはこいつは何を言っているんだ、というような顔をした。


「だってユミなら英語くらいわかるはずだろ?」


そうか、赤羽くんはなぜか私に絶大な信頼を置いている。赤羽くんの中の私はもしかしたら完璧超人なのかもしれない。


「そうだったんだ。」


私は苦笑いしながらそう言った。


「とりあえずこれで俺の意思はユミに伝わる。次はクリスのイカサマだ。一回戦の1、2ターン目をやって確信した、案の定イカサマをやっていると。これをどうするか考えた。俺はまずはイカサマの正体を突き止めることから始めた。そして一回戦が終わるころには正体が分かった。」


「すでに一回戦の終わりで…」


クリスティーナは呟くように言った。しかし私も同じ気持ちだった。私は一回戦が終わったころにクリスティーナがイカサマをしているのではないかと疑い始めたのだ。しかし赤羽くんはそのころにはイカサマの正体まで見破っていたとは。


「どうやらユミも途中でイカサマの正体に気づいたらしく、二回戦3ターン目が始まる直前に俺に何か伝えようとしていたよ。」


「え!?あれ気づいてたの?」


イカサマに気づいた私はそれをどうにか赤羽くんに伝えようと映像の中の赤羽くんの目に訴えかけた。しかし赤羽くんとは目が合わなかったので赤羽くん側から私たち側が見えていないと思った。


「ああ、必死に俺の目を見ていたよね。でも俺はあえて目を見なかった。なぜならクリスに俺がイカサマの正体に気づいたと思わせないためだ。俺はクリスが仕掛けたイカサマを利用して勝つ方法を思いついた。だから俺がイカサマの正体に気づいたとクリスにバレたくなかったんだ。」


「そうだったんだ。」


「でもユミにガン見されたのはちょっと照れたな、へへ。」


「な、何言ってんの!?」


私は動揺してしまった。赤羽くんはたまにこういうことを平気で言う人だ。


クリスティーナが私を睨んできた。


怖かったので、すぐに目をそらした。


「それでどうやって、クリスのイカサマを利用したのかってとこだが、それを説明するのはまずイカサマが何だったか明かさないとだめだな。まあこの場にいるやつは全員わかってると思うけど一応言っとくか。クリスが仕掛けたイカサマ、それは…」







読んでいただきありがとうございます!

前回、この回で勝ち方を明かすと言っていましたが、思ったより長くなってしまいそうなので、切りのいい所で終わりにしました。すみません。

次回こそ勝ち方明かすのでよろしくお願いします。


ブックマークや★★★★★是非お願いします。

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