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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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異世界ペンション連続殺人事件 始まり

これは俺がまだ駆け出し冒険者の頃の話だ。


 異世界召喚されて1か月、とある田舎に現れた強力な魔物の討伐依頼をギルドから受けた。その田舎は大きな山をいくつか超えないとたどり着かないくらいの場所にあった。転移の魔道具があれば一瞬でつくがそれは貴族や王族などの身分が高い人しか使えないので歩いて向かうことにした。季節は日本でいうところの冬、凍えないように厚着で出発した。


 召喚されて一か月経って俺は初めて高い壁に囲まれたこの西洋風の街を出た。ギルドが出してくれた馬車に乗って一つ目の山まで3時間程で着いた。その山からは馬車では進めない険しい道のりらしいので馬車から降りて歩き始めた。はじめは建物がない自然だらけの景色を見ながら快適に旅をしていたが、1日も経つとその景色にも飽きて退屈な旅になっていった。


 山の中にも冒険者は来るので所々に個人が経営しているペンションのようなものがあるので、そこで寝泊りをしながら旅を続けた。


 旅の三日目、二つ目の山のふもと、山道にしては広い道を歩いていると周りをキョロキョロと見渡している大量の荷物を持っている小柄な50代くらいの男を見かけた。その男は俺を見ると俺の方に走ってきてこう言った。


「もしかしてあなたは冒険者ですか?」


「はい、そうですけど」


俺がそう答えると男は嬉しそうに俺の手を掴んだ。


「それは良かった、私は商人のパレントと申します。この山を通っていきたいんですけど、どうやら魔物が出没するらしく一人では怖くて、なので冒険者のあなたに護衛をしてもらおうと思いまして」


なるほど、さっきのキョロキョロとしていたのは護衛をしてくれる人を探していたのか。

俺も一人旅が退屈になってきたところで話し相手ができるのは丁度良かった。


「構いませんよ。」


「ほんとですか、ありがとうございます。もちろん護衛料はお支払いいたしますので。」


これは朗報だ。話し相手ができてその上お金までもらえるなんて。


山道を歩きながら俺はこの世界のことを詳しく知るためにパレントさんから魔法や魔道具について、この世界の仕組みについてを詳しく聞いた。そのついでにパレントさんは自分の昔話をしてくれた。

どうやら20代の頃は冒険者をやっていて30歳になって引退して商人になったらしい。そして今日は昔のパーティーメンバーの一人が最近この山でペンションを経営し始めたらしく商品を売りに来たついでに寄っていくのだそうだ。


「ヒロさんも寄っていきませんか。宿泊料は私が払いますから。」


「それはありがたいです。ぜひお願いします。」


こうして俺はパレントさんの元パーティーメンバーのペンションに泊まることになった。


このときの俺はまだ知らなかった、このペンションであんな凄惨な事件が起こることを



日が沈み空がすっかりと暗くなっていった。

暗くなった道を歩いていると突然周りが明るくなった。その光はパレントさんから発せられていた。最初は懐中電灯でも持っているのかと思ったが、光はパレントさんの手から出ていた。


「私、光魔法の使い手なんですよね。」


なるほど、便利な能力だ。


「あと少しで着きます。」


パレントさんがそう言った直後、パレントさんの後ろの暗闇から「何か」が猛スピードで接近してくるのを感じた。

俺は急いでパレントさんに飛びついた。そのおかげでパレントさんには傷一つつかなかったが、俺の背中に当たり、俺の血と肉片が飛び散った。

そしてその「何か」がまたこっちに向かって突っ込んできた。

俺は手を前に構えた。そして、異世界召喚当日に教わった通り手に魔力を込めてそれを放った。俺の手からは炎が噴き出し「何か」を燃やした。一瞬で「何か」の叫び声は消えた。丸焦げになった「何か」を見た。それは山に現れるという雑魚魔物だった。


久しぶりに魔法を使ったな。


普通召喚された者は魔法は使えない。しかし召喚された者しかできないことがある。それは大精霊との契約だ。俺は炎の大精霊と契約した。それにより少し魔力を込めるだけでとてつもない威力を発揮することが出来る。そしてもう一つ、大精霊と契約すると良いことがある。それは不死身になるということだ。


「ヒロさん、大丈夫ですか!背中にすごい傷が、」


パレントさんは慌てていた。


「大丈夫ですよ。まあ見ててください。」


俺がそういうと飛び散っていた俺の血と肉片が宙に浮いた。そしてゆっくりと俺の背中に戻っていく。

その様子を見てパレントさんは呆然としていた。


「俺、不死身なんで」









 

読んでいただきありがとうございます!

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風邪をひいていたので更新遅れました、すみません。

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