属性合わせゲーム ルール説明
「場所を変えましょうか。」
クリスティーナはそういうと指パッチンをした。すると私たちは赤い光に包まれた。
この感覚には覚えがある。ガクが使う転移魔法だ。
案の定私たちはさっきとは別の場所に来ていた。
広い部屋の真ん中に、カジノにおいてありそうなテーブルが置いてある。そして向かい合うように二つの椅子が。
「赤羽くん、今のって転移魔法?」
「少し違う。今のはガクの転移魔法をもとに作られた転移魔道具だ。前にも言ったように、魔道具にはもととなる魔法が必要だ。そしてここレニーは魔道具生産で成功を収めた。その鍵を握るのが魔道具職人だ。いくら優秀な魔法であったとしてもその魔法を魔道具にするのは簡単じゃない。しかしレニーでは魔道具を作る技が代々引き継がれている。そしてその技はほとんどの人が知らない。だから色々な魔法がレニーに来て魔道具となり、利益が出る。ついでにクリスはその魔道具も手に入れられる。それがレニーが大きな力を持っている要因だ。」
「そうだったんだ。」
納得だ。だからクリスティーナはここまで態度を大きく出来るのだ。自分の国にいる職人がいなければ、魔道具が生まれないから。
「さっきから何を話しているのかしら?」
と赤い髪を手で払いながらクリスティーナは言う。
「おい、それでゲームってのは何をするんだ。」
赤羽くんの問いにクリスティーナは「ふふふ」と笑う。
そしてさっきと同じように指パッチンをした。すると今度は赤羽くんだけが赤い光に包まれてどこかへ消えた。
「ちょ、クリス何してんの!」
私は思わずクリスティーナに声を荒げてしまった。
その言葉を聞いたクリスティーナは今までの甲高い声からは想像できない声で叫ぶ。
「あんたなんかにクリスって呼ばれたくないだけど!だいたいあんたヒロ様の何なのよ!地味な見た目の癖に…まあいいわ。このゲームで勝てばヒロ様はわたくしのものなのだから。」
こ、怖っ!クリス呼びはダメだったか、クリスティーナだと長いからクリスの方が良かったんだけど。
クリスティーナはまた指パッチンをした。
「わっ!」
私は思わず声が出た。なぜなら指パッチンと同時に、今まで何もなかった空間に「映像」が映し出されたのだ。しかもそこには赤羽くんが映っている。
これも魔道具の力、まるでSF映画みたいだ。
「ヒロ様だけ移動させたのは今から行うゲームで必要だったからよ。」
「そのゲームって一体?」
「『属性合わせゲーム』よ。」
「『属性合わせゲーム』?」
なんだそれ、聞いたことがない。クリスティーナのオリジナルゲームなのだろうか。
「カゲノ、この女にルール説明して頂戴。」
「わかりました。お嬢様。」
言葉とは裏腹にカゲノの口調はやんちゃ坊主のような喋り方だった。
「それではお二人とも席にお座りください。」
カゲノに言われた場所、それはカジノテーブルに向かい合う椅子だった。
私とクリスティーナは向かい合って座った。
「『属性合わせゲーム』ではこちらのカードを使います。」
カゲノはカジノディーラーように4枚のカードを2人に配った。
カードの大きさはトランプより一回り大きいくらいだ。そしてカードには何か絵が描かれているようだった。
これは…
「今お配りした4枚のカードには<火>、<地>、<風>、<水>の4つの属性の絵が描かれています。」
とカゲノは一枚ずつ紹介していった。
「火、地、風、水はこの世界の魔法の始まりの魔法たちです。そして別室にいるヒロさんもこれと全く同じ4枚を持っています。ルールは簡単、別室にいるヒロさんが提示した属性をあてる、というものです。」
「というと。」
「詳しく説明します。ゲームは4ターン制、まず別室にいるヒロさんが4枚の内どれかをカードセットエリアに裏向きでセットします。別室にいるヒロさん、場所わかりますよね、試しにやってみてください。」
カゲノに声をかけられた映像の中にいる赤羽くんがカードを選びどこかにおいた。すると、赤羽くんが映っている映像の横に、もう一つの映像が浮かび上がる。そこにはカードが裏向きで置いてあった。
「ヒロさんがカードセット完了したら、今度はこちらの部屋にいるお二人がカードセットに移ります。その際お二人はヒロさんが何の属性をセットしたのか予想してカードセットします。次にオープンタイム、先にお二人がカードをオープンします。お二人がオープンし終わったら今度は別室のヒロさんがオープンします。この時、ヒロさんと同じ属性だったら1ポイントが入ります。外したら0ポイント。これを4回やります。一度使ったカードは次からのターンではつかえません。そして4ターン終わった時にポイントが多かった方の勝ちです。ポイントが同じだった場合、最初からやり直しとなります。」
なるほど、ルールは理解した。しかしこれ、実質私対クリスティーナではないのか。こうなってしまってはやるしかない。
「ユミさん、このゲームがなぜ、属性当てゲームではなくて『属性合わせゲーム』なのかわかるかしら?」
「い、いやわかりません。」
「それはね、ヒロ様に合わせる、つまりどちらがヒロ様にふさわしい女か決めるゲームだからよ。」
え?どういうことだ、それって答えになってなくないか。
まあそんなことはどうだっていいけど。
「そうですか。」
私は作り笑いをした。
「ゲーム中はヒロさんとの交信を避けるため音声は切らせていただきます。」
そうか、さっきから赤羽くんがずっと無言だった理由はこれか。いやでもそうなるときついぞ、だって赤羽くんがいつどの属性をセットするかなんてわからない、ほぼ運ゲーだ。どうやって勝つ。
「今は音声が切られている状態ですが、今質問があれば一度だけ音声を入れます。何か質問はありますか?」
カゲノの問いに赤羽くんは手を上げる。
「どうぞ。」
カゲノが手元で何かの操作をした。すると映像の赤羽くんから咳払いが聞えた。そして…
「I'll set it in the order that Kageno said.」
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