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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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思わぬ提案

「ちょ、一回離れろ、」


そういうと赤羽くんは女を手で押しのける。


「酷いじゃないですか~ヒロ様~」


「その呼び方はやめろ、気持ち悪い。」


ここで私が会話に乱入する。


「お取込み中すみません、私たちは急いでいるんです。さっさと要件を話していただけますか?」


女は私を一瞬睨んだ。しかしすぐにわざとらしい笑顔を作ってこう言った。


「わたくし、レニーの王、クリスティーナよ。よろしく。今から話すからそう焦らないで平民。」


レニーの王?ここは国じゃなくて街のはず、この女完全にファント王国をなめている。


「おいクリス、そこの男は誰だ?前来た時はいなかったよな。」


赤羽くんはタキシード姿の男を指さす。

そんなことよりも私は気になったことがあった。


クリスティーナをクリス呼び?!2人はそんな間柄なのだろうか。


「ああそうでした、この男はカゲノ。私の世話係みたいなものだから気にしなくていいわ。」


よく見たらカゲノはずっとニコニコと笑っている。

クリスティーナの言葉を聞いた赤羽くんが何かを考え込んでいた。


「どうしたの赤羽くん?」


「ああいや、なんでもないよ。」


そうは見えなかった。


「今日呼ばれた理由は分かっているわね?」


「ああ、あんたらの魔道具が売りもんにならなくなっちまったことだろ。」


「ええその通り、そこで私はあなたにその責任を取ってもらおうと思ったのよ。」


私はその言葉にカッとした。


「ちょっと待ってくださいクリスティーナさん、その件に関してはヒロくんに何も責任はありません。なのになんでヒロくんに。」


私は必死に説得した。

それとは関係ないが、この世界には苗字という概念がないので、赤羽くんをヒロくんというのになぜか少し照れた。


クリスティーナは私に少しも視線を移さないままこう言った。


「それはあなたが決めることじゃありませんわ。損害を負ったのはこちらなのよ。」


「だからって…」


反論しようとする私を赤羽くんが止める。


「ユミ、とりあえず向こうの提案を聞こう。」


「うん、わかった。」


私は赤羽くんと言うことを聞くことにした。


「それで、ヒロ様には私と結婚してもらおうと思うの。」


「け、結婚?!いや、それって…」


私は動揺したが、赤羽くんはそうでもなかった。


「そういうことなら帰らせてもらう。そんな条件が飲めるわけがない。帰ろうユミ。」


赤羽くんは入ってきた扉まで歩き出した。私もそれについて行った所で、クリスティーナが笑い声をあげる。


「帰っちゃっていいのかしらヒロ様。ファント王国は我々レニーの魔道具生産で大きな国益を出している。もしこの条件を飲めないのならさっさと独立して、別の国とだけ取引しちゃうわよ、ふふふ。」


なんて卑怯な。


「バカかクリス、ファント王国の経済がどうなろうと俺には関係ない。俺が飲める条件だったら協力してやってもいいと思ったけど、それじゃあ無理だな。」


確かに赤羽くんの言う通りだ。どうせ私たちは事件解決したら元の世界に帰る。だからファント王国への協力は私たちに出来る範囲だけでいいんだ。


「ふふふ」


クリスティーナはまた笑った。


「そういうと思ってましたわ。わたくしの提案はこうです。わたくしたち2人にゲームで勝ったら、何もせずそのままお帰りになっても構いません。ただし、ゲームに一回でも負けたらヒロ様はわたくしと結婚していただきますわ。」


「ゲーム?」


「ええそうです。こちら契約書になりますわ。」


クリスティーナは赤羽くんに一枚の紙を渡す。


「私にも見せて。」


私は紙をのぞき込んだ。赤羽くんは私が見やすいように紙の位置を下げた。

そこに書かれていたのは見たこともない言語だった。しかし読める。これも翻訳飲料の効果なのだろう。


「ところで赤羽くん、契約書ってのは何?」


「契約書とはこの世界で何か取引をする際に使われるものだ。契約書にはこれから行われる契約内容が

書かれている。取引相手はその契約に納得したらサインをする。一回サインをしてから、契約を破ると大きなペナルティがあるんだ。ペナルティは死んだり、地獄の苦しみを味わったり、大切な人が死んだりと毎回異なる。約束を破らせない道具としては便利だが、危険も大きい。」


そんなたいそうな道具なのか。


私たちは契約書を真剣に読んだ。要約するとこうだ。


クリスティーナとゲームで戦う。そこでもし負けたら赤羽くんはクリスティーナと結婚する。もし勝ったら、今度はクリスティーナの世話係であるカゲノとゲームで戦う。負けたら赤羽くんがクリスティーナと結婚、カゲノに勝てば、何もせず帰れる。

という内容だった。


「なんでクリスだけじゃなくカゲノともやらなきゃいけないんだ。」


「保険ですわ。もしわたくしが負けたときようのね。まあ負けるはずもありませんが。」


とても自信があるように見えた。勝つことが分かっているような感じだ。怪しい。


「もう一つ質問がある。もし負けた場合俺の連れのユミはどうなる?」


「その女には興味ありませんわ。かえっていただいて結構です。」


さっきから赤羽くんの質問は、今から勝負を受けるつもりで質問しているように見える。

赤羽くんがここまでしなくてもいいのに。


「怪しいよ。この勝負受けるつもり?」


「受けようと思う。」


「どうして?もし負けたら結婚するんだよ。元の世界に帰れなくなるかもしれないんだよ?勝てるの?」


私は必死だった。しかし当の赤羽くんは笑っていた。


「安心しろ、もし負けてもユミは帰れる。」


「そういうことじゃなくて…」


「それに、必ず勝つ。」


赤羽くんにも自信があるように見えた。しかしこれはクリスティーナのとは違って根拠があるようには見えなかった。

それでも私は説得するのをやめた。



「クリス、この勝負受けるよ。」


「それは良かった。」


赤羽くんが契約書にサインをする、続いて私もサインをした。

異世界の言語がわからないはずなのに、異世界語が書けた。


「それでクリス、最初のゲームはなにをするんだ。」


「ふふふ、ヒロ様が1人連れてきたので、あのゲームが出来ますわ。それでは場所を変えましょうか。」













読んでいただきありがとうございます

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ということで次は事件ではなくて、ゲームです。次回からも是非見てください!

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